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雇用によるグリーンカード取得まで① 申請カテゴリー選定

この夏、社内転籍でアメリカに異動してきました。現在はL1Bビザで技術者として働いています。この度、会社がグリーンカードのスポンサーをしてくれることが決まりました🥳

弁護士ではないので、あくまでも2024年時点の体験談として参考程度に見ていただきたいと思います。技術系サラリーマン目線での体験談ですので、技術系の方を想定して書いています。その他職種でももちろん申請可能ですが、この記事では触れていません。

日本語での体験談は、結婚による申請と抽選(DV lottery)による申請ばかりなので、技術者の方には参考になるかと思います。最終的にはご自分で調べて、移民弁護士に相談するようにしてください。

仕事によるグリーンカード申請カテゴリー

仕事を通してグリーンカードを申請する場合には主に3つの申請カテゴリーがあります。カテゴリーによって基準の厳しさや、かかる年月が大きく変わります。自分が基準を満たせて、最速でグリーンカード取れそうなカテゴリーを選ぶのが重要です。

年々、雇用を通しての永住権取得は難しくなっています。基本的に申請開始から何年もかかり、出身地によっては一生かかるという人もいます。(申請書類の処理するのに、出身地別で列ができているというイメージ。インド人だと処理開始までに数十年単位の時間がかかると言われています。)また、却下率も以前と比べて上がってきています。今後もこの傾向が続くことが予想されるので、可能であればなるべく速く申請開始した方が良いと思います。
なお、グリーンカード取得に必要な時間を各カテゴリーに書いていますが、あくまでも最短の場合という感じです。実際にはもっとかかることが多いと思います…

簡単に言うと、
難かしい順=グリーンカードが早く取れる順
EB1➡️ EB2 NIW ➡️ EB2 PERM ➡️ EB3

1) EB1

第一優先カテゴリー。現在、書類が処理開始されるまでの待ち時間(backlog=current)はなし(日本生まれの場合)。グリーンカード取得までに約1年程度。
EB1は国際的に特に優れた人が取れるカテゴリー。ざっくり言うと、研究の分野で国際的に評価されている(論文をたくさん出していて引用数も多く、論文を選定する側も何度も経験し、受賞歴も素晴らしい、研究費もたくさん取れている)、もしくは国際企業の国際的マネージャーや経営陣であることが必要です。
自分で申請、または雇用主が申請できます。

2) EB2

第2優先カテゴリー。現在、NIWまたはPERM申請後に書類が処理開始されるまでの待ち時間は1年ほど(日本生まれならbacklog=2023年春)。
EB2は大学院卒に対して出されるカテゴリーです。申請方法にはPERMとNIWの2種類あります。
① NIW
NIWはnational interest waverと言って、アメリ国家に貢献する人材だからPERMをスキップできるという申請方法です。NIWでは、I-140というNIW審査申請を出しら時点から書類審査の列に並べるため、PERM準備期間(1〜2年)をまるまる短縮できます。トータルで1年半ほどでグリーンカード取得が可能です。NIWのためには、その人の活躍分野がアメリカ国家の重要発展分野であること、その分野で十分活躍できる証明(論文や特許や推薦文など)が必要です。EB1よりは基準が低いですが、それでも院卒の誰でもokというわけではありません。NIWは雇用主スポンサーなし(ジョブオファーなし)で自分でも申請できます。(self petition)

② PERM
PERMは雇用主がスポンサーする場合のみ可能で、実際に求人を一定期間出し、条件を満たす人材がアメリカで見つからないことを示す必要があります。PERM前準備の求人期間等のみで約1〜2年程度かかるので、グリーンカード取得までトータル2〜3年程度かかります。(もし雇用主がレイオフや雇用凍結を行うと、この準備もストップします…)また、そのポジションに大学院卒が必要という証明が困難なため、多くの企業はPERMの場合は(自分自身がたとえ大学院卒であっても)EB3を選択するようです。(N=5の同業者口コミ調べ)

3) EB3

優先カテゴリー3。EB2と同じく、PERM申請を行なって申請します。そのため、雇用主のスポンサーが必要です。大学院卒業は必要ありません。現在、PERM処理後に書類が審査開始されるまでの待ち時間は2年半(backlog=2021
年冬)。つまりグリーンカード取得までにトータル3.5〜4.5年かかります。

で、結局どのカテゴリーで申請するのか?

私は修士卒の平社員なのでEB1は確実に無理です。なので、会社の移民弁護士からはEB2 NIWに出せるか検討して、無理そうならPERMでEB2かEB3に出しましょう、という話をされました。PERMの際にEB2かEB3のどちらにするかは、NIWが無理と判断した時点で移民弁護士と会社で話し合って決定されるようです。

NIWは自分でも出せる(会社のスポンサーが必要ない)ため、近年申請が増えており、それに伴い却下率が上がってきています。(却下率3割ほど。)
そのため、NIWで試すのか、急がば回れでPERMを始めるのか、重要な決断です。また、ネットで体験談を読む限り、ほとんどがPhD持ちのアカデミアの研究者のようです。自分は修士卒で一般企業で開発職をやっているので、通りそうなのか、どうなのか…?
会社の移民弁護士の判断にプラスして、セカンドオピニオンが欲しいと思い、自分で別の弁護士事務所にも無料審査をお願いしました。

無料審査に提出したスペックとしては
-アメリカの工学修士卒
-査読付論文2本。1本は第一著者。1本は共著者。引用数合計50〜100の間。現職と少し専門分野が違うが、大きい枠組みでは同じ分野。
-米国特許申請が6本(現職にて)。5本は審査中。1本は発行済み。
-職歴3年。平社員。
-すでにアメリカ国内で雇用されており、今後も現職を継続の予定。現職はアメリカ政府が指定する、重要発展技術分野の1つに該当。

無料審査の結果として
-Ellis Porter: 98-99%通る見込み。却下の際は全額返金保証のオファー。
-Chen (North America Immigration Law Group): 高確率で通る見込み。却下の際は全額返金保証のオファー。

ということで、通りそうな気分になってきたので、EB2 NIWの申請を会社の移民弁護士と共に進めていきます。

グリーンカード個人申請EB2 NIWのすヽめ

結果として、雇用主のスポンサーなしでも申請できるEB2 NIWのカテゴリーでの申請が決まりました。

正直、雇用主のスポンサーなく、個人申請する可能性は全く考えたことがありませんでした。個人申請できるのは、ノーベル賞とかオリンピックメダリストとか、超人レベルの人だけだと思い込んでいました(笑)ずっと、会社とうまく交渉して早くスポンサーしてもらわなければ、と考えていたわけです。
結果として、渡米後すぐにスポンサーしてもらうことが決まったので良いですが、もしそうでなければ個人申請の道を模索すれば良かったのだな、と今では思います。

EB2 NIWはスポンサーなしで個人で申請可能なので、まずは弁護士事務所の無料審査を受けてみることを激しくおすすめします!
特に以下の方:
・すでに(国内外で)PhD取得済みで、国際論文引用数がある程度たまっている。
・修士卒だが、国際論文引用数もしくは米国特許を何本か出しており、米国政府指定の重要発展技術分野の仕事をしている、または仕事のオファーがある。
・修士卒で、すでにアメリカで理系技術者やマネジメントとして雇用されているけれど、会社がなかなかスポンサーしてくれない。

無料審査は完全無料で、簡単なフォームを提出するだけで可能なので、失うものは何もありません!可能性を探るためにやってみるのをおすすめします。フォームを出して2、3日で結果がメールで来ました。また、ネットの口コミによると、現時点ではケースを受けられないが、あと〇〇ができたら受けますよ、と言う形でアドバイスをくれることもあるようです。

最近はテック系のレイオフがかなり多く、就労ビザや永住権スポンサーをやめる会社なども出てきているので、個人申請の道を模索するのはとても有用だと思います。

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