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人生を辿って、未来を拓く

「就職活動」。遠く感じていたその言葉が、一気に身近なものとなった今日この頃。締め切り日とPCをにらめっこしながら、時間が溶けていく。

ふと、「なぜ就活を楽しめていないのか」不思議に思った。私は、何事も楽しんで、幸せを感じ生きてきた。大学受験期間も、成長や学びを実感し、かけがえのない経験として全力で楽しみ取り組んできた。不合格で悲しみの広がる職員室で、なぜか私が先生方に前向きな声をかけ、「普通は逆だよ」とみんながほほ笑んだ、あの温かな光景も懐かしい。

半年前から意識しだした就職。会社の情報を調べていく中で、世の中と関わる視点が増え、見え方が広がった。「しかけづくり」「企画立案」——消費者や生活者ではなく、提供者側の世界を知ることで、好奇心が高まった。そして同時に、社会についての無知さにも気づかされた。福利厚生、収益、事業……知らない言葉との出会いがあり、気づかないと得られない「学びの機会」を得て、大人になる階段を登った。
 
就職活動で悩む友人に「自分を知る貴重な機会」「可能性が無限に広がる第一歩」と勇気づけながら、当の自分が、楽しめていない。それはきっと、「就職する」ということに対してではない。「自己PR」や「ガクチカ」で自分を伝えていく中で感じる違和感だ。

生徒会長やリーダー経験(数えてみたら、50回は超えていた)、留学、「ガクチカありすぎるよ!😊」と声をかけてくれる友人、嬉しさもありながら感じる違和感は、その時々、価値を感じて、楽しんで積み重ねてきた大切な経験が、結果を出すための材料になる感覚かもしれない。それぞれの経験が、「アピールの材料」に変わる感覚に、どこか違和感を覚えていた。

世界を知りたいと留学し、毎日街に足を運び人と交流し、一分一秒も逃さず世界にアンテナを張った日々。空港の待ち時間さえも「多様性の宝庫だ!」と感じ、インタビュー調査を行い、さまざまな国の人と「幸福」について議論した。経済的な支援がなかったものの、迷わず行動し、アルバイトで資金をため、情報を集め、母からの愛情と周囲の支えを受けながら挑戦を続けた。留学後は、自分の経験が誰かの行動のきっかけになればと、母校での講演などを行った。

全ての行動は、「経験の積み重なり」と「人脈の広がり」で、繋がっている。だからこそ、力をいれていることは、「今を生きること」で、これまでで一番の成果は、「今の自分」だ。完璧というわけではない。ただ、「行動力と価値観、経験に基づく直感。」過去の自分がつくった「今の自分」が私の誇りと成果である。だからこそ、経験を区切ったり、優先順位をつけたりすることに違和感を覚えていたのだろう。

「すべての経験に意味があるけれど、その経験を広げていく場をどんな場にしたいのか考える時期なのでは?」

就活で悩む友人にかけた自分の言葉にハッとした。そして、限られた面接の時間だからこそ、「この子の人生をのぞいてみたい」「輝く場や成長機会がここのあるよ!」と思ってもらうこと、その準備が大切なのだと気づいた。

就活は、これまでの経験を区切るものでも、単なる材料にすることでもない。ワクワクする感情を広げ、可能性をさらに伸ばし、成長していくための「新しい場」と「仲間」を探す旅なのだ。過去・現在・未来の流れをつくる、大切な時を、今、経験している。

たくさんの知識と経験を積みたい。多様性の中で影響を受け、私自身も多様性の中の輝く個性となりたい。変化の中で挑戦を楽しみ、チャンスはすべてつかんで成長したい。人に感動や喜び、モチベーションを届けたい。誰かの行動や好奇心のきっかけになりたい。やりたいことも、なりたい自分もしっかりとある。

なんだか、楽しくなってきた。

楽しみなのは、「通過」のメールでも、評価でもない。
変化する世界と、新しい世界で羽ばたく未来の自分だ。



 

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