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言い訳

背表紙と目があったので
金木犀の香る日の夜に
金子みすゞの詩集を読んでいた

そこには
これまでわたしが伝えたいと思ったことと、
これからわたしが伝えたいと思うことが、
静かにあたたかく
詩として描かれていた

どうしてこんなに広く伝わってるのに
争いはなくならないんだろう

ーーー

どんなに思いを巡らせても
テレビから聞こえてくる「If I must die...」の詩に
こたえられないわたしも加害者


偽善者のくせに新しく、
そしてより下手なモノをつくるなんて
よくもまァそんなことを言えるもんだ

ここに同じ思いの人間がいると
小さな白い凧を揚げることすら
できないくせに



参考

金子みすゞ名詩集 


絶望的な状況が続くパレスチナ・ガザ。そこで生まれた一編の詩が、いま70以上の言語に翻訳され、世界を駆け巡っている。この詩を書いたのは“言葉による抵抗”を掲げてきたガザの詩人リフアト・アライール。「私の物語を伝えてください」と語るその詩は、詩人の死と共に世界に拡散した。“戦争”という暴力を前に、言葉は抵抗の力となりうるのか。詩人が言葉に託した思いとそれを受け取った人々の姿をドキュメントする。

NHKスペシャル「If I must die ガザ 絶望から生まれた詩」より 

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