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友人の国で100人超の死者を出す大規模デモ活動

マレーシア留学146日目。

現在バングラデシュでは「1971年独立戦争に参加した軍人の家族に公務員職の三割を割り当てる制度=Quota system」を巡って学生を中心に大規模抗議活動(暴動)が行われています。

今日7月20日時点で105人以上の死者と大量の負傷者を出していて、バングラデシュ人の友だちの友人の一人も残念ながら亡くなってしまったみたいです。

政府は夜間外出禁止令を出して公共交通機関や国内の通信サービスを停止。友だちは故郷にいる家族と連絡が取れない状況にあります。



事の発端は2018年、政府はQuota systemに反対する学生の大規模デモを受けて同制度の廃止を決定しました。ところが2024年6月に高等裁判所が政府の廃止決定を覆したことで学生の不満が再び爆発し6月から現在までデモが行われているという現状です。(最高裁の判断は8月上旬)
【7/21追記】
最高裁は判断を前倒し、退役軍人家族にあてる割合を30%から5%へ大幅に縮小する決定を下した。
だがデモを率いる学生団体は「最高裁決定を歓迎する。しかし、政府がわれわれの要望を反映した命令を出すまで抗議をやめない」とデモ継続の方針を示した。

事態が悪化したのは7月15日。首都ダッカ大学で学生らと警察が押し合いになり学生側に100人以上の負傷者が出てしまいました。
翌日にはバングラデシュ全土の大学で学生と警察の暴力的な対決が起きて6人が死亡。
そうして日がたつごとに対立は激化し死傷者も増加。
7月19日にはデモ隊が刑務所を襲撃して受刑者が世に解き放たれたことで政府が全土に夜間外出禁止令を発出及び軍の出動を決定。
現在では学生を中心に105人超の犠牲者を出してしまっています。

【学生の主張】
・Quota systemは不公平で差別的であり政府は個人の能力で採用すべき
・独立運動を主導した現与党の支持者にQuota systemが適用される退役軍人家族が多いため与党が選挙対策として利用している
・当初は政府と対話しようとしていたが犠牲者の増加で態度を強硬化させ今のところ政府との対話には応じない姿勢

【政府の対応】
・催涙弾、ゴム弾、閃光手りゅう弾などでデモ鎮圧を図る
・学生らを支援する野党本部に押しかけ学生活動家を複数人逮捕
・公共交通機関の停止
・夜間外出禁止令
・国内のインターネットを遮断
・軍による治安回復を目指す
・学生に対話を呼びかけ

【備考】
・例年約40万人の大卒者が3000の国家公務員職を争っている
・若年層の失業率は40%
・最大野党は学生らを支持、国民にデモ活動を支援するよう呼びかける
・今年1月に行われた総選挙では野党が与党による不正選挙を主張しボイコット。与党が勝利しハンナ政権が4期目を決める。

【大学のバングラデシュ人の友だち】
・前々から首相と与党は腐敗していると批判
・デモが始まってからは下のような画像をインスタのストーリーで多くシェア

警察により6つの音響手りゅう弾が投げられ1人の学生の命が奪われた
バングラデシュは第二のイスラエルだ
「学生の安全を最優先に」というハンナ首相を皮肉る
マレーシア国内のバングラデシュ人留学生に国際イスラム大での抗議活動を呼び掛ける文章
友だちは授業を欠席して参加

「大量の学生が死傷し緊急処置を受けている動画」や「学生らがパトカーを襲撃し警官1人をリンチする動画」などを見せてもらいましたが、見るに堪えない相当酷いものでした。

XでBangladeshと検索すればバングラデシュの現状の画像がたくさん出てきます。

きれいごとですが、学生と政府のどちらにも言い分はあるのでしょうがひとまず落ち着いてこれ以上死傷者が出ないよう、そして友だちの家族や友人の無事を祈るばかりです。

【参考】
バングラデシュで大規模デモ これまでに学生など105人死亡 | NHK
バングラデシュ全土に夜間外出禁止令発出へ…政府はネットを遮断、デモ死者105人に : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
Bangladesh unrest: Government imposes curfew as protests continue (bbc.com)
What to know about the violent protests over government jobs roiling Bangladesh | AP News


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