日々、思考。

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夜泣きという戦争が終わった話

本当に長かった。気が狂うかと思った。 もしくは既に狂っていたかもしれない。 息子を産んで1年4ヶ月を目前とした3月30日、 初めて、息子が20時から朝5時まで通しで寝た。 朝起きて、目が合う息子に 「頑張ったね。」と言った。 私達、頑張った。 新生児の頃の方がまだ楽だった。 3時間くらいの間隔だったし、 私はもちろんまだ仕事も復帰してなかった。 息子の身体も、ちょっと力を入れたら 壊れてしまうんじゃないかというくらい軽く、 泣き声も、今思えば 可愛い囁きだった。 当時

    • 苺を送ってくれる母の話

      時期になると、母はたくさんの苺を送ってくれる。 私の実家は、家電を買う時に「とりあえず1番高いやつ」と言う揃え方をする程度にお金に困っていない家ではある。 一方、我が家は1番安く卵を仕入れるためにスーパーを梯子するくらいの生活水準なので、 旬な苺が届くのを毎年たのしみに過ごしている。 私の、血縁がある父、所謂「実の父親」は、お金を稼ぐ事に向いていない人だったらしい。 闘争心競争心があまりなく、よく言えば穏やかで優しい、悪く言えば嫌な事から逃げる人だったようで、出世にも

      • 15年会っていない血の繋がった父の話

        生後半年になる息子。 ぐずぐずと泣く彼を、ゆらりゆらり抱いて 大して広くもないリビングを何往復かした後 1時間程が経ち、やっとの思いで寝かす。 ふぅ、と一息ついて私も隣で横になる。 その寝顔を見て心の底から"愛しい"と思いながら 目を閉じ、意識を手放した。 ************** 誰かの葬儀だった。人がたくさん居る。 不機嫌そうな父となにやら落ち着かない様子の母が古いパイプ椅子に座って何かを待っている。 傍には、ベビーカーですやすや眠る息子が居た。 遠く、遠くに見