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赤本をやるなら、第3部から始めなさい

こんにちは。アクセスありがとうございます。
えー、どこかのベストセラー本の中吊り広告みたいなタイトルにしてしまいましたが…。今回は勉強法、勉強のやり方について書きたいと思います。

今年は11月2日が登録日本語教員試験とのこと。どうやって勉強していこうか、情報を収集していらっしゃる方も多い時期かなと思います。
基本的には私は日本語教育能力検定の「赤本」をメインに勉強し、2024年の日本語教育能力検定試験、登録日本語教員試験(試験ルート)に合格しました。今回は「何を」ではなく「どうやって」勉強するのかのとりかかりの部分をまとめたいと思います。
勉強の仕方を自分なりに確立することで、最後まで自分を信じて頑張りぬくことができました。皆さんの勉強のやりかた研究にお役に立てれば幸いです。

1.第3部を最初に勉強する理由

赤本はですね。はっきり言って1ページ目から順番に勉強するのはお勧めしません。だって第1部っていきなり文法じゃないですか。日本語教師になるためのコアになる知識ですよ?
赤本の第1部は登録日本語教員試験の出題範囲のまさに「言語」に相当する部分で、出題割合が3割です。そんな重要なところから勉強しても大変なだけだし、経験者ならともかく初学者は心折れますよ。

私が第3部から勉強するのをお勧めする理由は、簡単です。語学の勉強方法が書いてあるからです。
語学の勉強方法ではありますが、この試験勉強にももちろん役立つ部分がいくつもあります。

あんまり赤本の中身を書くと著作権に触れますから省略しますが…
記憶の仕組み、言語習得の過程、学習ストラテジー(工夫)のことなどが書かれています。
ここを勉強しつつ、自分の日本語教員試験、日本語教育能力検定試験の勉強方法を確立するんです。

2.具体的にどの項目の話?

では具体的に、私が赤本の中からどこの部分を読み、自分の勉強方法について考えていったかの項目を書きたいと思います。

1.短期記憶と長期記憶

日本語教師の資格取得に向けた勉強は、私にとって10年以上ぶりの本格的な「勉強」でした。出産して1年で海外へ行ってしまい、その間は語学の勉強をすることはありましたが、こういった日本語で学ぶアカデミックな勉強は出産以来初めてで…。
10年も違うと記憶力も全然違うんです。この間テキストで読んだところを数日したらすぐ忘れてしまう。いかに記憶を長持ちさせるかは、私にとって最大の難関でした。(しかも出産された経験のある女性ならお分かりになると思うのですが、出産とともに記憶力もスポーーンと抜けてしまっているんですよね…。)

なのでまず短期記憶と長期記憶のところを読み、内容を理解して。
記憶のストラテジー一覧が赤本に載っているじゃないですか!これを日本語教師の資格勉強に当てはめてみるんです。

私が小学生の時漢字を覚えるために、何度もノートに繰り返し書いて練習しました。(維持リハーサル)ただ赤本に載っているように、たくさん書いても(頻度)、強度がないと長期記憶に残らないんですよね。

ただ、なんで小学校の時に覚えた漢字を忘れないか?それは日々使っているからだと思います。(精緻化リハーサル)

2.言語学習ストラテジー

「言語学習」ストラテジーとありますが、これってどんな勉強をするときでも少なからず参考になりますよね。
語呂合わせで覚える(記憶ストラテジー)、教科書に線を引く(認知ストラテジー)、その言葉自体が分からなくても前後の文脈から予測する(補償ストラテジー)
補償ストラテジーはすごく大事。試験で分からない単語、トリッキーな惑わせ選択肢が出てきても何となく予測できる可能性があるじゃないですか。意識して伸ばしていきたいストラテジーです。

メタ認知ストラテジーもとてもとても大事。ある程度のサイクルで自分の勉強方法を見直す。平均すると一日何時間くらい勉強できているのかな、どれくらい定着しているのかな、集中できているのかな、本業(私の場合は母親業ですが)とのバランスは大丈夫かな、いつまでに何をどう終わらせようかな。1歩離れた視点から自分を見る。

情意ストラテジー。これが安定していないと他のストラテジーを研究しても意味が全くと言ってないです。自分の時間やお金を割いて日本語教師の試験勉強をする。これってものすごいエネルギーですよ?なんで試験を受けるのか。自分にとってそれを阻害する要素が出てきたときどうやってコントロールするか。試験合格に向けた情意ストラテジーの確立は特に勉強後半、直前にめちゃめちゃ大事になるので初期のうちからしっかり固めておいてください。

3.動機付け

情意ストラテジーにも関連してきますが試験をなぜ受けるのか?の動機付けはとても大事。統合的動機付けと道具的道具付け、どちらが良くてどちらが悪いということは一概に言えないのかもしれませんが自分の動機を客観的に分析してみるのも面白いかも。

4.学習スタイル

場独立と場依存。これは私にとって新しい概念でした。
私の場合、以前は場独立タイプだったはずなんですよね。一人で黙々と勉強したほうが邪魔が入らなくて勉強しやすい。でも海外に7年住んで、「分からないことは自分で調べ上げるより聞いたほうが早い」という価値観がいつの間に生まれてしまいました。なので私は私自身を「場依存傾向が比較的強め…だけどたまに場独立型」と分析しています。
これもね~結構私にとっては重要でした。私は登録日本語教員試験合格の講座(タイのLSEアカデミーでした)をほぼ一人でオンラインで視聴しながら受験勉強したのですが、場依存の傾向があってともかく人としゃべりながら知識を定着させたいんですよね。でも周りに日本語教員試験のことについて気軽に話せる人がいなかった。そこで私は現在海外で日本語教師として活躍していらっしゃる方とSNSでつながり、たまに現地のことを質問させてもらったりしました。
あとタイにいる間はオーストラリア人の英語の家庭教師が毎週我が家に来てくださり、子供たちに英語を教えてくださっていたのでついでにオーストラリアの言語教育政策のことについて質問させてもらったり(これは第4部ですね)しました。難しい状況ではありましたが、ともかく人と話しながら定着させていきました。

3.どうやって勉強法を確立した?

世の中にはいろいろな勉強方法があると思いますが、大事なのは「自分にとってどれが一番効率がいいか。」です。東京大学に現役で受かった人の勉強方法は素晴らしいのかもしれませんが、自分にとって合っていなければ取り入れる意味がありません。
私が考えたのは…

  1. 視覚優位か聴覚優位か

  2. 場独立か場依存か

  3. 記憶を長く残すための方法

  4. どのように自分の学習を振り返るか

などです。(ちょっとほかにも思いついたら追記します)

1は結構大事で、要は合格者のブログで勉強するか、youtubeで勉強するかでした。
私の場合これだけ文字を書いていることからお分かりになるかもしれませんが、圧倒的視覚優位なんです。youtubeは勉強するには頭に入ってこない。
なのでyoutubeでの勉強は休憩時間に垂れ流すか、キッチンで野菜を刻みながら聞くか程度でした。基本的には文字で書いてあるもので勉強しました。
youtubeで勉強できる人、うらやましいです…。

2については先ほど書いた通りですね。海外生活で場依存の要素が強くなってきてしまったので、それを意識しながらストレスなく勉強することを心がけました。

3と4についてはここでは書ききれないような気がしてまして…
また別の記事で書きたい…と思います。

4.まとめ

■赤本の第1部から勉強するのはハードルが高すぎる。
■第3部の言語と心理から勉強を始める。言語学習の仕組みやストラテジーについて沢山かいてあるので、それを勉強しながら自分の学習方法を確立する。

です。
聴覚優位の方、がっかりしました?場独立型の方、自分には当てはまらないと思いました?
私が言いたいのはそんなことではないです。皆さんそれぞれの効率的な勉強方法があると思うんです。それをご自分で見直して、組み立てていけば合格の近道になるということです。
せっかく勉強法や記憶についての記載がテキストに載っている試験なんです。この記事が今年受験される方が勉強方法の確立、見直しのきっかけになれば幸いです。


ああー書きたいことが多すぎて多すぎて。
ひとまずこの記事、最後までお読みいただきありがとうございました。

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