〈すき焼き〉とクレソン
「そろそろ〈すき焼き〉にせえへん?」
「ええなぁ、すき焼きやな、玉ねぎと糸コンあるか? 麩もあるか?」
「揃ろてます!」
ここで、もう一つ、必ず揃えるのが『クレソン』
同じマンションの住人ND家のすき焼きは、まず先に肉をサッと焼き、割り下で少し絡めて皿にとり、食する。肉のなくなったところにクレソンで鍋に残った割り下を絡め取って食べ、また肉を焼いてクレソンで絡めとる。それを2〜3度繰り返しお肉に満足したら、普通に玉ねぎと糸コンを焼き、割り下を入れて豆腐、お肉、麩、白ネギなどを一緒にじっくりと炊き、食するのである。
我が家ではそれを真似て、クレソンをベランダで育てているが、まだ育ちきらなくて手に入らない場合は三つ葉で・・・と、いきたいところだが、勿体無いので菊菜か水菜でいただくようにしている。上等なお肉ほど、その食べ方が満足できるので不思議。
それほど上等ではない普通の肉の場合は、クレソンなしで「今日は普通やな」と、夫や私、それぞれの家庭風に炊いて食べるのです。
さて、大阪人なら牛肉とくれば『道頓堀 はり重』でしょ!
我々庶民が気軽に入る店ではなく、晴れ日やお客さまのおもてなしに使うお店。普段に家族だけで行くことは、まず、あり得ませんでした。
結婚して、夫にどうしても食べたいとねだって行ったのが、私の普通食べ『はり重』デビュー。その時は、4畳半ほどの小さな小さな部屋だったように記憶します。霜降りと赤身がほどよく混じりほどよい厚みの綺麗なお肉がお皿に並び、中居さんのお世話でいただきます。
その後のはり重の敷居はさほど高くもなくなり、それでもちょっと気の張る時に行く特別なお店なのです。同じ建物内のレストランや御堂筋側の精肉店は気軽に利用できるところです。
NETでみると、はり重でも通信販売があり、老舗の味を気軽に注文することができるみたい。便利になったものだ。
販売店の片隅にヘッドの小さなパックが100円くらいであり、便利なので通るたびに購入していたが、通販にでもあればお肉と一緒に買おうとさがしたが無い。やっぱり店に行かなきゃ無いのかな?
いまは、「すき焼き」よりも「しゃぶしゃぶ」の方が好まれるけど・・・
寒くなるとなぜか無性に食べたくなるのは『すき焼き』なんでだろ?
(追記)
私の子供の頃は、すき焼きの翌る日の朝ごはんには、昨夜残ったすき鍋にたっぷりのご飯を入れて炒め炊き、ねこまんまみたくして食べるのだった。そんな話をしていると、夫の家では、すき焼きを食べた後にうどんを入れて食べ切ったようだ。その方がねこまんまよりお上品だわね(笑)
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