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離職を防ぐため、働くひとの共通点を探る。

人手不足というご時世。求人募集してこないうえに退職者が後を絶たない。給料の安い沖縄では、少しでも賃金の高いところへと退職が続く。しかたなし。

「あたりまえだ」と言ってしまえば、それでおわり。体力のない会社は簡単に賃金を上げれないし、在職しているひとの賃金との兼ね合いもある。小さいからこそ、気を付けないといけない。あとから入ったひとのほうが待遇がいいとなっては、もともこうもない。

今後の離職対策として、辞めるひとに退職理由を聞き、改善の参考にすることもある。

例えば、プロダクトを通じてアンケートが送付され、体調はどうですか、仕事にやりがいはありますかなど質問に回答します。その結果をもとに「あそこの部署はパフォーマンスが落ちているから対策が必要だ」など話し合われるようです。(中略)転職を決意してから、すべての選択肢に5段階評価のうち「5」、すなわち「とても良い」を選択するようにしました。転職したい意向が、アンケートを通じて上長に明らかになってしまうのを避けたかったのです。

データ分析力を育てる教室

これはこの本の作者が勤めているときに、業務改善のため職場環境や体調などのアンケートに答えたときのできごと。おなじように辞めるひとが理由を聞かれても正直に言うはずもなく、上司や社長も「正直に話していないだろうな」とおもいながらも、頼るものはそのデータしかないから、それをもとに対応を練る。結果、成果が出ない。

辞めるひとでなくても、ひとに質問を受けると建前を答えることが多いらしい。その例がマクドナルドのサラダマック。消費者の声を反映したが求められているものはそうではなかったという失敗例としてよく使われるお話。

当時は健康志向が高く、ダイエット・健康ブーム。アンケート結果は、ヘルシーなものが食べたい、体にいいものが食べたいなど、当時の状況を反映したもの。結果サラダマックを発売。評判は芳しくなかった。

これは人によく見られたい(健康に気づかっている人にみられたい)という心理が働いたと言われている。じゃー、どうすれば?なにを信じれば?

これも有名な話。第二次世界大戦、ヨーローッパ戦線でのできごと。アメリカはドイツ軍の攻撃から、どうやって爆撃機を守るかという課題があった。

帰還した爆撃機の弾痕分布のデータを取っていたので、それをもとに分析。海軍の研究者は、対策として「損傷部分の強化」や「攻撃を受けないよう回避のための軽量化」を提案。しかし機体が重くなるなど問題があった。

そのような意見のなか統計学者のエイブラハム・ウォールドの提案は、帰還した爆撃機の損傷した部分は、打たれても帰還できる、逆に打たれていない部分は、打たれると帰還できない。打たれていない箇所を強化すれば、帰還率が高くなると分析。かしこい。

見えている(生存している)データのみ注目して、見えていない(生存していない)データを考慮しないことでおこる不完全な結果、いわゆる生存者バイアスの一例ですね。

これを離職対策に使えないかなと思案。パッとおもいつくのは、退職した人に話を聞くことも大事だけど、残っている人に話を聞く。いままでも離職防止のために従業員にアンケートを取ることはあったと思う。

アンケート内容が「満足度」をあげる目的の質問であれば、サラダマックのようになるかもしれない。その結果の対応は、おそらく福利厚生の充実を図るとか。でもその回答は、建前の回答。

それより、「なんでここで続けているか」を聞いたほうがいいのかもしれない。あー、でもこれも建前の回答になってしまうか・・・。

ひとに聞かないで、事実だけをとらえるデータはなんだ?残っている人の共通点を探すとか。たとえば、残った人には、小さな子供がいる人が多い。会社も休みやすい制度がある。という2つの事実があって、これらをふまえて、当日でも休めるようにするとか?

ほかには・・・、いっそのこと辞めなさそうな人を雇う。残っているひとと似た特徴や状況をふまえて、ひとを雇う。ターゲットとなるお客さんをしぼるように、応募してくる人をしぼる。入社してくれるひとの確率は低くなるけど。

そんな都合よく机上で考えたようにいかないしねー。許認可が必要な業種なら、資格持っている人が必要だったりするから、なおさら無理。

うまくいえないけど、離職対策より継続対策。なぜひとは辞めるのかではなく、なぜひとは続けるのかを考えて対策たてるのもありかなーと思っただけでした。おわり。


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