スパイスキッチンモルチャン 幕内純平さん/初出店者インタビュー
今年度から、さくほリビングマーケットに初出店した方のインタビュー記事の連載が始まりました。なにかにチャレンジしている人たちは、どんな思いをもって活動しているんだろう?背景にあるストーリーをお聞きしました。
――さくほリビングマーケットに出店してみてどうでしたか?
実は7月も出ようと思っていたのですが、申し込みそびれてしまい(笑)次回は必ず、と思っていたので良かったです。前職を退職して本格的に店を始めたのが9月からなので、もっと知ってもらいたいという思いでした。完売できて、遠くから来たお客さんにも食べてもらえてうれしかったですね。10月からは、毎週木曜日にKOKYUで出店しています。
――スパイスキッチンモルチャンのカレーの特長は?
作っているのは「自分が食べたいと思うカレー」です。わたしが好きなのは南インドの料理。インドって広いので南と北で全然食文化もちがうんです。一般的な「ナン」は北の料理ですね。南は「ミールス」という、お米と何種類かのカレーがワンプレートに盛られていて混ぜて食べるものが主流です。ココナッツミルクとスパイスが使われていて、胃にもたれない感じのサラッとしたカレーなんです。
――インドがお好きなんですか?
20代前半の頃、バックパッカーでインドやパキスタン、ネパール、中国などを回っていて、インドには4回行きました。あの「自分にはどうにもできない」カオスな感じがおもしろかったんです。3回目は、屋号にもなっている「モルチャン」という楽器を教わるためにインドへ行きました。
――モルチャンって楽器なんですね!
そうなんです。「モルチャンって誰ですか?」ってよく聞かれるのですが、インドの楽器の名前なんです。真鍮でできた口琴(こうきん)で、びよ~んと響くおもしろい音色です。かれこれ20年くらいやっていて、奏者としてライブや演奏会に出ることも。
――カレーの作り方はどこかで学んだのですか?
カレーの作り方を教わったことはありません。インドにいる間はなんとなく食べていたのですが、ある程度、長い期間居たので、無意識にその味の感覚が身に着いたんですね。それを思い出しながら作っている感じです。もともとは、友人を家に招いてカレーパーティーを開いたり、趣味の範囲で作っていました。でも、10年以上もやり続けているということは、やっぱり好きなんですよね。
――楽器も食も、自分のものにされていますね。
モルチャンの演奏ってとても即興的なんです。自分も、その場限りの空気がつくりだす即興演奏が大好き。未来は予測できないし、どうなるか分からない。インドを好きになったのも「自分にはどうにもできない!」という空気に魅力を感じたわけですから。そう、だからインド料理にも「即興」の要素があるですよね。今日はちょっとこのスパイスを多めにしようとか、味も変動していく。いつも同じ味じゃないって、お店としては良くないのかもしれないけれど(笑)それが、今の自分にとってやりやすいスタイルだな、と思います。
――これからの夢は?
今、八千穂高原の別荘地に住んでいるんですが、キッチンを店舗仕様に改装したので「森の中のカレー屋さん」として、来年の春、夏は営業したいですね。辺ぴなところにあるけれど、季節限定のカレー屋さん、おもしろいんじゃないかな。家の前に川が流れているんです。その音を聞きながら、緑の中でカレーを食べるって、なかなかいいシチュエーションだなと思っています。
writer 細川敦子
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Spice kitchen Morchangスパイスキッチンモルチャン(@spicekitchenmorchang) • Instagram写真と動画
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