【人生に活かす心理】真の「行動」を知る。「行動」を使いこなす。
今日は「行動」についてです。
行動療法や行動分析における「行動」の考え方は実生活においても有益なので、それを共有いたします。
普段の生活の中で考える「行動」とはどんなものでしょう?
そこまで意識してこの言葉を使ったりはしないかもしれませんね。
自己啓発的なメディアとかでは、「行動が大事」とか「考えているだけでなく行動すること」など言われてるかもしれませんが、それだけだと不足しています。
行動分析における「行動」の判断基準には明確な二つのルールがあります。
それが
・死人テスト:死人にできることは行動ではない
・具体性テスト:誰が聞いても映像にできるくらい具体的か
これをクリアできないものを行動としてはいけないとされています。
大きな理由の一つに、「〜しない」「〜をやめる」はやりにくい、というのがあります。
逆にいうと、「〜する」はしやすいのです。
行動分析もこのように変換して扱いやすくします。
例えば、
「タバコを吸わない」
「間食をやめる」
というのは、脳がどうしたらいいのかイメージしにくいのです。
「OK!タバコやめよう!間食やめよう!…で、どうしたら?」というのが、脳の代弁です。
死人テストをしてみましょう。
死人はタバコも吸わないし、間食もしないのでアウトですね。
この時点で具体性テストをする意味もありません。
なので、こういった場合は、
「タバコを吸わない」
→「タバコを吸いたくなったら、何か飲む」
「間食をやめる」
→「間食をしたいときは、太りにくいものを食べる」
といった風にすると、死人テストを突破できます。
死人は「飲む」ことも「食べる」こともしませんからね。
基本的な法則としては、「しない」→「代わりに何かする」に変えるのです。
まだ、イメージが足りないので、次に具体性テストをクリアしたいです。
「タバコを吸いたくなったら、何か飲む」
→ 「タバコを吸いたくなったら、代わりにコーヒーや紅茶、緑茶を飲む」
「間食をしたいときは、太りにくいものを食べる」
→ 「間食をしたいときは、ナッツやチーズ、フルーツを食べる」
などとしてみます。
もちろん、具体性は突き詰めればキリがないですが、この程度具体化しておけば、大抵の人がイメージできるでしょう。
あとは、個人個人で調整すればいいです。
これで、死人テストと具体性テストを突破した「行動」が出来上がりました。
慣れてくれば、同時にテストをクリアできるように考えられます。
死人テストと具体性テストを突破した「行動」はイメージしやすくないですか?
「しない」「やめる」に比べて、自分の中でモヤモヤが晴れて、行動時に迷いにくいと思います。
逆にいうと、今までの自分の考え方とこの「行動」の考え方が違いすぎていた場合、目標達成しづらかったのは、ここに原因があるかもしれません。
「しない」「やめる」で思考を止めていた場合、大層な目標を立てた様に見えて、実は思考放棄している状態なのです。
聞こえのよい「しない」「やめる」の目標でとりあえずの満足を得て、おそらくその先は発展しないことが多いと思います。
このように「行動」を定めて、何かを変えていった方が、科学的にも達成率が高いことが、証明されています。
医療福祉分野ではABA(応用行動分析)という方法論で頻繁に語られています。
「何かをしたい」「何かをやめたい」といったときは、こういった「行動」の考え方を参考にしてみてください。
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