外国人が日本人と結婚しても当たり前に日本で暮らせるわけではない話〜在留外国人&外国人支援者向け&今回は国際カップル向け☆ニュースレター#08
まず前提条件として、外国籍の人が日本で働いたり日本で暮らしたりするためには在留資格(ビザ)というものが必要になります。
日本人の夫婦と同じように、日本人と外国人が結婚する場合も、必要な書類を揃えて役所に婚姻届を提出すれば晴れて法律上の夫婦となります。
しかし、「日本の法律で正式に夫婦となったこと」と「日本で暮らせるかどうか」はイコールにならないのです 。
それは、最初にお話しした前提条件の中にある在留資格が必要になるからです。
外国人の方々も含めて一般的に在留資格のことをビザと呼んでいます。
(ビザという呼び方は正式な名称ではありません。在留資格とビザは専門家の中では明確に区別された別の性質を持ったものですが、ここではあえて一般的な用語として在留資格のことをビザと呼びます)
日本人と外国人が結婚して日本で一緒に暮らしたい場合には、「日本人の配偶者等」という在留資格を申請することがほとんどです。
※以下、「日本人の配偶者」ビザと表記します。
ここで一つ付け加えておくと、日本人と結婚したら必ず「日本人の配偶者」ビザを申請しなくてはいけないかと言うとそういうことではありません。
例えば、日本ですでに在住している外国人の方の場合は、「技術・人文知識・国際業務」 を代表とする就労系のビザで在留している場合もあります。
さらに、日本語学校や大学に通っているような留学生の場合は、「留学」というビザで日本に滞在しているわけです。
日本人と結婚後、これらの在留資格のまま滞在することは問題ありませんが、例えば「留学」ビザで在留している場合は学校を卒業するとビザを更新することができません。
「技術・人文知識・国際業務」ビザの人の場合も、会社の業績次第で更新が出来なかったりする場合もあり、とても不安定な立場に置かれています。
その点、「日本人の配偶者」ビザは日本人と婚姻関係が続いていれば(もちろん婚姻関係の実態があること)更新をかけていくことができますし、さらに就労の制限がありません。
外国人はあらかじめビザで許可された範囲内でしか働くことができませんが、「日本人の配偶者」のビザを持っている外国人は日本人と全く同じように働くことができます。
日本人と同じようにというのは職業の種類や時間数の制限などがありません。
だから、偽装結婚が時々問題になるんですね。
ようやく本題です。
「日本人の配偶者」のビザ申請では、一体何を聞かれると思いますか?
二人の交際の経緯を全てさらけ出して説明する必要があります。
出会った経緯、どこにデートに行ったか、告白した場所や日時、どんなデートを重ねていったのかデート中の写真、LINEやSNSなどの二人のやりとりなども記録にして提出します。
全くプライバシーはありません。
その事に憤慨されてしまう方も中にはいらっしゃいますが、誰に対してもこのような調査が行われておりますので、誠実に対応しましょう。
プロポーズはどこでどんなシチュエーションで行われたのか、結婚式はしたのか、結婚式の写真も重要な証拠になりますし、親族や友達も呼んでいるのか、ふたりだけでひっそりと挙式したのか、そういった部分も調査の対象になります。
それは先ほども申し上げたように偽装結婚がとても多いからです。
なかには「日本人の配偶者」ビザが欲しいだけで、実際の結婚生活を望んでいない外国人も多くいます。それは、水商売で働いてもいいし時間数の制限はない 。とにかく日本でたくさん働いてお金を稼ぐことが目的だからです。
偽装結婚が目的の場合、通常は親族や友人などに公にすることを嫌がります。
ですから、きちんと挙式をして友人や親族など招いている写真などの証拠を提出できるカップルは審査が有利に進むと考えられます。
ビザの審査をする入国管理局は、まず偽装結婚を疑っているということを理解しましょう。
ゼロからのスタートではなくマイナスからのスタートです。
ちなみにこのような質問書を提出する必要があります。
項目が多く、さらに細くて驚くかもしれませんが二人で確認し合って記入していきましょう。 この質問書が完成する頃には相手の方の親族関係などもしっかりと判明しますし、よりお互いのことを知る機会になると思います。
質問書の2ページ目にある「結婚に至った経緯」このページは(別紙に記載の通り)と書き別の用紙にLINEのやりとりとか SNS にアップした二人の写真、デート中の写真など、二人の交際の証拠資料を作成し一緒に提出しましょう。
「日本人の配偶者」ビザの手続きは、証明書類や立証資料など多くの書類を揃える責任は申請者側にあります。
お互いに愛し合って結婚したとしても、書類の精度が甘い・説明不足・書類の不備など、必ずしもビザが許可されるわけではないのです。
特に次のケースに当てはまる場合は、審査がより厳格になります。専門家からのサポートを受ける事も視野に入れて、計画を立てていきましょう。
・結婚紹介所やお見合いで出会った場合
・出会い系サイトで出会った場合
・夫婦の年齢差が大きい場合(15歳以上)
・日本人の配偶者側の収入が低い場合(200万以下)
・出会ってから結婚までに会った回数が2回以下の場合
・離婚歴が多い場合
・交際期間が短い場合
・結婚式を行っていない場合
・交際の期間を証明できる写真などの証拠がない場合
・元技能実習生との結婚(帰国せず日本にそのまま残りたい)場合
・留学生で成績不良や卒業できなかった場合
・不倫状態からの交際スタートの場合
・資格外活動の範囲をオーバーしている場合
・オーバーステイしている場合
・退去強制歴・自主出国歴・犯罪歴・難民申請歴ありの場合
国際結婚における最難関は、お互いの両親から結婚の許しを得ることではなく、入国管理局の手続きです。
プロポーズされて嬉しい気持ち、幸せな気持ちに浸る前にこんなに多くの試練が待ち構えています。
まず、お互いの国で入籍を済ませること。
さらに、日本で在留資格(ビザ)を得ること。
何ヶ月にもわたって不慣れな手続きと向き合い、普段見慣れない書類と格闘してストレスフルな日々が続きますが、許可をもらえた時の嬉しさは何ともいえない達成感があります!!
専門家にサポートを依頼すれば、ストレスと時間を大幅に軽減できますよ!!ご相談はこちらからどうぞ。
もし、国際結婚カップルを街で見かけたら、
大変な思いをして試練に打ち勝って日本で暮らしているんだなぁ。
と賞賛の気持ちをそっと心の中で送ってあげてください。