どこにも吐き出すところがないので
父親が死にました。
父親と宣うのなんて嫌悪で吐きそうになるけど。
朝早く、離れて暮らす母親から電話が来た。そもそも今は母親も鬱陶しくて仕方なかったので疎遠になっていて、母親からの電話は決まってオール無視。しかし、こんな時間に電話を掛けてくることはまずないので、さすがに変だなとは思った。コールが鳴り止むと、短く一文、メールが送られてきた。
なぜどこにも吐き出せないかと言えば、私にとってはちっとも悲しむべきことではないから。しかし、悲しくないにしても、意外とびっくりと言うか、それなりの衝撃は受けた。なんと言うか、永遠に生きてるような感覚だったから。近年は一切の関わりを絶っていたので、やっと死んでくれたと言う気にもならなかった。解放された気にもならなかった。ただ、復讐を生き甲斐としてきた私は、この先何を目的に生きていけばいいのだろうと、そんなことをぼんやり考えている。
すっかり染み付いてしまった徹夜。まずは、眠った方がいいのだろう。
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