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自在堂(自家製はちみつ) 松村和順さん/初出店者インタビュー

さくほリビングマーケットに初出店した方のインタビュー記事を連載しています。なにかにチャレンジしている人たちは、どんな思いをもって活動しているんだろう?背景にあるストーリーをお聞きしました。

”Be You,Be Local”をコンセプトに、このマチらしさを実感できる場として、レストラン自在堂を準備中の株式会社TANEBI。リビングマーケットでは、自家製はちみつやレモンスカッシュ、自家製焼き菓子の販売を行いました。代表の松村和順さんに、これからの展望についてもお聞きしています。

——さくほリビングマーケット(2024.8)出店してみていかがでしたか?

はちみつを試食してもらったりしながら、佐久穂町のいろんな方とお話できてよかったです。佐久は、わたしたちが高校時代を過ごした場所。いつかは故郷で自分たちが学んできたことを形にできたらいいなと思っていたので、こういったコミュニティを大切にしたマーケットで自家製はちみつやレモンスカッシュを販売できてうれしかったです。

——自在堂の皆さんは、高校の同級生なんですよね

はい。佐久長聖高校(当時は佐久高校)の同級生三人です。卒業後はそれぞれ違う道を歩んでいました。東京でシェフになった者、地元で公務員になった者、わたしは東京で映像制作の仕事に携わってきました。


シェフの徳田史岳さん

——それぞれにキャリアも異なる中、長野に帰って新しいことをするって大きな決断でしたね。

きっかけは、やはりコロナ禍ですね。わたしは東京で働いていましたが世の中の流れがガラッと変わって。仲間とも、いつかは故郷で何かできたらいいな、いつかは農業もやってみたいな…ということはぼんやり話していたのですが、それを現実的に考える出来事も突然やってきて…。

——突然、ですか?

仲間の一人から「義父が亡くなり、所有していた佐久穂町の畑と古民家の継ぎ手がいない」という電話がかかってきたんです。ゆっくり考える時間もないまま、じゃあ自分たちがやってみるか!となりました。

——すごい決断!そして、タイミングが揃ったという感じですね。これからの構想は?

昨年から畑で小麦や野菜を育て始め、仲間の一人の家業でもある養蜂も行い、2025年の4月には佐久穂町の高野町にある古民家を改装してレストランをオープンする予定です。薪火(まきび)を使って調理した肉や野菜の料理を提供します。テーマは「野山に駆ける、食の冒険」。佐久穂町はフルーツもたくさん採れるので、手づくりジェラートも作る予定です。千曲流域の食材を使って、薪火でどんな表現ができるか挑戦中です。

——薪火料理、というのは新鮮な響きです。豊かな食材をどんなふうに表現するかで、新しい味にも出会えますね。

調理法で食材の味って本当に変わってきます。それぞれの季節の旬の食材はもちろん、形がおもしろい間引き野菜なんかも使っていきたいです。

佐久穂には、こんなにおいしいものがあるよ!と自慢したくなるような。いつでも、どこでも、だれでも食べられるものじゃなくて、ここ(佐久穂町)でしかない感動を味わってもらいたい。

食べたことのないものって、おもしろい。それって冒険ですよね。だから、お客さまには味覚で野山を駆ける経験を味わってもらいたいなと思っています。

——だからテーマが「野山に駆ける、食の冒険」なんですね!店名の「自在堂」というのも、おもしろい名前ですね。

「自在」って、仏教用語なんです。「束縛から解き放たれた境地」といった意味があります。

誰かの価値観は、自分を縛ることにもなります。
自分らしくあるって、いい意味で自分勝手であることだと思うんですよね。
自分の「これがやりたい」という気持ちに従って、形にしていく。
そういう在り方を、これからも体現していきたいなと思います。

https://www.instagram.com/jizaido_sakuho?igsh=ZGlyMWJ5eWcxN2xo

writer 細川敦子

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