【ふれ「合う」機会】
都会で子どもを保育園に預け働く親たちは、
保活の激戦を「保育が必要」と認められるための加点をより多く獲得し勝ち抜いた者たちであるのだけど、
その過酷な点稼ぎ戦では、両親ともにフルタイムというのは絶対的必須条件ですが、
減点となる条件に「65歳未満の祖父母と同居(または近くに住んでいる)」というのがあります。
なので、都会で子どもを保育園に預け働く親たちのほとんどは、
「ジジババのヘルプなし」が大前提なのです。
(私の場合は息子0歳の保活当時で祖父母ともに65歳以上だった上、ひとり親加点でなんとか滑り込めた)
親元離れて子育てを夫婦二人だけでして、
かつどちらもフルタイムで働くとなると、
何かあったとき誰に頼ればいいの?
ってことで、横浜市では「子育てサポートシステム」ってのがありました。
通称:ファミサポ。(ちゃんとHPもある)
急な残業で保育園の閉園までにお迎え間に合わない〜!
ってときとかにファミサポさんにお迎え代行をお願いしているってのは日常的な光景でした。
(私もいざというときのために利用登録だけしてました)
さて、そんな都会から佐久穂に移住してきてみて、
田舎は保育園に入るのにそんな条件厳しくないというのもあり、
ジジババヘルプがむしろスタンダードな光景に最初はびっくりしました。
ジジババと同居や敷地内同居、あるいはジジババが町内の近隣在住って方も多いんですよね。
祖父母参観の日もあるくらい、ジジババの育児参加率の高いこと。
あと一番驚いたのはジジババの若さ!
(ママかな?と思ってた人がおばあちゃんだった…!ってこともw)
より多くの大人の手を借りられた方がやっぱ子育てしやすいよねってことで、
Uターンしてくる人もいます。
助けがあるからかなのか、子沢山も多いです。
そんな田舎の風潮とは矛盾して、
私は逆に、実家のある神奈川を離れ佐久穂に親子二人だけで移住をしてきました。
先日、信州大学の先生たちと一緒に
「佐久穂の未来をどう考えるか」
ということを学術的アプローチを用いて研究するという会に参加しました。
学術的に物事をあまり考えたことがない私にとっては頭痛くなるけどとても新鮮。
ただこれ、夜なんです。19時〜21時。
(佐久穂の町立保育園は19時まで)
第一回目の前回は神奈川の実家から母が佐久穂に来てくれたので、
ババヘルプで留守番を頼めたのだけど、毎回呼ぶわけにもいかないし。
頼れる先がどこかないか探して、役場の子ども課にも相談して、
横浜で言うところのファミサポのような「ふれあいサポート」というのがあると紹介してもらいました。
これは、佐久穂町社会福祉協議会が、
助けを必要としている人に登録サポーターさんをマッチングをしてくれ、
住民同士での助け合いを促してくれるというもので、
別に子育てに特化したものではありません。
むしろジジババヘルプが当たり前の佐久穂においては、
子守りをお願いするという人は少ないみたい。
登録料300円で、利用料は1時間600円+交通費。
(ただし町民に限る)
今回運良く、その日のその時間帯で、
6歳男児と二人で留守番を頼まれてくれてもいいよというふれあいサポーターさんがいてくれて、
勉強会に参加することができました。
偶然にも一度町内でお会いしたことのある方で、とても優しい方だったので安心して出かけられました。
2時間半ずっとつきっきりで、6歳男児に向き合ってくださったようで、
帰ってきたら二人で爆笑していて、すっかり打ち解けていました。
「今度はおばあちゃんちにおいでね」とも言ってくださいました。
佐久穂町にもおばあちゃんができた。
困ったときに頼れる先ができた。
今回その安心感を得られたってことが、私たち親子にとって何よりよかった。
そんないい方とふれ合う機会を持てたことがよかった。
思い切ってお願いしてよかった。
もちろん、謝礼として規定の代金はお支払いしましたが、
社協の方曰く、
「これは「サービス」ではなく、あくまでお互い様の助け合いを促すシステム」
とのこと。
困ったときに助けてもらって、
でもそれを当たり前に受けられる「サービス」と勘違いしちゃいけない。
してもらうばかりになってはいけない。
助けてもらった恩を返せるような人に私もなりたい。