『Der Untergang』の例のシーン訳してみた(ドイツ語学習)
『ヒトラー〜最後の12日間』という映画をご存知でしょうか?
2004年に公開されたドイツ映画、その年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた有名な作品です。
あらすじは以下の通り👇
ソ連軍が首都ベルリンを包囲しつつだんだんと近づいて来る中、戦争に負けることがほぼ確定的となった状態でのヒトラーと国防軍将校たちのやりとりがメインという、全体的に暗い雰囲気の映画です。
ヒトラーたちがいるのは地下壕で、地上ではあと2km…900m…と近づいてくるソ連軍に対して完全に劣勢の防衛戦が行われています。(戦況としては以下の動画の12:56くらいからです)
そんな状況のもと総統ヒトラーは錯乱気味に。発する命令も無謀なものばかり、語る内容も夢幻のようなものになっていきます。
無謀な命令を出すヒトラーに、将軍たちはおそるおそるそれが不可能であるという事実を伝えます。
ヒトラーはこれに激怒。
それが、この映画の最も有名な場面、ブルーノ・ガンツさんが演じるヒトラーの衝撃的なお怒りシーンなのです(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
このあまりにも衝撃的なシーンが話題を呼び、今でも全世界でパロディが行われています。(監督は好意的だとか)
『帰ってきたヒトラー』という別の映画にも、このシーンのオマージュがありましたね😄
そしてこのシーンの日本版のパロディ(?)こそが「総統閣下シリーズ」と呼ばれるものらしい。。。
私は最近この総統閣下シリーズを視聴し知ったのですが、かなりカオスティク笑
日常のちょっとしたハプニングを字幕によってヒトラーや将軍たちに言わせて、ヒトラー(総統閣下)の激怒する様子をある種滑稽に、おもしろおかしく見せるという内容です。
例えばプレイステーションの購入をウキウキで楽しみにしているヒトラーに対して、将軍たちが気まずそうにすでに売り切れたことを伝え、それに対して激昂するみたいな😆
Youtubeで検索をかけるとたくさん出てくるので、興味があればみてみてください笑
ところで有名なこのシーン、本当はヒトラーたちは何を言っているのでしょうか。
台詞はドイツ語、ということで私の勉強がてらこれを訳していきたいと思います🇩🇪
(👆こちらのサイトからドイツ語文をコピーさせていただきました!)
登場人物
ヒトラー(Hitler):言わずと知れた
カイテル元帥(Keitel):セリフはない
ヨードル上級大将(Jodl):ヒトラー激怒のトリガーになる人
クレープス大将(Kerbs):最初に話している人
ブルクドルフ大将(Burgdorf):ヒトラーに口を挟む人
クレープス
「敵は広範囲の編隊で戦線を突破することに成功しています。南において敵軍はツォッセンを占拠し、シュタンスドルフに進軍しています。北では現在フローナウとパンコウの間の郊外で行動しており、東ではリヒテンベルクとマールスドルフ、カールスホルストの並びにまで到達しました」
die Front 戦線
die Formation 編隊、隊列
operieren 軍事作戦、行動する
ヒトラー
「シュタイナーの攻撃で問題は解決するだろう」
クレープス「総統・・・シュタイナーは・・・」
ヨードル「シュタイナーは攻撃のための十分な戦力を集結させられませんでした。彼の攻撃は実行されません」
massieren 軍隊を集結させる
ヒトラー「以下の者は残れ。カイテル、ヨードル、クレープス、ブルクドルフ」
bleiben 残る
der Raum 部屋、空間
ヒトラー「命令だったのだ!シュタイナーの攻撃は命令だった!何様だ貴様らは?私の命令にあえて背くとは!」
ヒトラー「こんなことにまでなるとは・・・軍は私を欺いていた!誰もが私を欺いていた、SSでさえも!将軍どもの全体はただ卑劣で忠誠心のない卑怯者の群れだ!」
die Generalität 将軍
nichts weiter als ~ 〜以上のものではない
der Feigling 臆病者、卑怯者
ブルクドルフ「総統、貴方のために血を流している兵士にそのようなことをおっしゃるのは・・・」
ヒトラー「貴様らは卑怯者だ!裏切り者だ!無能どもだ!」
ブルクドルフ「総統、貴方が言われていることはとんでもないことです」
verbluten 血を流す
ヒトラー「将軍どもはドイツ人のクズだ!名誉のかけらもない!貴様らは将軍と言うが、士官学校で学んだことはナイフとフォークの持ち方だけ!」
Militärakademie 士官学校
Messer und Gabel ナイフとフォーク
ヒトラー「長らく軍は私の行動をただ妨害してきた!考えうるあらゆる手を使って私の邪魔をする!私もやるべきだった、将校の大粛清を、スターリンのように!」
liquidieren 解散、整理、抹殺する
ヒトラー「私は士官学校など出ていないが、それでも独力で、独力でヨーロッパを征服したのだ!裏切り者めが。私は全くはじめから裏切られ騙されていたのだ!」
erobern 征服する
ヒトラー「ドイツ国民へのとんでもない裏切りだ。だがこの裏切り者どもは報いを受けるだろう。その血で償うときが来る。自らの血に溺れるときが来る!」
ヒトラー「私の命令は届かない。このような状況で指揮するのは不可能だ。終わりだ。この戦争は負けだ。だが諸君、私がベルリンを離れると考えているなら大間違いだ!むしろ私は頭に銃弾を撃ち込む!皆好きにしろ」
in den Wind sprechen 風に話しかける=不意にする
jagen 狩る、撃ち込む
die Kugel 弾、球
以上になります!
何度か言及されているシュタイナーとは、SS(親衛隊)大将の位についている軍人で、功績をあげてヒトラーの信頼もあつい司令官でしたが、この命令の当時はソ連軍と十分に戦うための兵力はなく、いわば地図の上にだけ存在するような戦力でした。
負けを認めた後もヒトラーは指揮を放棄せず、自死の数時間前まで命令を発しますが、数日後ソ連軍はベルリンを占拠しドイツは降伏。
このシーンに登場したメンバーの全員が死を迎えることになります。
(ヒトラー、クレープス、ブルクドルフは地下壕で自死。カイテルとヨードルは連合軍に逮捕され絞首刑)
さまざまなところでパロディにされていますが、原作では状況が状況、暗めな感じです。
だからこそネタにされるとギャップで面白くなるのかな?笑
でも映画としてやはり引き込まれるような面白さがありましたし、歴史を調べるきっかけに、個人的にはドイツ語の勉強になりました❗️
アマゾンプライムで視聴することができるので、興味がある方はぜひみてみてください✨(たまに無料で視聴できる期間があります)
お読みいただき、ありがとうございました🌸
11/14追記
みなさま、いつもスキ💕ありがとうございます❣️
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