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ミッドライフ(ミドルエイジ)クライシス:『パーティーが終わって、中年が始まる』

「ミッドライフ・クライシス」あるいは「ミドルエイジ・クライシス」という言葉があります。
40代〜50代に感じる、精神的な危機のことを指します。

日本国産の生成AIのFeloに、意味を質問してみました。

ミッドライフ・クライシスとは、人生の中盤に差し掛かる40代から50代にかけて、多くの人が経験する心理的な転換期を指します。
この時期には、これまでの人生を振り返り、達成したことや未達成の目標について深く考えることが多くなります。
その結果、将来への不安や焦りを感じることがあり、職業や人間関係、ライフスタイルの見直しを迫られることがあります。
時には、これが衝動的な行動や大きな変化を引き起こすこともありますが、必ずしも全ての人が同じように経験するわけではありません。
ミッドライフ・クライシスは、個人の価値観や人生経験によって異なる形で現れるため、自己理解を深める良い機会とも言えるでしょう。

Felo.ai

特徴としては…

  • いままでの人生はこれでよかったのか?

  • これからの人生はどうすればよいのか?

というような、過去と未来に対して思い悩むことです。

この表現だけをみたら「ふーん」となって終わるかもしれません。
しかし、以下のような深刻な問題につながると言われています。

  • 精神的健康被害:うつ病などの精神疾患につながるケース

  • 人間関係の悪化:家族や友人との不和につながり孤独につながるケース

  • 衝動的な行動:無茶な挑戦により金銭・健康を損なうケース

  • 自死の誘引:深刻化し絶望感から引き起こされる最悪のケース

NHK「クローズアップ現代」でも取り上げられており、こちらを見るとイメージしやすくなると思います。

こちらの番組でも取り上げられていた書籍が、phaさんによる書籍『パーティーが終わって、中年が始まる』です。
番組放送時点では2万3000部以上を売上げており、話題となっています。

phaさんは京都大学を卒業し、国立大学職員として勤務・退職され、様々な活動されている方です。
現在もブログ、WEBメディア連載、書籍などで執筆をされています。

そのphaさんが40歳を超えたときに感じた様々な事が、『パーティーが終わって、中年が始まる』で綴られています。

宇野常寛さん、箕輪厚介さんと、ミッドライフ・クライシスについて対談されている動画もありますので、こちらもご参照ください。

また、著者のphaさんとは直接関係ありませんが、中田敦彦さんもミッドライフ・クライシスがあったことについて語ってらっしゃいます。

これらの動画を見ると…

  • 箕輪さんや中田さんのような、社会的成功を得た人でもミッドライフ・クライシスに向き合うの?

  • だったら、ほぼ全員がミッドライフ・クライシスに向き合うことになるのでは?

…と多くの人が感じるのではないかと思います。

そうであれば、先んじてミッドライフ・クライシスについての理解を深めた方がよさそうです。

理解が深まれることで、少なくともそのような状態の人に対して理解を示したり、優しく接したり、あるいは、居心地の良い環境は何かを考えて実践するといったことが出来るかもしれません。

今回、このnote記事では書籍『パーティーが終わって、中年が始まる』の内容を、ほんの一部ご紹介したいと思います。

ちなみに、とっても読みやすい語り口で書かれているので、読書が苦手な人でもさらっと読めると思います。


尊厳と自動化

phaさんは、もともと、セルフレジやセルフサービスの気軽さが良いと思ってらっしゃいました。
他者との会話は、エネルギーを使うからです。

しかし、最近では、様々なものが自動化されています。
例えば、回転寿司チェーン店では、入店、注文、食事、精算のすべてのプロセスが自動化されています。

あたかも、自分自身の方が「お店にお金を支払うだけの機械」になってしまった感覚、人として扱われていない感覚となります。

そして人として扱われるためには、いずれ高級なお店に行くしかなくなっていくかもしれません。

お金がないと人間扱いされないのは嫌な社会だと思う。

phaさん

一方で、一部のファミリーレストランではネコ型ロボットが「ニャー」「ニャー」といいながらお皿を運んでくれています。

phaさんは、冷たい感じの自動音声よりも、かわいい声で話しかけられるだけで、感じ方は全く異なるといいます。

人間らしく扱われているような雰囲気、それがあればいいのだ。

phaさん

ゆるく集まる

phaさんは、大学時代、学生寮で生活してらっしゃいました。

その空間では、話すのが下手でも、無言でも、麻雀やゲームをしていれば人の輪に入れていた感覚があるといいます。

きちんとお互いを掘り下げてわかりあえる一対一の関係を持つことはもちろん大切なことだけど、それと同時に、性格や思想が違ってもなんとなく曖昧に集まって場を共有できる場所もあるとよくて、その両方があることで、より豊かに過ごせるのではないだろうか。

phaさん

そのような集団の中にいるとき、個人から集団に溶けている感覚になります。
同質性による妙な安心感が、そこにはあります。

やらなきゃいけないこと

phaさんは、常にパラレルに何かをこなしていたり、変化を大切にされていたりしました。

しかしながら、それがだんだんと面倒に思うようになります。

生きていくためには、細々とした、やらなければならないこと、日々をこなすことで精一杯になったといいます。

昔の自分は同じ店に通い続けるのが嫌いだった。
それは堕落、つまり、環境をこまめに変えることで受け取れる刺激を放棄する愚かな行為だと思っていた。

phaさん

いつからか、そいうのが面倒だ、と思うようになってしまった。
環境を変えるのは疲れる。
安定したいつもの落ち着ける場所にいたい。

phaさん

自分は堕落してしまったのだろうか。
多分そうなんだろう。
しかし、その先も人生は続いていくのだ。

phaさん

この書籍は、43歳から執筆をはじめ、45歳のときに完成したそうです。

あとがきには、43歳の頃はまだ30代を引きずっていたが、45歳になったら色々と諦めがついてきたと書かれています。

これは文章にも反映されているようで、読み進めていくうちにどんどんと達観した内容になっていきました。

40代〜50代に多くの人に訪れるといわれている、「ミッドライフ・クライシス」。
それに近い心境に触れる機会になると思いますので、ぜひ読んでみてください。

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