🌲アドベントカレンダー最終章🌲
🌲〜25/25〜🌲
12月25日
《サンタクロースの贈りもの》
「おはよう!」
いつまでも寝ている次男(小学2〜3年の頃)の部屋に入って声をかけた。
先日からサンタさん宛てにメモを入れた靴下の中を盗み見て、事前に買っておいたプレゼントを真夜中にそっと置いていたのだが、そのプレゼントはまだそのままになっている。
私のかけた声で目覚めた次男は、慌ててカーテンを引き空を見上げる。
すると、大粒の涙がポロポロこぼれ
「サンタクロースがいない」と訴える。
「サンタさんは忙しいからあんたの眠っている真夜中に来はるんやで」
「そやから僕はずっと起きてた!」
なるほど、今頃まで寝ているのはそういうこっちゃな・・・次男の泣き声は一向におさまらない。私は彼の背中をトントンとなだめる『困ったな・・・』
どうやら今年のクリスマスには、プレゼントよりもサンタクロースに会いたかったようで、せめて、駆けていくトナカイのソリだけでも観たかったと。
翌年、何で知ったかは分からぬが、サンタクロースの夢は儚くも飛び散っていった模様。
子供達がいつかはショックを受ける〈絶望のクリスマス〉これでいいのだろうか?いっそ、最初から『忙しいサンタさんに頼まれたから買いに行こう』と誘った方がいいのだろうか?
幼い頃の夢をそのまま残しておいてやりたい気持ちとが錯綜する。
すっかりオーナメントを片付けて残ったツリー、これもまた良し。
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2023年12月 note アドベントカレンダー参加作品 了
アドベントカレンダー参加させていただきました。
ありがとうございました。m(__)m