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モンゴル前編 #13 世界最悪のバス

15:00発、モンゴル西端の町バヤンウルギー行きのバスに乗る為、ドラゴンバスステーションに到着した。

モンゴル入国から約3週間。

やっとスタート地点となる町に行ける!

すごく楽しみなんだけど、不安な点も1つだけあった。

それは、バヤンウルギーまで未舗装の道をバスで60時間もかかるということ。

途中までの道は舗装されているようだけど。

バスは世界一周中によく乗っていても、さすがに60時間も乗るのは初めてだ。

どんなバスに乗るのか不安ではあったけど、バスステーションに到着してみると意外とリクライニングも出来そうな立派なバスが何台もあった!

バヤンウルギーは一番遠い町だし、きっとこの立派なバスのどれかなんだろうと少し安心。

近くの係員にバスチケットを見せると、「あのバスだよ!」と大きくて立派なバスを指さした。

「これなら寝てればすぐに着く!」と一安心!

バスに乗り込もうとして、運転手にチケットを見せると

「違う違う!それ、隣のバスだよ!」と目の前にあるバスを指さした。

恐る恐る指さした方向を見てみると、安心で緩んでた顔が硬直するには十分なインパクトのバスが、そこにはあった。

右側の古めでやや大きなバス

外の見た目はあまり良くないけど、中は意外と良いかもしれない。

荷物の積み込みのせいでゴチャゴチャしていたけど、かすかな希望を胸に列に並ぶことにした。

間違いだということを期待しつつ、係員にチケットを見せ、「このバスであってる?」と聞いたけど、スタッフは笑顔で首を縦に振った。

入り口では荷物の重さを測られた。

馬装も持っていたせいで45kgもあったらしく、超過料金として28,000Tg(約2000円)を取られた。

さて、気になる車内の様子はというと。。。。


なんじゃコリャ。

通路にはビッシリ荷物が置かれて、その上を人が歩いている。

座席の足を入れる空間にまで荷物がビッシリ詰まっていて、みんな体育座りをしている。

座席にリクライニングがないとか、クッションもほとんどないとか、もうそんなことはどうでもよくなる状態だった。

想像の斜め上を行っていたこの状況では、もう笑うしかない。

座席に座れない人は通路に置いてある誰のかもわからない荷物の上に座るらしいけど、俺の席はきちんとシートに座る席だった。

席のすぐ右の通路には大きな体のおじさんが座っていて狭かったけど、左の窓側の席はモンゴルでも珍しいくらいに小柄な女性だったから少しは余裕があった。

その女性は恋人と思われる人と、窓越しに手を繋ぎながら別れを惜しんでいるようだ。

15:00を少し過ぎて、いざ出発!

木の板に薄いクッションを貼っただけのめっちゃ堅いイスに体育座りで未舗装の道を60時間という楽しいバスツアーが始まった!

右側のおじさんが「どこから来た?」と話しかけて来たので、「日本!」と答えるとみんな歓迎してくれて色々と質問攻めにあった!

「なんでバヤンウルギー行くの?」「日本人なのに飛行機使わないの?」「どこでモンゴル語覚えたの?」

会話は楽しいんだけど、前の席との間隔も全然ない状態での体育座り。

出発から3時間で既に足が痛くなってきていた。

道はまだ舗装されている段階でこの状況。

本当に無事に着けるのか心配になってきていた。

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