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コテンラジオ「ジャンヌ・ダルク編」とマンガ「古々路ひめるの全秘密」の秘密の関係

連続起業家でエンジェル投資家の、けんすうさんが「古々路ひめるの全秘密」というマンガをオススメしていました。

サンデーうぇぶりで無料で読めます!

このマンガがどのようにすごいのか、解説してみたいと思います!
そのヒントは、コテンラジオの「ジャンヌ・ダルク編」にありました!

ジャンヌ・ダルク編の第6話(現時点で未放送)で語られるのですが、ホモサピエンスは『既存のモデルが複数組み合わさっているのを見ると判断がバグる』という特性を持つようです。

複数モデルが組み合わさってバグる

ジャンヌ・ダルクは、以下の属性を複数併せ持って登場します。

  • 預言者

  • 騎士

  • 乙女

それぞれは、単体で「騎士モデル」とか「乙女モデル」が存在していて、「騎士」だったらこうゆー感じの人ね!みたいに判断ができます。

「騎士モデル」であれば、屈強で戦いが強いとか。
「乙女モデル」であれば、守られるとか。
それぞれ、宗教的な意味や世俗的な意味をもっていたりします。

現代でいえば、「元リクルート」だったらこうゆー感じの人ね!みたいな。

しかも「早稲田大学卒」で「元リクルート」のような、関連性の高い属性を併せ持つ場合もあります。
そのような近い属性は、組み合わさることで「こうゆー感じの人ね!」が加速します。

このようにモデルを通して、私達は物事を認知して、判断します。

ですが、「騎士で乙女」みたいな、関連性が低い属性を併せ持っていると、判断基準がバグってしまいます。
「どう捉えたらいいんだ?」「どういうことなの?」と、脳が判断しかねて混乱してしまいます。

例えば「お笑い芸人」で「イケメン」みたいな属性を持っている人が、あるひ急に「絵本作家」を名乗った時(西野亮廣さん)、みんなが混乱したのと同じような状況です。

バグった時の判断基準

そのような混乱時に、判断基準として重要なものは、以下の2点です。

  • 都合の良さ

  • 確信(信仰や熱量)

ジャンヌ・ダルクの場合は、「王太子を王座につかせるのが神の意志だ」とジャンヌが言っていました。
これは、王太子側にとって、政治的にめちゃくちゃ都合がいいことをいっているわけです。
これが都合の良さによる判断で、「自分にとっていいならいいか」となります。

そして、ジャンヌは、自分が神の声を聞いたことに確信をもっていて、その確信をもっているジャンヌの言動と熱に周囲が当てられていきます。
※前提として、当時はキリスト教OSが強かったことも重要

このような、「都合の良さ」と「確信(信仰や熱量)」があることで、周囲が「複数モデルを合わせもつバグ」に対して「これが良い!」という判断をしていくといえます。

判断基準が一度壊れたところに、都合と確信をもとに突破していく、みたいなことが起きます。

マンガ作品「古々路ひめるの全秘密」

「古々路ひめるの全秘密」は、まさに複数モデルが組み合わさっている作品です。

  • 学園

  • 姫とボディガード

  • 異世界転生

  • 魔法とファンタジー

  • 呪い解除

  • 宇宙人

このようなモデルが2〜3個どころじゃなく全部詰め込まれています。
それによって、判断基準がバグって「どう思えばいいんだ?」となります。

この作品の面白いところの一つはここで、判断基準がバグって混乱するところであると言えます。
そのうえで、それぞれのモデルを忠実にハイコンテキストなところまで読み込んで再現しているため、モデル単体でみると非常に面白いこともわかります。

ここで「都合の良さ」と「確信(信仰や熱量)」の話しになります。

マンガにおける「都合の良さ」は、単純に面白いかどうかで、面白いって思ったら面白いでいいはずです。

「確信」においては、作者がすごい熱量をもっていることは、作品を見たらひと目でわかります。

この作品を「ただの詰め合わせ」のように評価することもできるでしょう。
しかし、この作品の構造自体を、「複数モデルの組み合わせによって混乱させる」と捉えて、そこを楽しめる作品だとも言えそうです。

複数モデルを組み合わせた作品は、かつてもありました。
「涼宮ハルヒの憂鬱」は、その代表格といえたでしょう。

ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。

という有名なセリフがありますが、まさに複数モデルを詰め込んだ作品といえます。

そして、ハイコンテキストな作品も増えています。
その代表格が「呪術廻戦」です、異能力バトルの要素をふんだんに詰め込み、読者の知識レベルを信用したうえで、ものすごい速度でバトルを加速させています。
ジョジョやハンタを読んでいる前提でのバトル展開で、非常にハイコンテキストですが、だからこそ魅せられるものがあります。

このハイコンテキストで複数モデルを組み合わせた、新時代のマンガが「古々路ひめるの全秘密」だと言えます。

今の時代だからこそ出てこれた作品を、しっかり味わいたいですよね!


・・・と、「古々路ひめるの全秘密」の面白さを、コテンラジオ「ジャンヌ・ダルク編」と交えて語ってみました。

ちなみに、ジャンヌ・ダルク編のすごさについて、けんすうさんが既に語っているので、こちらもぜひお読みください!


そして「古々路ひめるの全秘密」はこちらで無料で読めます!
ぜひお読みください!

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