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推しのジェンダー観がしんどいって話

はじめに 

こんにちは。朔です。

前回の向井康二くんお誕生日お祝いnoteを読んでくださった皆さん、リアクションをくださった皆さん、本当にどうもありがとうございます。とても励みになりました。


さて、今回のnoteも康二くん(とSnow Man)について書きたいと思うのですが、まずは私から皆さんにお聞きしたいことがあります。



皆さんは「推しのジェンダー観がしんどい」「推しの女性観、女性に対する意識の低さがしんどい」と思った経験はありますか?(唐突)


私はあります。めちゃくちゃある。
Snow Manに出逢って、スノ担になって早4年。
Snow Manメンバーのジェンダー関連の発言で(リアルに)頭を抱えたり、眠れなくなったりした日は私の両手両足の指を全部使っても足りないくらい。
今もその傷は癒えていないし、その痛みを無視せず正面から見つめながらオタクを続けるの、はっきり言ってめちゃくちゃしんどいです。

今回は、そんなしんどさを文字に起こしてみて、自分の心の中を整頓したり、皆さんとまた気持ちをシェアしたいという思いで筆を取りました。

最後までお付き合いいただければ幸いです。

それでははじまりはじまり〜。

私の自担のジェンダー観

私の自担は、前回のnoteを読んでくださった方ならご承知おきの通り、Snow Manの向井康二くん。
1994年6月21日生まれ、奈良県出身。
2006年に小学5年生という幼さでSTARTO社(旧ジャニーズ事務所)に入所し、関西Jr.の一員となった。

関西Jr.の番組『まいど!ジャーニィ〜』(通称まいジャニ)など数々のバラエティ番組、ステージ、舞台で活躍し、2019年1月にはSnow Manの新メンバーとしてグループに加入した。

そして2019年8月8日のSnow Man・SixTONES同時デビュー発表を経て、2020年1月22日、『D.D/Imitation Rain』でCDデビュー。
デビュー以降の活躍も目覚ましく、特技で趣味でもあるカメラを活かして『AERA』で連載を持ったり、自分から積極的に演技仕事にも挑戦し『特捜9』シリーズ、『リビングの松永さん』『マウンテンドクター』などなど数々のドラマで名バイプレイヤーを務める。

そしてなんと言っても、康二くんの主戦場といえばバラエティ番組。
メンバーの目黒蓮くんと共にレギュラーを務めた『アイ・アム・冒険少年』(現在はレギュラー放送終了)、「マッサマン」として今年のフジテレビの夏の顔になった『ドッキリGP』ほか、数々の番組で爪痕を残している。
Snow Manのメンバーの中でも、常にテンションが高くてくるくると変わる愛嬌たっぷりの仕草でメンバーや共演者に甘えてみせる人たらし。愛されボーイ・向井康二だ。

康二くんの紹介はこんな感じでいいかな。


さて、私が今ここで話したいのは、タイトルにもある通り自担(つまり向井康二くん)のジェンダー観がしんどい、っていう話。
一体彼のどんな発言が、行動が、私に「しんどい」と思わせるのか、その辺をちょっと掘り下げてみます。


と、本格的に本題に入る前に、以前のnoteでもお話しした、私がいわゆる「全肯定オタク」ではないことを再度ご了承くださいませ。STARTO ENTERTAIMENT(旧ジャニーズ事務所)、自担であるSnow Man、向井康二くんへの批判的な視点を多分に含んだ記事になっております。


1.「ゲイ雑誌の連載」発言

私が康二くんのジェンダー観に「あれ?」と思ったのは、実は康二くんを推し始めて間もない頃のことである。
友人の影響でSnow Manを好きになって、康二くんに出逢って、私はとりあえずYouTubeにアップされているJr.やSnow Man公式の動画を見漁りはじめて、どんどん康二くんの魅力を知っていく日々が始まった。
(そんなこと実際には不可能だけど)康二くんの全てを知りたい!という気持ちで、検索エンジンに「向井康二」と打ち込んでは検索結果を閲覧し始めた。

そんな時目についたのが、「向井康二 失言」というワード。
うわぁ、人気のアイドルによくある悪意あるまとめサイトだなぁ、ちょっとした発言をすぐ切り取られて拡散されて、アイドルって本当に大変な仕事だなぁ。
なんてことを思いながら、何の気無しに記事をタップした。

そこに書かれていたのは康二くんのこんな発言。

正直、一瞬言葉を失った。今自分が何をしているのかさえ分からなくなりそうだった。

自分がSnow Manを知るよりも前に開催されたコンサートのMCのレポ。そこにあったのは、ゲイ雑誌を面白コンテンツとして扱って笑っている好きな人の姿。

「ふっかさんも連載来ますよ。ゲイ雑誌とか」との発言は、確実に深澤さんからの「おいおいおい」というツッコミ待ちの発言だろう。
これに対して「なんでだよ!普通の雑誌も欲しいわ!!」と応える深澤さんもひどい。「普通の雑誌」って何だよ。
この応酬を間近で見ていたであろう他のメンバーも、会場にいた多くのファンも笑って見ていたのだろうか。吐き気がする。今はそんなことを考える。

ゲイ雑誌を面白おかしくネタとして扱って、他メンバーをイジる材料になると思ってる康二くん。最低だ。
彼のファンになったばかりの私は、大きな戸惑いと悲しみを抱えながら向井担を始めることになった。

2.「下着が見えてたから面接受かった」発言

お次はラジオでの発言。前項と同じく、「向井康二 失言」の検索結果から私が見つけたものだ。

(私がSnow Manデビュー後からのファンである以上、それ以前のメンバーの発言、行動についてはソースをこのようなまとめサイトに頼らざるを得ないこと、何卒ご寛恕頂きたい。)

2019年7月19日放送のNHKラジオ『らじらー!サタデー』での発言。ことの顛末は以下の通り。

「ヒヤッとした話し」というトークテーマのもと、就職活動の面接の際にスーツのチャックが全開になっていたというお便りに対して、
「(投稿者は)女性?それならそのおかげ(チャックが全開で下着が見えていた)で受かりましたね。審査員の人もうおーすごー!って」

https://tachibanaayaka.com/mukaikoji-brew-up/


………最低だ。「最低」以外に言葉が見つからない。
努力して勝ち取った就職活動の結果を、「下着が見えていたからだ」と嘲笑う女性蔑視。
女性の性的モノ化にもつながるこの発言には、さすがに嫌悪感を抑えきれなかった。
記事によれば、この後共演していたメンバーの岩本照くんが「他の性格だったり色んな面を見て採用してくれたと思うよ」とフォローを入れたと言うが、個人的には同じグループのメンバーとしてもっとキツめに注意を入れてほしかったなと思う。
このラジオはなんと生放送だったらしいが、この発言はスタッフ間で物議を醸したり視聴者からも苦情が入ったのか、聞き逃し配信では発言部分がカットされていたそうだ。

SNSで観測したところ、康二くんのこれ系の発言はこれが初めてではなかったようで、「周りの大人がちゃんと指導して、っていうか康二も何回目なの?」との声が見られた。
それには完全に同意するし、康二くんは2019年7月の時点で25歳。立派な社会人として数えられる年齢だ。たとえば一般の会社に就職して公の場でこんな発言をすれば一発アウトだろう。
「ゲイ雑誌の連載」発言と同じく、またしても康二くんの言動によって私は戸惑い、悲しむことになった。

3.ザ少年倶楽部、パイスラ発言

今度はテレビでの発言。デビュー年である2020年の秋、出演したNHK『ザ少年倶楽部』で事は起こった。

河合郁人くんが司会を務めるトークコーナーでのこと。「ドキッとする女性の仕草」というトークテーマで、康二くんはまたしても女性蔑視発言を連発。

カバンとか斜めがけにする女子、いるじゃないですか。「胸スラッシュ」ですかね?NHK用語的には。あれはもうダメよ!こう変える(カバンの紐を入れ替える)時とか、う〜ん(見ちゃう)と。どういうつもりでやってるんですかね?

『ザ少年倶楽部』

「パイスラ」「胸スラ」とは、女性が肩がけのバッグ紐を胸の間に通している状態を指す。この時、どうしても胸部の膨らみが強調される形となってしまい、女性たちはこの姿を性的に消費されてきた。

「どんなつもりでやっているのか」とは、まるで女性側が性的アピールをして男性を誘っているかのような言い草だ。そして、女性が性暴力被害を訴えた時、「相手が誘ってきた」としゃあしゃあと話す性暴力加害者は少なくない。
康二くんは、女性を性的消費していることを隠そうともしない人なんだなぁ。それを影響力が半端ないアイドルから言われて、女性たちがどう思うか、想像することすらできない人なんだなぁ。

向井康二くんは、ミリオンヒット作を出した大手事務所のアイドルグループ、Snow Manのメンバーだ。そんな自分が「カバンを斜めがけにしてる女性ってエロいっすよね」と発言すれば、ファンダムにも含まれる女性たちにどのような影響力があるのか。どこまでも想像力がなさすぎる。
この、康二くんに限らずSnow Manメンバーたちの「想像力のなさ」についてはまた後述したいと思う。

4.それスノ、スカートめくり事件

お次は2020年3月にスタートしたSnow Man初の冠番組『それSnow Manにやらせて下さい』(通称それスノ)のparavi配信時代に起きた事件。

私はこの事件が、康二くんのジェンダー観を語る上でも特にショッキングなものだったと記憶している。
事件が起こったのは2020年12月4日配信分のリンクコーデ対決にて。事の顛末は以下の通り。

メンバーが女性用のマネキンを使用して思い思いにコーディネートし、現役モデルの女性タレントに順位をつけてもらう、という内容。
ラウールくん(当時17歳)の順位が発表された後、番組のスタッフがこぼれ話として
「マネキンをコーディネートする時、スカートをめくったり中を覗いたりしていた。本当に思春期なんだね」と暴露した。
審査員としてゲスト出演した河北麻友子さんもそれに「かわいい」と反応し、メンバーの渡辺くんも大笑い。
さらには佐久間くん、目黒くん、向井くん、阿部くんが、深澤辰哉くん(当時28歳)に
「(スタジオに置いてあるマネキンのスカートを)めくってみたら」と煽った末、深澤くんが床に寝転んでマネキンのスカートの中を覗いてめくった、
という一幕だ。


(paraviは有料配信サイトなので、YouTubeのようにここに引用することはできません。悪しからず)


「男の子のやんちゃな可愛いイタズラ」「好きな女の子に意地悪したくてついついやってしまうこと」とされがちだが、スカート覗き(スカートめくり)は立派な性暴力、性犯罪である。
ここでちょっと専門家の意見をお借りしてみよう。弁護士の太田啓子さん著『これからの男の子たちへ』より抜粋。

スカートめくり(覗き)は、スカートをめくって下着を露出させたり、下着を覗いたりする行為で、同じく性暴力であるカンチョーよりも更に性的な意味がはっきりした立派な嫌がらせであり、被害者の心を深く傷つける暴力です。

太田啓子『これからの男の子たちへ』

たとえマネキンでも、それは現実に存在する女性を模したものであり、
当時未成年とはいえスカートをめくったり中を覗いたりするのは不適切な行為で、現実の女性に同じような事をすれば、それは紛れもない性暴力だ。

実際に私は中学1年生の時男子にスカート覗きをされ、
「スカートをはいてたら男子は覗くもの。スカートをはいているほうが悪い」と責められたことがある。
それ以来、なぜ制服でスカートをはかなければならないのか悩み続け、その一件以来、私服でスカートをはくことができなくなった。
その出来事から10年以上経った今も、ずっと心の傷になっている。

スタジオのメンバーも、最年少であるラウールくんの行動を咎めるどころかそれを茶化すような行動を取ったことが本当に残念だ。
スタッフの「思春期だからスカートめくりをしても仕方ない」という趣旨の発言は、
「お酒に酔っていたからレイプしても仕方がない」というのと同じくらい誤った認識の発言である。

この一連の出来事の主犯格は、先述した通りグループ最年長の深澤辰哉くんである。
しかし、私が一番問題だと感じたのは、ラウールくんがセット裏でマネキンに着せられたスカートをめくっていた時点でそれを止めたり叱ったりする大人がいなかったこと、
そして深澤くんの悪ノリ(悪ノリなどという甘い言葉では済まされないと思うが)を煽ったメンバーがいたということだ。
そして、その深澤くんを煽ったメンバーの中に、漏れなく向井康二くんは入っていた。

ゲラゲラ笑いながら他メンバーと共に「(スカートを)めくってみ!めくってみ!」と深澤くんを煽った康二くん。
以前のnoteに書いたような、可愛くてカッコいい最強アイドル・向井康二とはかけ離れた姿に、愕然とする他なかった。

康二くん、以前に雑誌でも「教室にある物差し棒で、女の子のスカートをめくっていた笑」「スカートめくりしてた」って話してたもんな。
康二くんの中では、スカートめくりなんて大したことじゃないんだ。
康二くんにとってこれは、みんなを「笑わせる」ための、バラエティのノリなんだ。
自分が笑いながら囃し立てているその行為が、どれだけの女性たちの心身を壊してきたかなんて、想像したことすらないんだ。

大好きな自担に、自分の性被害の傷を抉り出される。これほど辛いことは他になかった。

私の性被害体験のことは一旦措いておくとして、この一件から連想される気がかりなことはいくつもある。

2020年12月時点で、Snow Manは発売したシングル2枚がミリオンヒットを記録する大人気アイドルグループに成長していた。
メンバーやグループが雑誌の表紙を飾れば即重版か予約在庫切れ、TV番組に出演すればすぐさま番組のハッシュタグやメンバーの名前がSNSにトレンド入りする、そんな大きな影響力を誇る彼らが、毎日のようにニュースで報道される性暴力の卑劣さについて理解していない。それどころか、バラエティ番組でゲラゲラ笑いながら「お笑い」にしてみせる。

自分たちのしていることが、悲しい性暴力事件を一件でも減らそう、女性の人権や尊厳を守ろうと声を上げ続け努力している人たちが築き上げた成果を、一瞬にして無に帰す可能性さえある振る舞いだと理解していない。

未成年のメンバーも在籍しているというのに、まともな性教育も受けられず、性暴力を「お笑い」のネタとして扱う大人たちに迎合してしまっている。

それスノのこの回の配信直後、スカート覗きの場面がSnow Manのファンダムでどう受け入れられているか知りたくて、私はTwitter(現X)を開いた。そこに書き込まれていたのはこんな言葉。

「スカートめくりしちゃう変態なふっかwすきwww」
「ラウちゃんやっぱり思春期の男の子なんだね」
「スカートめくりごときで騒いでる人はもうファン辞めたらいいと思います」
「スカート覗きのくだり面白かったわ〜」

推したちが性暴力を軽視する風潮に加担したことも本当に本当に苦しかったが、それよりもつらかったのは、同じ気持ちでSnow Manを応援していたはずのファンダムからの「スカートめくりなんて大した問題じゃない」「フェミニズムの人たちに見つかって大事になりませんように」という声だったかもしれない。

もちろん肯定したり囃し立てたりするようなコメントばかりではなく、批判や心配の声も見られた。
その中で私が一番共感したのは以下のようなツイートだった。

「ラウちゃんくらいの年齢の男の子が電車で痴漢するような事件も起きてるのに………大人たちには本当に性教育しっかりしてほしい」

それスノリンクコーデ回配信直後のTwitterより

完全に同意する。私が一番危惧していたのは、当時高校生のラウールくんと、まだ小学生だった天の声のゆさぴょん(矢崎由紗さん)への悪影響だった。
このままでは、ラウールくんは「スカートめくりはバラエティのネタ」「思春期の男の子の可愛いイタズラ」と認識したまま大人になってしまう。
ゆさぴょんは大人たちやSnow Manのお兄さんたちが性暴力をお笑いにする姿を見て、もし彼女自身が性被害に遭っても、「これはお笑いなんだ、笑って許してあげなきゃいけないことなんだ」と認識してしまい、一生心に残る傷を負ってしまう。
それがどれだけ惨いことか、それスノ制作に関わる大人たちは、Snow Manのラウール以外のメンバーはきちんと認識しているのか。本当に怒りが止まらず、許せなかった。今も私は怒っているし、この時の彼らのことを許せないでいる。

Snow Manグループ全体としての話が長くなったが、大好きな自担である康二くんが、性暴力や性犯罪を単なる「お笑いのネタ」のひとつだと思っていること、ラジオでの女性蔑視発言から彼が何一つ変わっていないことを突きつけられ、配信開始からしばらくの間、私は心身の調子を崩して寝込む生活を送ることになった。康二くんのことも、Snow Manのことも、何一つ信じられなくなってしまった。

5.すのちゅーぶ「一重は男を寄せ付けない」発言


さて、最後はSnow Manの公式YouTube(通称すのちゅーぶ)での発言。
私の認識が正しければ、この発言は康二くんが今まで重ねてきた女性蔑視発言の中で、最も大きく「炎上」したものだと思う。経緯は以下の通り。


Snow ManがJr.時代からコンサートやYouTubeで続けている大人気の企画「阿部ちゃん先生」。上智大学院卒、気象予報士の資格を持つ頭脳明晰なメンバーの阿部亮平くんが先生、ほか8人のメンバーたちが生徒に扮し、小学校高学年〜中学校初頭程度の学力を問う問題や、頭の柔らかさがキーとなるなぞなぞ問題を阿部くんが出題して、それにメンバーたちが挑戦していくという内容だ。

康二くんが女性蔑視発言をしたのは、2022年7月27日に公開された「Snow Man【帰ってきた阿部ちゃん先生】決して大喜利ではございません!」の動画内、13分21秒あたりから始まるこんな問題の回答でのことである。

「邪馬台国の女王、卑弥呼の特技は何でしょう?」

https://youtu.be/8VGnMH6E6jk?si=AEEPyTJLWXPKevJ5より


ほかメンバーが「ハイキック」「相槌」「狩り」など個性的な回答をするなか、康二くんはこう答えた。目が一重になっている女性と、ぱっちり二重になっている女性のイラストとともに。

向井:あの〜、卑弥呼さんって美しいイメージがあるの、僕の中で。男を寄せないために…卑弥呼さんの特技、(スケッチブックに描かれた目が一重の女性を見せながら)「一重にする」。一重。で、あの〜、実際は(スケッチブックのページをめくって)こんな感じ(目がぱっちり二重の女性のイラストが現れる)。
実際はこんな感じ(二重)なんだけど、男が寄ってきてめんどくさいな〜と思った時は(自身も目を一重にする顔真似ををして)(ページを戻す)。

同上


康二くんのこの発言については、前回のnoteでも触れた。

瞼が一重だったり、それをコンプレックスに思っている女の子が、すのちゅーぶでの康二くんの発言を聞いた誰かに「一重にして男を寄せ付けないようにしてるの?Snow Manがそう言って笑ってたよ」と笑い者にされたら。
「(やっぱり)私の容姿は人から貶され、バカにされるようなものなんだ」と、鏡に映る自分の顔を見るたびに、自分の容姿を意識するたびに苦しむことになったら。
康二くんは、Snow Manは、どうやって責任を取るつもりなのだろう。いや、彼らに「責任を取る」ことなどできるのか。

正直、この問題に対する答えは出ていない。
テレビやYouTubeや雑誌でいつも最高に可愛くてかっこいい姿を見せてくれる康二くんに「康二くん!!!」とメロメロになりながら、
Snow Man9人のテンポがよくて個性に溢れるトークに爆笑しながら、
毎日のように女性への、女児への性暴力が報道され、「女」を見下し蔑む価値観が蔓延る日本に生きている女である自分が悲鳴を上げている、そんな心がバラバラになってしまうような状況を何度も味わってきたし、その苦痛は今や慢性化しつつある。

https://note.com/saku_0820/n/na1ecd34381e9より


康二くんのこの発言には、女性嫌悪(ミソジニー)と外見至上主義(ルッキズム)の二つの要素が組み合わさっている。

瞼が一重の女性は、二重の女性より劣った存在である。
そのような「容姿が劣った」女性は、男性から相手にされない。康二くんが言いたいのはそういうことだろう。

私は何も、「自担に一重瞼だからモテないなんて言われて悲しいよ〜」と言いたいわけではない。
特定の容姿、女性という属性であるだけで、さも他の容姿や属性の人たちより価値が劣るかのような発言を、大人気アイドルが登録者数200万人超え(当時)のYouTubeチャンネルでしゃあしゃあと発言してみせたことに、怒りが収まらないのだ。

この動画には他にも問題点が含まれている。
先述の「卑弥呼の特技は?」の質問に、「マジこれしかない。裁縫」と答えた目黒蓮くん。
それに対して、大きな声で「女子力!」と叫んだ佐久間大介くん。「乙女かっ!」と寒いツッコミを入れるテロップを作ったスタッフ。

もし卑弥呼が男性だったら、「裁縫」って答えた?
「女子力」って言葉、元Sexy Zone(現timelesz)のマリウス葉くんは否定してたなぁ。

そして、康二くんのミソジニー、ルッキズム発言に大笑いするメンバーたち。
Snow Manには、「女なんてこんなもの」「女はコケにして笑ってもいい」「人の容姿をバカにするって面白い」という価値観が根づいている、という認識でいいだろうか。

こんな差別的な思想を内包したまま、アジア進出、海外進出、「BTSと同じところまでいけると思ってます」(阿部くんの雑誌での発言)だなんて、聞いて呆れる。本当に寝言は寝てから言ってほしい。

康二くんのこの発言によって、Snow Manのファンダム(に限らずTwitter)は大きく荒れた。
「人の容姿を差別するなんて最低」「アイドルとしてありえない」と非難する声。
「私は傷つきませんでした。むしろ笑いました」(あなたが傷つかなかったから、なんなのだろうか。今傷ついた人の話をしているのだが)、「康二はひーくん(岩本照くん)の顔真似をしたかっただけだよ」(自分のやりたいネタのために、人を傷つけてもいいのだろうか)、「関西のノリだよ」(説明になっていない。関西のノリだから、なんなのだろう?)と擁護する声。

この動画が配信されてから約二週間ほど、私は暇さえあればTwitterを開き、喧々轟々の議論たちを見守っていた。
自分のTwitterアカウントでも康二くんを批判するツイートをしたが、正直何度も頭がパンクしそうになり、大好きな自担から本当に惨い女性蔑視、外見差別発言が飛び出したことに悲しみを抑えきれず、一時食事や睡眠もままならなかったほどだ。そして今も、その傷に苦しんでいる。


話は変わるけれど、このnoteが完成した暁には、Snow Manや康二くん、彼らと関わる舞台裏の人たちに届くよう、各ハッシュタグやメンションを使って公開するつもりだ。
もし康二くんがこのアカウントを見つけて、このnoteを見つけて、タップして、ここまで読み進めてきたのなら、まずはその勇気を称えたいと思う。自分にとって、嫌になるほど耳の痛い話ばかり聞かされてきたのだから。

そして気づいてほしい。自分の中に、女性や人の容姿を差別する価値観があるということに。
今まで自分が積み重ねてきた人(特に女性)を傷つける発言の何が問題なのか、メンバーでもいいし、信頼できるスタッフでもいいから、しっかり話をしてみてほしい。
私はこのnoteで、「康二くんのジェンダー観がしんどいよ」と声を上げた。今度は康二くんの声を聞きたい、と思っている。


おわりに-推しのジェンダー観がしんどいって話と、そのほかの話

(このnoteをここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。終わりが近づいてきましたが、いちオタクの取り留めもない愚痴を聞いてくださり、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。
さて、まとめに入ろうと思います。)

ここまで、私の自担である向井康二くんの数々の女性蔑視、女性差別発言の中から代表的なものを取り上げ、「推しのジェンダー観がしんどい」というタイトルをつけてここまで書いてきた。

しかし、本当に問題を抱えているのは康二くん(のジェンダー観)だけなのだろうか。私はそうではないと思う。
ここからは康二くん以外のSnow Manメンバーの、「それってどうなの?」と私が感じたジェンダー関連の発言、行動について取り上げてみる。


ラジオで、「海外旅行に出かけた際、現地の男性からいきなりキスをされてすごく嫌だった」との女性リスナーからの投稿に「嫌だったんだ?」と驚いた声を上げた阿部くん。

雑誌などで一貫して「彼女にスカートはいてほしくない。だって男ってそこ見るじゃん。彼氏以外の男をドキドキさせてどうするの?」と言う岩本くん。
Jr.時代にラブホテルでの飲み会に参加し、未成年の女性が飲酒をしても知らん顔、ラブホテルという性行為ができる場所に未成年を居させたことで性的暴行未遂にまで至った岩本くん。

雑誌で「透明人間になったら何をする?」という質問に「女湯覗くかな」と当たり前のように答えた佐久間くん。
事あるごとに可愛らしい振る舞いをしたメンバーに対して「女子かっ!」とツッコミを入れる佐久間くん。

すのちゅーぶで、VTR中の康二くんの笑顔に「女湯覗いてる時の顔」と言い放った深澤くん。

プロポーズの言葉は?という雑誌の質問に「そろそろ宮舘になってみる?」と答えた宮舘くん。

スカートめくりと同じ性暴力であるカンチョーをメンバーに繰り返していた目黒くん。
滝沢歌舞伎の舞台裏で、後輩が楽しみに取っておいたミルクティーを勝手に飲んだ目黒くん。

ラジオで目黒くんととても仲がいいことを語っている最中に、「(二人が交際しているという)疑惑出ちゃうから笑笑」と言ったラウールくん。

ライブツアーのクリスマス公演で、「この後彼氏と予定とかないって人?ぼっちぼっち!」とファンを馬鹿にする発言をした渡辺くん。
目黒くんがなにわ男子の道枝くんと主演を務めたドラマ『消えた初恋』を見てもなお、
「物理的に男同士でベタベタするのってシンプルに気持ち悪いじゃん」と言う渡辺くん。

私が「康二くんの女性蔑視発言の中で最も『炎上』した」と先に位置付けた「一重は男を寄せ付けない」発言も、康二くんが該当発言をしたあと、周りのメンバーはさらに不愉快なことにゲラゲラ笑っていた。

女性蔑視、同性愛嫌悪、ホモソーシャル…康二くん含むSnow Manたちの数々の言動は、そのような空気がグループ全体に蔓延っていることの証左だろう。

周りの大人たちにも非があると思う。
先述したようなメンバーたちの女性蔑視発言、ホモソーシャル臭が漂う言動を、そのままTVや YouTubeで流したり、雑誌に載せたりする制作関係者たち。
スカートめくりだけでなく、宮舘くんが女性の胸を凝視していたという嘘をでっちあげたり、ロケで出会う女性の年齢や容姿をジャッジする演出を繰り返すそれスノスタッフと、総合演出の吉野真一郎さん。

年若い少年たちをステージに立たせて競わせながら、その裏で性的虐待をしていたジャニー喜多川。それを黙殺し、彼の性的暴行を助長したジャニーズ事務所。事務所と共犯関係にあったマスメディア。

挙げ始めればキリがないほど、Snow Manや康二くんたちの言動は彼ら個人、グループ自体の責任でもあり、周りの大人たちや社会構造がもたらしたものでもあることがわかる。

私は今回のnoteに『推しのジェンダー観がしんどいって話』と名づけ、とりとめもない愚痴をここまで書いてきた。
でも、愚痴だけで終わりたくない。消えてしまいそうでも、見失いそうになったとしても、そこに一筋の希望を見出したいと思っている。

というわけで、もしもSnow Manや康二くんがジェンダーについて考える機会が巡ってきた時、彼らの学びを支える杖となるであろう本を3冊、紹介して終わりたい。



Snow Manと向井康二くんが、アイドルとして、そして何よりもいち人間として、少しでも良い方向に向かえることを心から願っている。
そして私自身も、日々学び、アップデートを続けて、自分の中にある差別感情や蔑視がなくなるその日まで、戦い続けたいと思う。

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