「最強」への足がかりー2023櫻坂46を振り返る(前編)
年の瀬恒例の、一年を振り返るnoteではあるけれど、櫻坂46の2023は毎日何か起きていたような錯覚に陥るほど、常にエピソードの連続だったような気がする。
今年年頭、そこさくで推しメン松田里奈は「今年は勝負の年」「自分たちもスキルアップして最強のグループになりたい」と語っていた。もちろん、本気でそう考えていたに違いない。
どちらかというと、私たちの側が、彼女たちの本気をどれだけ真剣に捉えていたか。
「勝負の年」「最強のグループになりたい」というのは巷でよく聞かれる言葉だし、急がずとも少しずつそこに近づいていければいいじゃない、くらいにしか考えていなかった人もいたのではないだろうか。
もしそうだとしたら、彼女たちの想いの方が遥かにこちらを上回っていた。それこそ圧倒的なスピード感で「最強」へと駆け上っていた。私たちはそのスピードを甘く見ていたかもしれない。
2023。櫻坂46に何が起きていたのか。
前編・中編・後編で振り返っていく。
2023年1月
三期生加入正式発表→三期生Vlog配信開始
櫻坂2023を語る上で、絶対に外せない、三期生の存在。
もちろんオーデが行われていたことも、おそらく昨年11月頃に内定者に通知が行ってたことも知っていた。でもそこからいつ新しい風が吹くのかは、こちらにはわからず待つしかなかった。
既存の櫻坂メンバーだけで、決して不満だったわけではない。
けれど、新しい風が吹くのがわかっているのなら、その風を受けてみたいと思うのは自然な気持ちだと思っていて。
私たちもそうだろうとは思うけれど、実は先輩たちが最もその風を楽しみにしていたのではないかと思うのだ。
Vlogで次から次へ紹介されていく、三期生。
最初は確か、的野美青だった。
トップバッターで紹介されるプレッシャーが如何ほどであるか、想像なんかするのは不可能だ。
でも、
「福岡県出身、高校1年生16歳の的野美青です」
この低音にシビれた。
他の三期生がまだわからない段階ではあったけれど、なぜか彼女のこの低音だけで勝利を確信した気になったのを覚えている。
そう、まもなく、あの瞬間から一年。
あの感覚は、正しかった。
三期生ドキュメンタリー配信開始
Buddies全体として、当初三期生の加入をどう思っていたか。今ほど一枚岩で彼女たちを見つめていたかと言われると、正直微妙だ。
それはもちろん当然の話で、まだ海のものとも山のものともわからないメンバーが、既存のメンバーの中に入ることによってどんな化学反応が起きるかわからない、という一抹の不安を感じる人がいたとしても決して不思議ではない。
まず、個人Vlogで人となりを紹介し、その後に持ってきたコンテンツがドキュメンタリー。
そして、このコンテンツがそんな不安を徹底的に払拭した。
彼女たち自身が魅力的だった、というのは当然のことだけれど、もう一つ大きな要素があった。
それは「思い入れ」。
三期生によっては、ダンスも歌も全くの素人から、あの櫻坂のレベルにまで上がらなければならない。それも、さほど時間があるわけではない。周囲の大人はもちろん、本人たちにその過酷さに耐え抜きスキルを身につける覚悟がなければならない。
そして、その様子をBuddiesに観せることによって、彼女たちへの感情移入を促す。
それが意図的なのかどうかはわからないが、結果的にそうなった。これが三期生へのアンチをほぼ生み出さず、Buddiesが彼女たちに対して概ね一枚岩になれた大きな要因なのは間違いないと思っている。
この方法論、後で思い出したのだけれど、オーバーラップしたのはこれだった。
私は実際、アイドルを追うようになったのは欅坂46が最初で、それは間違いないのだが、純粋に番組視聴者として「ASAYAN」を観ていて、モーニング娘。のプロジェクトは最初からずっと追っていた。そのために、今でもやはり思い入れはある。
だからと言って、例えばCDを買うとか、イベントに出かけるとかいうようなことはなかったものの、毎週観ていたということはその行動の源泉が何かあったわけで、それはやはり「思い入れ」だったのかもしれない。オーデがあり、合宿があり、メンバーに合流して、という流れ。さらに楽曲制作(ここに関しては緻密な歌割りまで見せていた分、櫻坂以上だったかもしれない)の事細かな部分まで追いかけていた、というあの見せ方。
ただ櫻坂の場合、決してそれだけではない。
その後の三期生の必死に食らいつく姿勢であったり、言動であったりというところが、見かけだけではなく本物だとBuddiesが感じ取ったからこその、三期生礼讃につながっているのは、間違いないと見ている。
5thシングル「桜月」MV公開
このあと下半期にかけて、6th7thで畳み掛けてくる櫻坂の派手な動きが目立つので、どうしても陰に隠れがちではあるが、個人的に2023櫻坂は、この曲があったからこそだと今でも思っている。
最初から守屋麗奈センターありきで曲が作られたのか、それとも桜月があっての彼女のセンター選出なのかは知る由もないが、どちらが先であったとしてもこれほど適材なポジションもない。あの空気感、まさに彼女のセンター曲にふさわしい。
フォメ発表のとき、彼女が言った
「こんな櫻坂もあるんだぞというところを見せたい」
まさにその言葉どおりの、櫻坂にしか出せないメロウさで勝負したこの曲が、全てのきっかけだった気もしている。
2023年2月
5thシングル「桜月」リリース
確かに、音楽産業も慈善事業ではないから、曲が売れなければならないのは当然の話であるが、エンタメ業界におけるコンテンツ、特に音楽というものは売上の数字だけが後世で評価されているわけではない。売上が良かった曲だけが今も歌い継がれているわけでないことを見れば一目瞭然だ。
「桜月」は、他の櫻坂の表題に比べれば、数字が上がらなかった。確かにそれは正面から見つめる必要はある。
けれど、この曲の持つ力というのは、目に見えないところに強くあるのであって。
ついに実現した櫻坂×ナスカの表題曲、相変わらず強い落ちサビ、櫻坂ならではの表現のしなやかさ。
守屋麗奈センターだからこそ、出せる色。
私個人としては、この曲で櫻坂の2023勝利を感じたのだ。上半期の時点ですでに。
このときの楽曲の強さが、6th7thに繋がっていたと信じている。
TBS系「ラヴィット!」にて「桜月」スタジオ披露
桜月という曲が、守屋麗奈を中心に回っていることの証明が、このときだった。
それはこの上ない幸せな空間でもあった。
「ラヴィット!」には本当に、感謝してもしきれない。なぜこれだけ櫻坂が嵌まったのかを考察してもいいくらい、ずっといい関係を築いてくださっている。ただその考察に一つ間違いなく入れなければならないのは、守屋麗奈の存在。彼女が先駆者となってあのひな壇に座ってくれたことが、この道を作った。
そんな彼女のセンター曲を、この番組が見過ごすはずはなかった、ということなのではないだろうか。
「SAKURAZAKA46 Live, AEON CARD with YOU! Vol.2」開催→マスク着用での声出し解禁
全てのアイドルアーティストに言えることだとは思うけれど、コロナ禍での制限が緩和されたことは2023特筆すべき事象だった。もちろん、櫻坂にとってもそれは例外でなく。
とはいえ、櫻坂46というのは、そんなコロナ禍初期に、数奇な運命を辿って誕生したグループ。声を出す、コールをする、そういったことは欅坂時代のファンは欅坂の楽曲しか知らないし、新規の皆様は初めての経験。さらにいえば、櫻坂の初期の楽曲はどうもそういうコールを前提に作られていないようにも思える。こちらからの声を入れる場所が想定されていないような曲も多い。
そうやって、コールを入れるのに相応しい曲そうでない曲というのもあるわけで、コールの是非などというものを語るのはまだ早かった気がする。特に曲の世界観を大切にする櫻坂のようなグループではとてもセンシティブな問題であるとも言える。
この「声出し解禁」という事象こそ、2023を語る上で外せないものの一つと私は捉えている。
あと、今思えば「3rdTOUR2023」が発表されたのもこのとき。春ツアーということに驚愕した記憶。桜月を、というより櫻を冠するグループなら夏より春が似合うというのは実にその通りではあるのだが、この従来からの時期変更に多くのBuddiesが「何かある」という予感を持っていた。
夏、まさかあんなことがあるとは…さすがに予想できた人は少なかっただろうけど。
2023年3月
三期生おもてなし会開催
確か、村井優・山下瞳月が学業の関係でVlogのお披露目も3月にずれ込み、しかもその披露の直後がこのおもてなし会だったと記憶している。
二人はその後、他の三期生が先にお披露目されていったことについて、とても焦りを感じたと話していたが、偶然ではあるものの、これも三期生に対する思い入れを醸成する上でとてもスパイスになったような気がしている。
そして、このおもてなし会のライブパートのパフォーマンスが、実に圧巻だった。
正直、村外に見せても、何かを感じてもらえる自信がある。
加入してたった2ヶ月。二人に至ってはお披露目してたった数日。もちろん裏での想像できないような努力の賜物ではあるけれど、全体が揃ったときの空気感というのは、実は練習を重ねた上でプラスアルファ何かが必要だとずっと思っていて、それすらもうモノにしているように見えたことが何より驚愕で。
箱推し。
それはとても便利な言葉だけど、私は本当はあまり使いたくなくて。
箱推しであることは間違いないのだけれど、箱という入れ物以上に、中に入っている「人」を推していることにこだわりたい。
だから、ベースは「全員推し」。
人となりを知り、その努力を知り、パフォーマンスの魅せる力によって惹きつけられた以上、誰かを推して誰かを推さないというのは、自己矛盾だ。
便宜上三期の推しメンは設定しているけれど、「全員推し」というのが本音中の本音になった、そのことが確定したイベントだった。
「ユニ春!ライブ2023」出演
別に遠慮しているつもりなど毛頭ないのだが、このライブはコロナ禍で修学旅行等の学校行事が中止に追い込まれるなど、大変な思いをしている学生に向けて思い出を作ってもらうことが第一義だったと記憶している。
だから、私の行った場所は、入口前まで。
音漏れすら聞いていない。
ただ、同じ場所にいるということ。
そのためだけに現地に行った。
USJでライブがしたい!というのはメンバーも言っていたこと。
それが実現できてよかったというのを感じるためだけにその場所にいた。
山﨑天、相鉄東急直通記念ムービー「父と娘の風景」出演
12歳で欅坂46に加入し、その年のおもてなし会に参戦した身としては、二期生全員に思い入れは当然あるのだけれど、中でも最年少だった彼女の成長の物語は感慨深いものがある。
欅坂二期生は、いろんなことがあった。
特に山﨑天には、本当にいろんなことがあった。
これは想像だけれど、おそらく心折れそうになった時期もあったのではないかと。
櫻坂に改名して、最も雰囲気が変化したのは、彼女だった。声のトーンも変わった。まるで別人にでもなったかのような。
このCM、海外でも高い評価を受け、受賞もしている。その出来の素晴らしさとはまた別のところで。
幼少時からの様子がワンカットで収められているこのCMでは、山﨑天の成長の物語が短い時間で語られているような「錯覚」に涙するのであった。
2023年4月
「サクラミーツ」放送開始
櫻坂と関わってくださる業界関係者の皆様。
今年は特にそんな皆様が本当に愛情を持って接してくださっているというのが、強く感じられた年でもあった。
クリエイティブ方面の皆様には、TAKAHIRO先生をはじめ、欅坂時代からずっとそのことは感じていたのだが、2023の特筆すべきなのは、バラエティ方面の関係者の皆様の愛情が本当に強かった。そのことによって櫻坂の持つ魅力を何層にもしていただいたように思っている。
そういう意味では、「サクラミーツ」はその代表だった。
確かに、櫻坂の売りはライブパフォーマンスであり、それに特化する、という方法論もあった。
でも考えてみれば、アイドルというのは専門職ではなく、総合職。
やる気さえあれば、なんでもできる。
フラットな分だけ、そしてその目の前の仕事に力を傾注すればするだけ、別の仕事で表現する際のギャップを生む。
かつて欅坂時代、私は欅坂46にバラエティ能力はいらない、というブログを書いたことがある。
あの当時は確かにそう思っていた。
でも、今は少し考え方が変わった。
その売りであるライブパフォーマンスと表裏を為すために、どちらも全力で臨むことで、普段彼女たちを見ない層にもアピールできる、ということだと。
冠番組、「ラヴィット!」、そして「サクラミーツ」で奮闘している彼女たちを見ていると、そんなふうにも思えるようになった。
「3rd TOUR 2023」スタート
結局3rdTGOURは、福岡、神奈川、大阪各公演に参戦したけれど、それぞれで感じたことは違った。福岡は関有美子卒セレがメイン。神奈川はDAY2で自分自身の誕生日の公演。大阪は6thスタオバ初披露が重要トピックと、それぞれ参戦の意味があったのだ。
強さに、重層感が出た。
何層にも重なる強さというのは、実は欅坂時代にも感じられなかったものである。
欅坂と櫻坂は、完全に別グループになったと確信できたツアーだった。
ではあるのだけど。
マインド。
もっと言えば、血。
グループを流れる血、ということは、メンバーやスタッフの皆さんはもちろんのこと、彼女たちを支える我々にとっても同じ。
欅坂の血と、櫻坂の血は決して異なる色ではない。
むしろその血の色の濃さを感じられたと言ってもいいかもしれない。
考えてみれば、そもそも「欅坂46を超えろ。」というのが出発点であった、櫻坂46。
私もそのことにこだわってはきた。
ただ、最近思うのは、超えるとか超えないとかいう発想そのものが、両者を別物として考えている証じゃないかなと。別物として考えているから、欅坂の楽曲の披露について云々、という話が出てくるのじゃないかなと。
櫻坂が欅坂を内包する、と考えれば、櫻坂が欅坂の楽曲を披露するのは自然なことになるのではないか。
自分たちの血の色を正面から見つめる、ということ。
確かに勇気は要る。
でも、そこから出発しないと、結局いつまでも、2020年10月13日に足止めをくらって先に進めない人になる。
そう思わされたツアーだった。
「W-KEYAKI FES.に関するお知らせ」
今年の総決算なので、オブラートに隠さずに言うけれど。
ケヤフェスが「発展的解消」に至った原因を、例の無断駐車問題と絡める人は、櫻坂に批判的な人に多い印象だった。
確かに、あの事件を起こした人は、言い訳などしようもない。全面的に落ち度しかない。
そして、上記のお知らせが出たときに、それが原因と断定的に言葉にする人はいた。
ただし、その事件と切り離して考えなければならないのは、公式か何かからそれが原因と知らせがない限り、ただの想像でしかない、ということ。
それでなくても不思議な感じはしていたのだ。
いつもは夏のツアーのところを春ツアーにした。このときは知る由もなかったが、ちょうどそのケヤフェスの時期に海外公演が組まれていた。
これはケヤフェスの発展的解消と、どちらが先に決まっていたのか。
あくまで可能性の話としてでもちろんエビデンスはないのだが、「櫻坂が海外公演のために、日向坂はハマスタひな誕祭のために、ケヤフェスを発展的解消した」可能性もあるわけで。もしそうだとすると、昨年の段階で決まっていたということも考えられる。
いずれにしても、W-KEYAKI FES.2022。チケットはあったのだが、メンバーのコロナ感染で中止になった日だった。その後振替公演は実施されたが、流石に有給の振替は難しく面倒なので諦めた。
あの日に無理にでも行っておけば、という後悔に悩まされたことを思い出す。
大園玲、1st写真集「半分光、半分影」発売
推しメンとして、これについて触れないわけにはいかない。
推しを設定するきっかけというのは、もちろん十人十色であるとは思うけれど、私が彼女を推した理由こそ幾重にも重なるものであって。一言では語れないいろんな要素があった。
毎度ミーグリに行っても、同じ顔を見せるときもあれば、初めての顔を見るときもあり飽きさせない。飽きる、などということはあり得ないのだけれど、一方で本当に最初から変わらない核のようなものも、今年も健在だった。
そうか、今年の個人的大園玲の特筆すべきことがあった。
初めて、ミーグリでケタケタ笑ってくれたこと笑
緊張感が取れなかった自分自身への反省でもあるけれど、それが少しなくなったことが収穫だったな。
…写真集の話じゃなくなったけど、まぁいっか笑
関有美子、「3rd TOUR 2023」福岡公演にて卒業
関有美子卒業については、このときのnoteに余すことなく記したので多くはここで語らないこととして。
一つだけ。
この公演の円盤化を私は諦めていない。
2023年5月
「櫻坂チャンネル」開設
オフィシャルのYouTubeチャンネル以外で、サブ的な扱いになるのかどうか定かでないけれど、このチャンネルの開設は幅を広げるにふさわしいと今でも思っているし、実際ここから仕事に繋がる例も出てくるかもしれないと思っている。
だからというわけでもないのだが、このチャンネルを持ちつつ、回線が不安定なSHOWROOMにこだわるのはとても勿体無いというか…まぁ何がしか事情があるのだろうと想像はするのだが。
別に回線が安定さえしていればYouTubeでもSRでもいいのだけれど、SRの途中で固まる率の高いことといったら…
使うなら使うで、改善はしてほしい。
2024、頼むよ。
開設時のお好み焼きパーティーアーカイブ、置いときます。
有観客公演開催についてのガイドライン、7月以降廃止
というわけで、夏以降のLIVEが完全にコロナ制限が取っ払われると。
2月に引き続いてのこの決定は、もちろん歓迎すべきことだった。
ここからがある意味本番だった。
ただ、これは後編に譲るが、結局ここから有観客のLIVEが、しばらくフェス出演と海外公演だけ続き、本格的なワンマンライブとなると11月の3rdアニラまで日を空けることとなる。逆に考えれば、あのアニラは本当に久しぶりのワンマンだったのだ。
何が言いたいかというと、声出し解禁となったイオンカードライブの項目でも書いたとおり、そもそも客の声出しに対応する体制がまだ整っていなかった、ということだ。
だから、余計なことで揉める。
声を出させたいのか、それともじっくり観てもらいたいのか、もちろん曲によっても違うだろうけれど、それならそれで運営なりメンバーなりが発信してもらってもいいかもしれない、とは思う。
確かに、Buddiesにはその辺りの経験値が乏しい。でもそれは、別にBuddiesに限った話ではない。コロナ禍明けでの声出し解禁は、どこも同じタイミングだからだ。
各人思いもあると思うので、全てを揃えるというのは難しいかもしれない。揃えば美しいのは間違いないけれど。
3rdアニラの「ENCORE」だったか、メンバーが「それぞれで楽しんでもらえたら」という発言をしていたようにも思うけど、結構ナーバスな問題でもあると思うので、この辺りをどうしていくかも2024の課題の一つだろう。
6thシングル「Start over!」MV公開
スタオバについては、Twitterでもnoteでも散々書いてきたので、今まで一度も話したことのない話をここに置いておこうと思う。
start overとは、ご存知のとおり「やり直す」という意味。
この言葉を初めて聞いたときに感じた違和感は、今も忘れない。
「やり直す」とは…?
どういう意味…?
そこに込められた私の思いは、実は違和感というより怒りに近いものだったようにも思える。
ここでやり直す、ということは、見方を変えれば、櫻坂に改名してからここまでの歴史を否定することにつながるように思えたのだ。
ここまで手探りで、メンバーが必死になってやってきて、桜月まで上質なコンテンツを提供してくれた。にもかかわらず、ここでやり直す、と。
そして、蓋を開ければ、もうまさに欅坂を彷彿とさせる楽曲。
よく言えば、原点回帰。
けれど、そうなると、改名した意味はどこへ行く。
むしろ、最初にMVを観たときに感じたのは、そんなことだった。
でも。
これが不思議なもので、同時にそんな楽曲を待ち望んでいた自分に気付いてもしまった。
全く相反する感情が自分の中で同居した。
喜びと怒りが同居する感覚。
この曲に嵌らずにいられなかった。
一体何回再生したか、本当に記憶にないくらい。
桜月も相当再生したけど、たぶんその倍は間違いなく回した。
この自己矛盾とも思える感情が、パワーとなった。
想像だけど、この自己矛盾は私だけではなかったかもしれない。
特にあの改名を乗り越えてきた、ケヤヲタ→Buddiesへと転生した方にとっては、見るも複雑な感情があったのではないかと。
結果、この曲が櫻坂2023のターニングポイントだったことだけは間違いない。
やり直す、という言葉に怒りにも似た感情を持った自分と、
一方で、どこか無意識でこの路線を待ち望んでいた自分。
今となっては、そのどちらの感情も「正解」だったなと。
2023年6月
「3rd TOUR 2023」ファイナル大阪公演にて、6thシングル「Start over!」初披露
まず、ツアーファイナル。
全編通して本当に鳥肌ものだった。それは間違いない。
でも、それとは別に、そこにいる多くのBuddiesの意識に、スタオバ初披露を確信し、どこで行われるかに向かっていたことも、多分間違いない。
ENCORE
あのスラップベースが流れてきたとき、確かに私の後方から悲鳴が聞こえた。
その気持ちは、痛いほどよくわかった。
Start overという言葉への怒りにも似た感情と
こんな楽曲を泣きたいくらいに待ち望んでいた、無意識に押し殺した感情が
爆発した
正直、そこからは楽曲の世界に身を捧げていたので、細かいところはよく覚えていない。
でも、それが極めて幸せな空間だったことだけは、覚えている。
続きはこちら…
2023年7月〜9月 中編
2023年10月〜12月 後編