人魚の鱗ー鱗に魅せられた女ー

カメラのフラッシュと記者が彼女の美しさに、魅了され、彼女は微笑む。

彼女の名前は一条紫苑。
モデルから華麗に転身し、女優として演技もさることながらその魅力的な美貌で世界でも脚光を浴びている女優である。

「美しいですねー」

「一条紫苑さんは、魅力的な美しさがありますね」

とお世辞ではなく皆が口にする。

「ありがとうございます」

紫苑はそう言葉に笑顔で答え、ますます周りを虜にするのであった。

紫苑が楽屋で頭を抱えていた。

「これもダメ!」

とアンチエイジングと書いている容器の粉をぶちまけた。

昔から美しさを褒められていた。39歳になり若さを追い求めていた。

「今の見た目だけでも止められたら」

それを繰り返すようになった。

「失礼します」

マネージャーが入ってきた。
外面だけではなく、内面も知る唯一の男性マネージャーで紫苑を支えていた。

「紫苑さん人魚を見つけました」

「人魚?そんなの伝説じゃないの?」

紫苑も一度は憧れた人魚の鱗。
人魚を見つけようとしたが、人魚を居ないと決めつけていた。

「それが、人魚がみつかり、人間と結ばれたとの情報が入りました」

マネージャーが渡した書類には黒髪の若く可愛らしい女性とどこにでもいるような普通の男性の写真だった。

有名企業のやり手社長や見た目も家柄も良い俳優と付き合っていた紫苑が選ばないようなどこにでも居るような一般の家の普通の男でどこがいいのかと思うようなほどの経歴などの情報である。

「彼女から人魚の鱗を貰えれば今の美貌を維持は簡単だと思います」

マネージャーの言葉に紫苑は周りには魅せないような悪魔のような笑顔を浮かべた。

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