【文鳥の病気】コクシジウム症・甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)について知る
文鳥の病気としても知られている
コクシジウム症と甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)は
文鳥と生活するうえで理解しておくべき病気です。
コクシジウム症と甲状腺腫は文鳥に起こりうる病気として有名で
軽症なものから重症化してしまうものまであります。
ここでは、コクシジウム症と甲状腺腫について深掘りしてお伝えしながら
文鳥を飼い始めた方にもわかりやすく解説していきます。
文鳥の病気について飼い主が知識を備えておくことは
文鳥と健やかな生活を送るうえで欠かせないポイントになるので
ぜひ参考にしてください。
コクシジウム症
コクシジウム症とは
コクシジウムと呼ばれる微小な寄生虫によって
引き起こされる病気です。
コクシジウムは文鳥をはじめ
鳥類の腸内に共生している寄生虫であり
健康状態が良好であればコクシジウム症を
引き起こすリスクは低い傾向にあります。
一方で、コクシジウムは文鳥の免疫力が低下していると
腸内で増殖し腸内を傷つけて下痢や血便などの症状を起こします。
ここではコクシジウム症の具体的な症状から発症してしまう原因
コクシジウム症の予防法について詳しく解説していきます。
コクシジウム症の症状
文鳥がコクシジウム症にかかると
よくみられる症状は下痢や血便です。
文鳥の腸内に生息するコクシジウムが
腸内で増殖して腸を傷つけることで
下痢や血便が起こります。
特に文鳥のヒナ鳥は免疫力が低いため
コクシジウム症に感染しやすく
発症しやすい傾向にあります。
文鳥がコクシジウム症を発症してしまうと、食欲不振になりながらも下痢は止まらないため脱水症状になりやすく、死に至る危険性も持ち合わせているのです。
下痢や血便以外に現れる症状としては
活動量の低下や羽毛が乱れて艶がなくなるなどが挙げられます。
コクシジウム症にかかる原因
コクシジウム症にかかる原因としては
コクシジウムを体内に保有する文鳥からの感染が多くみられます。
コクシジウムを保有する文鳥の糞便には
コクシジウムのオーシスト(卵)が潜み
ケージやエサ入れ、給水器などにフンが付着することで
感染しやすい環境となります。
そのため
定期的な清掃や消毒がされていない飼育環境になっていると
文鳥がコクシジウム症に感染してしまうのです。
コクシジウムのオーシストが未成熟であれば除去しやすいものの
オーシストが成熟してしまうと
外環境にも順応できる耐久性を持ってしまいます。
また、新しい文鳥を迎える場合にも
コクシジウムを体内に保有している可能性があるため
迎え入れと同時に他の文鳥に感染するリスクは高まります。
コクシジウム症の対策
コクシジウム症の対策としてまず優先することは
文鳥の体調管理です。
コクシジウム症は
文鳥の免疫力が低下していると起こりやすい病気なので
栄養バランスの取れた食事とともに
ストレスを与えない環境下で飼育しましょう。
次にすべきことは
清潔な飼育環境に変えることです。
文鳥の糞便はコクシジウム症の感染源となるため
フンが床やソファについた際には素早く拭き取ってください。
文鳥の住処となるケージやエサ入れ
止まり木などは定期的に清掃して
熱湯消毒までできると理想の飼育環境になります。
また、新しい文鳥を迎えるときは
コクシジウム症に感染していないか確かめるためにも
動物病院で検査してください。
新しい文鳥はコクシジウム症の感染経路になりやすいので
陰性とわかってから他の文鳥たちと遊ばせましょう。
甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)
文鳥に起こる病気の「甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)」とは
甲状腺が肥大してしまう病気のことです。
文鳥の甲状腺はホルモンを分泌する重要な器官であり
体の代謝から成長、生理機能に至るまで
広範囲にわたって影響を及ぼしています。
甲状腺腫にかかってしまう要因となるのは
主にヨウ素の不足が挙げられます。
ここでは甲状腺腫にみられる症状や発症してしまう原因
対策方法について詳しく紹介していきます。
甲状腺腫の症状
甲状腺腫によって発生する典型的な症状には
文鳥の首周りに位置する甲状腺の肥大化があります。
甲状腺腫が発症すると
ホルモンの分泌バランスが不安定になり
これが文鳥の様々な身体機能に悪影響を与えます。
例えば、日常の活動レベルが極端に高まる
あるいは逆に低下するなどの変化が見られます。
甲状腺腫が引き起こすその他の症状としては
次のようなものがあります。
開口呼吸になり呼吸が荒くなる
羽毛が抜け見た目もボロボロになる
エサを食べた後に嘔吐する
甲状腺腫になると呼吸器が圧迫されるため
呼吸音が荒くなり
「ヒューヒュー」や「パチパチ」というような音が発生します。
甲状腺に異常をきたしていると
食欲はあってもエサをうまく消化できないため
吐き戻す様子もみられるでしょう。
甲状腺腫を放置すると腫れが悪化し
対応が手遅れになると心不全にまでつながる可能性があります。
甲状腺腫にかかる原因
文鳥が甲状腺腫にかかる原因では
ヨウ素が不足していることが挙げられます。
日々の食事でヨウ素を摂取できていないと
甲状腺の組織が異常をきたし腫れると考えられているのです。
たとえば、文鳥のエサとして多用されている
シード(種)のみしか与えていないと
ヨウ素が不足して甲状腺腫を引き起こしやすい状態になります。
飼い主がヨウ素の重要性を知らないことで
それが文鳥の健康管理において問題となるケースもあるでしょう。
また、甲状腺腫の発症を促す「ゴイトロゲン」という物質を
多く含む食品は以下のものがあげられ、過剰摂取には注意が必要です。
キャベツ
ブロッコリー
大豆 など
一部では文鳥のエサとしてよく与えられている小松菜も
ゴイトロゲンを含むと言われています。
シードをほとんど与えずに小松菜を多く与えていると
甲状腺腫を引き起こす可能性があります。
シードと小松菜はバランスよく与えましょう。
しかし、ペレット食が普及したことで栄養管理は容易になりました。
ペレット食では副食やバランスを考える必要がないため
非常に便利なエサだと言えます。
また、ヨウ素の過剰摂取も
文鳥の健康を害する可能性があるため
バランスの良い食生活を意識しましょう。
甲状腺腫の対策
文鳥に甲状腺腫を起こさせない対策として有効なのは
ヨウ素がバランスよく取れる食事を与えることです。
文鳥のエサとしても多用されるボレー粉にもヨウ素は含まれますが
ボレー粉だけで十分なヨウ素を取るのは現実的ではありません。
文鳥にヨウ素を与えるなら
エサに混ぜて食べさせられるヨウ素のサプリメントや
栄養バランスが整えられたペレット食などを検討してください。
副食を与える場合には
特定の副食だけを与え続けるといった食生活を避ければ問題ありません。
すでに伝えたように
甲状腺腫は文鳥の心不全を引き起こす可能性があります。
仮に文鳥が甲状腺腫を発症した場合は
様子見せず動物病院でいち早く診てもらうのが賢明な判断です。
飼育環境や食事に気を遣い、文鳥の健康を保ちましょう
ここで紹介したコクシジウム症と甲状腺腫は
文鳥が生きるうえで起こりうる病気です。
コクシジウム症は文鳥の免疫力が低下した際に起こりやすいので
日々の体調管理からコクシジウム症に
感染させない飼育環境づくりが重要になります。
甲状腺腫の場合ではヨウ素の欠乏が元に起こりやすい病気なので
普段の食事でヨウ素が取れるサプリメントやペレット食を
導入してください。
また、飼育している文鳥に
コクシジウム症や甲状腺腫の症状がみられなくても
動物病院で定期検診を受けるようにしましょう。
定期検診を受ければ
仮にコクシジウム症や甲状腺腫を患っていた場合でも
早期発見につながり重症化を免れることで
文鳥とより健やかな日々を送れます。
他の病気は別記事で紹介しています。
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