知足按分(ちそくあんぶん)ああ、それなのに
おはようございます。9月に入ったというのに、まだまだ暑い日が続いていますね。皆様どうぞお体ご自愛ください。
と言いつつも、この夏の間私はずっと病院の中に居て、本当の夏の暑さを知らないまま過ごしています。
入院は初めてではなく、大体5年に一回、下半身のどこかに怪我を負い、病院にお世話になっており、もはや何かしらの節目の儀式のようにも思えてきています。
そして入院時の後半に何時も気付くのが、「知足按分」という事。
「足るを知る」という古代中国の思想家、老子の言葉です。
「何事に対しても、「満足する」という意識を持つことで、精神的に豊かになり、幸せな気持ちで生きていける」ということを表しているということだそうな。
入院生活において、仕事や読書・ゲーム機・最低限の着替え・日用品など、必要なものは大体トランクひとつに収まる量で事足りているのだ。
日常だとこれにまあ服飾関係などが加わって来るわけなんですけど。
それでも十分満たされている事に入院毎に気付くのです。
毎日コンビニに寄って何となく購入していたものや、人が持っていて自分が持っていないものをつい購入してみたり、見栄の為だけに着飾るために購入するブランドの服だったり。作家さんとつながりたくて個展に足げく通って購入して持て余してしまう雑貨の数々など。挙げ出したらキリがないくらいの物で自分をデコルテして生きてきたんだなぁ。
自分の中で、それで安心して満足して、でも他所を見るともっとオシャレな人がいて、自分はまだまだ持っていないと焦って…
何をやっていたんだろう、と。そんな事で周りは私のこと見ていないのに。というか全く気にしていないはずなのに。むしろ私の本質を知らず、見てくれだけで判断して付き合うような人に囲まれて仕事して嬉しいのだろうか。
デザイン関連の業界にいて、そういうのに自分が一番うんざりしていたはずなのに。
と言うわけで、今回で5回目の入院。また「足るを知る」に気付く機会を得た訳です。恐らく気付くだけではダメで、実行に移して改善しないと、また入院の憂き目、いや下手したら人生終了させられるかも入れない。だって毎度毎度3ヶ月も有するほどの怪我での入院ですよ。(いったい誰に?)
さぁ、もういいかげん、年齢的にも半世紀生きてきたわけで。
この入院でまた気付かされて、退院したら何をするかもう分かるよね?
6回目の大怪我はもうしたくない。と言うか、怪我して入院しないと気づけないおバカな自分とサヨナラしたい。残りの人生短いのに。
と、自分に言い聞かせ、残り2週間弱リハビリを頑張ろうと思います。
皆さんも色々荷物が増えて歩くのが遅くなって、時には体も重くなり嫌なことが続いてきてたりしてたら、一度「トランクひとつの荷物」から再構築してみるのもいいかも。新しい何かが入って、歯車がまた動き出すかもしれませんよ。