この記事では、サブドミナント和音の一種であるⅡ7(にどしち)の和音について解説しています。
Ⅱ7は、副七の和音の中では最もよく使用される和音ですが、
和声学で勉強する場合は、属七や属九に比べるとシンプルな内容です。
参考文献はこちらです。
Ⅱ7の和音
📍基本情報
Ⅱ7の和音の機能は、芸大和声においては、Ⅱ度和音と同じくS(サブドミナント)和音に分類されます。
構成音は、ハ長調(Cメイジャー)の場合『レファラド』(Dm7)、
ハ短調(Cマイナー)の場合『レファラ♭ド』(Dm7-5)であり、
Ⅱ度和音(レファラ)に第7音(ド)が追加で重ねられます。
Ⅱ7の和音は基本的に、D(ドミナント)和音へのみ進行します。
Ⅳ度などの別のサブドミナント和音にはあまり進みません。
Ⅱ7の和音の例としては、ハノンのスケール練習のカデンツがあります。
名曲の例では、J.S.バッハの《平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番ハ長調「プレリュード」》の2小節めで、Ⅱ7の第3転回形が使われています。
📍配置
密集か開離で行い、4つの構成音をそろえます。基本形は5欠(第5音(ラ)を省略)もできます。
📍連結→
いつも通り、共通音は保留させたり、なるべく近くへ進行させます。
第7音「ド」は下行限定進行音です。
属七の第7音(Cメジャーのファ→ミ)と同じ進行ですね。
その他、留意点が2つあります。
📍→連結(予備)
また、Ⅱ7の和音の第7音(ド)は、予備が必要です。
実践!
今回の課題はこちらです。
(洗足オンラインスクール 『和声の祭典』和声課題集Ⅱ 第2部 Ⅱ7の和音 課題4の1番です。)
課題を始める準備として、『和音設定』と『ソプラノの音高と配置の決定』を行いましょう。
🌱和音設定
…おおよその和音と、カデンツを設定します。
🌱ソプラノの音高と配置
…ソプラノを「ドorミorソ」にするか、配置を「密集or開離」にするか決めます。
今回は根音高位(ド)の密集配置にしました。
🌱課題スタート!
❶バス《ド→ファ→ファ→ミ》
機能《T → S→ D→ T》
❷バス《ミ→ラ→ラ→ソ》
機能《T → S→S→ D》
❸バス《ド→ド→シ→ド》
機能《T → S→ D→ T》
❹バス《ド→ファ→ソ→ド》
機能《T → S→ D→ T》
最後まで読んでくださり、ありがとうございます!
さくら舞🌸