経験的記号/幻想記号
「太陽」という記号は恒星を示すが、天体それ自体ではない。同様に、個人的な経験は「経験的記号」に過ぎない。経験は結果であり、実体ではないのだ。
実体という原因の世界を直視するには、記号が記号であることを、経験を本質ではなく幻想であることを知覚し続けなければなるまい。
この幻想的記号の構成を考える。
先ず、絶対先天的な法則によって私達の範囲は規定される。この規定の中で、或いは規定を観測・解釈することにより、原型的経験が生じる。(解釈と観測の行為こそが私である)
この原型的経験を、三次元と物質次元の特殊性からさらに再解釈したものが、所謂現実、経験的記号、幻想的記号だ。
焦点を極集中させた記号から、焦点をゆるめた記号に、そしてその背後にある原因の世界、観測と解釈を直視する。この観測と解釈を更新し続けることによって、世界は変化を続ける。
解釈のコントロールとは、世界・自己のコントロールである。
記号から観測を推測せよ。
観測を再解釈せよ。