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〈豆腐〉からの〜・・・〈干し豆腐〉

「あんな、豆腐はな、藁で十字に括って下げて帰ったんやで、大きぃてな、固い豆腐やったけど美味かったんやで、買うて来たら軒に吊しとくねん」
 四国は徳島出の義父はよく自慢そうに話したものだった。

 藁で括る豆腐なんて聞いたことのなかった私は驚いて夫に聞いたら、豆腐そのものを食べたことよりも藁で吊るされたビジュアルだけうっすらと記憶があると。
『そんな固い豆腐やなんて、美味しいんやろか』
私はずっと不思議に思っていた。

 時は過ぎ、2016年 干し豆腐なるものを作ってみた。
 なぜかというと、ある会の打ち上げで千日前の台湾料理店へと連れてもらい、初めての食感の一皿に出会った。お店でこれは何かと訊ねると「干し豆腐」とのお返事。

実はこれ、そのお店で食したもの(左)翌る日再現したもの(右)

 ググってみると干し豆腐は手作りできるんだとか!さっそく、朝のうちにお豆腐の水切りをして、お湯で茹で、窓際に干して出勤。

ちょっと不恰好ね(笑)重石が重くてかなりヘチャゲ気味で(笑)

 薄く切って水切りなのに、慌てて一丁丸ごと先に重石をかけて!あとで薄くスライスしたものだから、茹でるとボロボロ(笑)それでもなんとか干すことができ、早い目に帰って、軽く燻製!ええ感じにスモークできたら千切りにスライス。

 ごま油を熱して、長ネギと青梗菜を軽く炒め塩胡椒、スモーク豆腐を投入して軽く炒め、出来上がり!絹と木綿で作ってみたけど食感は木綿豆腐が正解。
 久しぶりに面白い食材に出会い、ヤル気スイッチが入ったのでした。意外と簡単にできるし美味しいのです。今度はもっと上手く水切りをしてリベンジしよう。

 燻製するので、義父の言っていた固い豆腐とは似て非なるものだろうけれど、軒に吊しておくだなんて、それは日本風の干し豆腐かな。


追記
2023年、これをアップするにあたり、藁で吊るす豆腐をググると、今でも何ヶ所か『固(かた)豆腐』というネーミングで売っている店があるようでした。もうちょっと元気になれば、購入して干し豆腐を作ってみたい。
ふふ、またやる気スイッチ入ってしまった。


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