世界は暗号に溢れている

いまこの瞬間も私達の周囲では、目には見えないけれど誰かに宛てたメッセージが電波や信号に乗って飛び交っている。


でも、それだけじゃなくて、普段私達が目にしたり耳にしたりするオープンなものの中に、特定の誰かにだけ解読できる暗号が仕込まれている事がある。

例えばコンビニでたまたま聞こえてきた曲や、ふと目を留めたポスターのイラスト、お気に入りの小説やテレビドラマや映画、あらゆる芸術は暗号じかけだったりする。

それは、もう連絡の取れなくなった人へ宛てて、どうしても伝えたいメッセージを作品という媒体に乗せて、その人の元まで届くように念を込めて放たれたのだ。

そしてもしその作品が、たくさんの人の心を打つものであれば、人づてにその作品は広まっていく。
こちらは良い作品を世に広めようというつもりなのかも知れないが、実はこちらが作品に操られ、中に仕込んだメッセージを作品ごと拡散させられているのだ。


たまたまつけたラジオから誰かのリクエストで流れてきた曲が、自分宛のメッセージだと知る。
もしかしたら今日、そんな体験をしている人がどこかにいるのかも知れない。


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