生活を助けてくれたナイトワーク
幼少期から親の不仲による不安や恐怖を抱えていた私は高校生に入るとバス通学で行動範囲も広がり、部活やバイトの名目で家にいる時間は寝るために帰るくらいに減らすことで自由を得ました。
しかしせっかく進学校に入学したにも関わらず、家庭の経済的事情で進学できず
「フリーターでお金貯めて専門学校へ行きたい」
と親へ話したものの
「正社員でなければ家を追い出す」
と脅され、やむを得ず銀行の子会社の事務に就職しました。
望んでもない就職でしたので土日の休みは高校生からのバイトを会社に内緒で続けて気分転換したり、飲みに出たりでしたが、朝帰りが続き、遂に本当に家を追い出されることになりました。
当時の手取りは10万円ちょっと。
一人暮らしで家賃と車のローン、保険も含めると給料では足りない、もちろん買い物も遊びに出ることも出来なくなります。
ファストフードのバイト代も微々たるもの。
幸い、アルコールはいくらでも飲める強さなので水商売のバイトを始めることにしました。
最初はOLの仕事と両立できるように金曜日と土曜日の週2回での出勤。
慣れてきた頃に店長から
「もう少し出勤増やしてみない?」
と勧められて水曜日も追加。
週3回も慣れてきてホステスの仕事が楽しいと思った頃にはOLもやりながらレギュラー(週6回)になっていました。
閉店後に日払いでもらえるバイト代も会社の月給が馬鹿馬鹿しくなるくらいになり
「このまま金銭感覚がマヒしてはいけない」
「いずれ景気が悪くなったり歳を取ったら今のように稼げなくなる」
危機感を感じ、貯金を貯めて看護学校へ行こうと思ったのが20代半ばの頃です。
会社の給料だけでは生活できない私を救ってくれたのが水商売で、今となっては希望通りに出勤できて時給がまるまるもらえる業界ではなくなったようですが、今のように堂々と人に話せる職種ではありませんでした。
おそらく、今で言うところの風俗業界並みに水商売への偏見や風当たりはあったかと思います。
20代で夜の世界に生活を救ってもらった私は30代後半で再び、ナイトワーク系に生活を救ってもらうこととなります。
ワーキングプアという言葉が出始めて久しいですが、働いているのに生活が苦しい人の支えになるのが水商売や風俗業界です。
今の仕事を続けていたら生活が出来なくなる、もしくは失業してしまい再就職が厳しい、そんな方も多く関わってきた経験上、私はそんな生活弱者を助ける仕事と関わりたいと考えています。