物語の作り方

物語を作っている。
でも、頭で物語を考えているのではない。

自分の人生の中に物語を引き起こし、
そしてそれを写し取るのだ。


あるとき面白い出来事に遭遇し、
それを書き留めたことからそれは始まった。

いつしか、これは面白い展開になりそうだという筋書きを自ら選択して生きるようになった。

とは言っても、だいたいその通りには行かない。
だけど、いつも最後はこちらで考えた脚本よりも数倍エキサイティングで信じられないようなエピソードを絶妙なタイミングで差し込みながら、予定より数段素晴らしい目的地に着地する。

この選択をするようになってから、物語に強烈な影響や印象を残す共演者に出会うことが多くなった。
私の物語は、この極限まで研ぎ澄まされた独自の世界を持つ人達の物語と言ってもいいのかも知れない。
その世界の引力に抗うことができずに惹き込まれ、私は人生丸ごと巻き込まれる。
そしてその世界を内側から体験し、書き写す。

写真を撮ることに似ている。
ただ淡々と写し取る。

きっと私はその世界の持つパワーに操られ、そうさせられているのだろうと感じている。
だから私は創造者や表現者なんかではなくて、翻訳者や媒介者だと思っている。























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