静かで地味な毎日の中に
朝起きたら、朝ごはんを食べたり食べなかったり。
洗濯機を回し、家中を掃除機。その後クイックルワイパーで家中を拭いて、足の裏に何も付かない床を今日もキープ。
洗濯が終わり、今日もカラッと乾くことを楽しみに2人分の洗濯物をベランダに干す。気持ちよく晴れた日は
お布団も干して、寝室の窓を全部開けてお香を炊く。
夫が家を出る時は後ろを追いかけて「行ってらっしゃい」を言い、私が玄関のドアを閉める。
毎日こんな感じのルーティーンを繰り返す。
少し気持ちが落ちてなんとなく適当にルーティーンをこなす日が続いた。
テーブルの上はチラシや書類が散らばる。掃除機はかけるけどクイックルワイパーは省略。真っ青に晴れているけどお布団は干さない。
夫が家を出る時も何か家事をやりながらその場で
「行ってらっしゃい」を言い、ひとりでに閉まる玄関のドアの寂しくて重たい音を聞く。
普段は昆布と鰹でとるお出汁も今日はだしパックでいっか。と、大事に愛を持ってやっていたこだわりを全て省略。
そんな日を繰り返していると、少し落ちていた気持ちはどんどん落ちていく。
憂鬱な気持ちが先か、散らかった部屋が先かという話だけど、何も考えず繰り返していたルーティーンは私の中の大きな拠り所になっていた。
家事のマイルールも体の一部のような存在だった。
やらなくても良いけど、やりたくてやっていた事は、なり続けるべきだった。
同じことを繰り返す単調な毎日だけど、そこには私の役割があって、私のこだわりがあって、私という人間の存在を表現できて、いつもと変わらない日常の大切さを感じた。
当たり前なんてほんの小さなことで崩れる。だから見落としてしまいそうなぐらい静かで地味な毎日を甘く見てはいけない。
静かで地味な毎日の積み重ねの中に、平穏や、幸せは隠れている。
ルーティンが苦手だった私が、ルーティンに助けられる日が来るなんて。
今日も静かで地味な、あたたかい1日をスタートさせる。