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「赤く染まった鳥取をどう見るんだ、鳥取よ。」vs.浦和

YBCルヴァンカップ2回戦
vs.浦和レッズ
2-5 負け
フル出場

この試合を終えて、感じたこと、考えたこと、得たこと。

Jリーグが在る意味と価値。
自分自身への失望と期待。
恩師ジョアンとの再会。

の3点です。

よろしくお願いします。

Jリーグが在る意味と価値

先日、ルヴァンカップのPR活動で、世瀬選手と一緒に鳥取県庁へ行きました。
その時、「ルヴァン何人入るかなー」と他愛もない話をしていた流れで、ガイナーレ鳥取の歴代最多入場の話になりました。
それは、「2013年のvs.ガンバ大阪の10096人だったな」と、そして、世瀬選手は「それ俺見に行ったの覚えてる」と。彼はガイナーレの下部組織出身で、いわゆる最近話題のホームグロウン選手です。

そんな彼は、昨日、今度はお客さんではなくガイナーレ鳥取のナンバー10かつキャプテンとしてピッチの上に立ち、1万人には及ばなかったもののたくさんの熱狂の中で、プレーしました。

僕はこのストーリーこそがJリーグがここに在る意味であると思います。

昨日は、7677人の方が足を運んでくださいました。そして、平日ナイターということもあり、子どもたち自身のサッカーの試合がないという状況もあり、たくさんの子どもたちが、スタジアムに来てくださいました。

その子どもたちが、この試合から何か少しでも学んで何年後かのガイナーレ鳥取を支えて欲しいと思います。
少なくとも僕はそんな試合にしたいと位置付けて昨日の試合に挑みました。

この答えは、今すぐには出るものではありませんが、今やらなければ、ガイナーレ鳥取として良い傾きの成長は出来ないと思います。
こんなにも素敵な価値がある仕事が出来ているというやりがいと責任の大きさを感じています。
もちろん簡単な仕事ではありませんし、目の前で結果が出ないものなので綺麗事のように聞こえてしまいますが、子どもたちの未来が明るくなればいいなと心から思います。

加えて、今回はアジアを獲るクラブ浦和レッズとの対戦でした。日本サッカーを常に牽引し続けてきた浦和レッズというクラブの凱旋。そして、それを作り出してくれたJリーグによるルヴァンカップのレギュレーション変更。たくさんの方のおかげでこのような素晴らしいエンタメを作り出すことが出来ました。

僕が言うまでもありませんが、鳥取県が赤く染まることで経済的な潤いや交流がありました。これらは地方活性という観点で非常に効果的であるというのを頭ではわかっていたものの、実際にそれが行われたことでより実感することが出来たのではないでしょうか。
サッカー、Jリーグの力は本当に素晴らしいと思います。
今はまだガイナーレ鳥取はJ3にいて、昨日のような試合は一過性のムーブメントに過ぎません。
しかし、早くて2年弱で、毎週末が、このような興行を生み出すことができる可能性があるのです。
素敵な話だとは思いませんか。
現実可能性は決して高くはありません。ただ、いくつかの地方活性化の選択肢の中から選ぶとすれば、非常に計算しやすい方法の一つではないでしょうか。街が緑に染まれば。

自分自身への失望と期待

この試合の注目度や価値というのは理解していました。サッカー選手として、価値を示す良い機会であったのは間違いありません。
そんな中で、突きつけられた5失点。
自分のところで踏ん張らなければいけないシーンもありました。
このような試合に挑むときのメンタリティーとして、自分自身を奮い立たせて「出来るんだ」と暗示をかける方法があります。つまり、自分に期待するのです。
ただ、そう思えば全てうまくいくわけもなく、今回はその期待を自分で裏切るパフォーマンスでした。
今回の90分間を全否定するつもりはありませんが、悔しい形で終わってしまったのは事実です。
「まだまだだぞ」とトップクラブの浦和レッズさんが直々に鳥取まで来ていただいて、僕に教えてくださいました。
試合前は過信と言えるほどのメンタリティーでいて良いと思いますが、終われば、ただただピッチで起きた現象を冷静に分析する必要があります。
何がピッチの上にあったのか、起きたのか、反対に起きなかったのか。ガイナーレ鳥取の仲間、そして、GKチームと共に解決、成長していきます。

失望と期待、諸刃の剣であるの理解しながら、これからも僕は自分に期待し続け、次に向かっていきます。

恩師ジョアンとの再会

スカパーで抜かれていたよと北海道から応援してくれた母から連絡があったので、気付いた方も少なくないとは思いますが、試合後すぐ、浦和レッズGKコーチのジョアンミレさんが僕のところに来てくれて、話をしてくれました。
僕と彼の関係性を知らない人は、なんで浦和のGKコーチが試合終わってすぐ相手のGKにアドバイスしてんだ。と思った方もいるかもしれませんが、僕の大学時代のGKコーチがジョアンだったのです。
ジョアンは浦和レッズに加入する前は筑波大学のGKコーチを勤めていました。

そんな彼との出会いは僕のGK人生をあっと輝くものにしてくれ、GKとしての軸を作ってくださいました。

今シーズンの始めに、浦和レッズとの試合が決まった時から、僕は今年で最も楽しみな試合となりました。

恩返しできると。

ただ、結果は惨敗。
望んでた結果を得ることはできませんでした。

試合直後は特に感情のコントロールが難しく、失望の中、ジョアンはこう伝えてくれました。

「目の前の結果も大切だけど、自分自身の成長にだけ期待し続けろ」
「きちんと課題に対して目標を立ててそれに向かってトレーニングする」
「結果だけを求めると良い結果に導いてくれる大切な過程が抜け落ちてしまう」

自分自身、特にこの試合は結果にフォーカスし過ぎて、その結果を得るために必要な大切な過程や道のりが欠けていたと思います。

こうやって言葉にすると、とても簡単なことのように思えるし、別に理解し難い考え方でもありません。

だからこそ、見失ってしまうものです。
灯台下暗し。
浦和レッズに勝つのもJ3で勝つのも、特別に必要なものはないのです。
もっとベースをあげて、キャッチング、ポジショニング、起き上がり、、、全ての基礎に向き合っていきたいと思いました。

本当に助けられてばかりの人生です。
運が良すぎます。


最後に

こうして、浦和レッズの選手と試合ができたこと、浦和レッズのブーイングを聴けたこと、そして、たくさんのガイナーレ鳥取を応援してくださる方々の前でプレーできたこと。

全てに感謝します。

田中恵太選手のゴールが入ったときの会場の歓声はピッチで聞いていて鳥肌が立ちました。
約7000人でこんなにも素晴らしい雰囲気が作れるのならば、この何倍もお客さんが入るJ1の舞台、そして、世界の舞台はどんな感じなのか。想像しても分かりません。味わうまでは。

ガイナーレ鳥取もその熱狂を作ることは可能だと僕は断言します。
日本で1番人口の少ない都道府県?
そんなものは関係ない。

数年前にヨーロッパクラブNo.1を決める、チャンピオンズリーグ、通称、CLでベスト4に入った、ビジャレアルというスペインのクラブがあります。
かつて、久保建英選手も所属していました。

では問題です。

ビジャレアルのホームタウンの人口は何万人だと思いますか?

そして、鳥取県の人口は何万人ですか?


答えはビジャレアル約5万人
鳥取県約53万人

そして、ビジャレアルのホームゲームは平均で約15000人入ります。

ちょっと信じがたい数字ですよね。😅
クラブも、市民が年間チケット買ってくれるから、営業をする必要がないと言うほどです。

大きく括るとエンターテイメントと呼ばれる業界で、営業、PRが必要ないという世界線があっていいのでしょうか。

今回紹介したのは重箱の隅をつつくような例なので、参考にすべき点とできない点はもちろんありますが、僕はガイナーレ鳥取というクラブが鳥取県に熱狂を作ることが出来るとここに断言します。

皆さんも鳥取に、そして、自分自身に期待しましょう。

僕も敗北から一夜明けて、失望から醒めました。

さあ次は、日曜日にホームでJリーグがあります!
7000人とは言いませんが、また行きたいと思ってくれた方々が増え、たくさんのお客さんが足を運んでくださることを祈ってます。

そして、それに見合うプレーをサッカー選手として出来るよう、いい準備をします!


ダラダラと長い文章になってしまいましたが、ここまで読んでくださった皆様ありがとうございました!

たくさんの方々に読んでいただきたいので、いいねや各種SNSでの拡散、お願いします🙇


またスタジアムで会いましょう😁

櫻庭立樹

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