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息子さんにもらった感謝の時間
昨日の記事の続きです。
息子さんが亡くなって
2か月が過ぎた頃
彼女は25年ぶりに
社会に出られたのです。
化粧品会社の開発課で
パートタイムの仕事を始められました。
それには私も驚きました。
大切な息子さんを亡くされ
毎日泣いて暮らされているから
心にポッカリと空いた穴を埋めるには
時間がかなり必要だと
思っていたのです。
しかし彼女は
これからの人生は
僕からママへの感謝の時間だから
楽しんでねと
そう息子さん言われているように
感じたそうです。
泣いて過ごしてはだめなんだと。
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その後もデパートの
海外ブランドの洋服のお店で
働いたりと楽しんでおられました。
そんなある日
少し便秘がちで
疲れやすいのが気になり
漢方薬を飲んだところ
アナフラキシーショックに
なってしまいました。
その時受けた検査で
お腹の腫瘍がわかりました。
息子さんを亡くして
1年10ヶ月後の話です。
詳しい検査の結果
告げられた病名は
後腹膜平滑筋肉腫
悪性の希少がんでした。
進行が早く治療が
確立していない病気です。
すでに手術では取り切れないとのこと。
余命は一年。
セカンドオピニオンで
国立ガンセンターに行かれましたが
手術するにはリスクが大きすぎるので
抗がん剤治療をすすめられたそうです。
やはり余命は一年。
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そんなときサードオピニオンで
千葉県の亀田総合病院を
すすめられ
運命の歯車は回ります。
そしてなんとすぐに入院でき
無理だと言われた手術で
肉腫を摘出できたのです。
全国から患者さんが来ている名医に
出会え奇跡のようにスムーズに
全てが進んだのです。
10時間にも及ぶ大手術。
肉腫が巻き込んでいた臓器も
摘出されました。
この手術ができなければ
一週間以内に亡くなっていたと
あとから聞いたそうです。
それほど危険な状態でした。
生かされていることを
強く実感されました。
息子さんが守り導いておられた
としか思えなかったそうです。
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その大変な手術から三ヶ月後
横隔膜、骨盤内再発。
抗がん剤治療を続けて
すべての髪の毛が抜けたそうです。
どんなに辛く悲しかったことでしょう。
最初の手術から六ヶ月後
再び10時間もの手術を
受けられました。
前回より多くの臓器を切除されました。
ずっと寝たきりだった人生を
常に笑顔で生き抜いた
息子さんとの日々を心の支えに
乗り越えてこられました。
22年間
一生懸命息子さんを育てた時間が
彼女の強い心の芯となり
どんなに辛くても
生きることへの喜びと感謝をもって
いつも前向きに過ごされました。
信じられないくらい強い人です。
頑張りすぎるくらい頑張る人です。
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その後も右鎖骨に骨転移したところや
肺や腹部の再発箇所の
放射線治療を二度入院して
受けられました。
相変わらず入院中も周りの人に
優しく愛を与えておられました。
本当に愛にあふれた人なのです。
闘病中でも体調の良いときは
オカリナ演奏にチャレンジしたり
京都を旅したり
大好きなユーミンのコンサートに
行ったりと
息子さんからプレゼントされた
感謝の時間を大切に丁寧に
楽しんで過ごされています。
そしていつも彼女が沢山の愛を
周りの人に与えてきたから
今は沢山の愛を受け取って
自分をいたわり大切にしておられます。
優しい友達やご家族に囲まれ
幸せの種を見つけながら
笑顔で生きておられます。
息子さんに守られながら。
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左腎臓、左右卵巣、子宮、脾臓、膵臓尾部、直腸、横行結腸、そして人工肛門。
8個の臓器がないのに
彼女は生きておられます。
生かされています。
今日もオカリナを吹く動画を
送ってくれました。
今を本当に大切にして生きている
最高に輝いている
私の愛する魂友なのです。
こうして記事に私が書くのは
簡単なことです。
死を目の前にして
一日一日を
乗り越えてこられた
彼女の時間は
本当は簡単に言葉には
できないのかもしれません。
たくさんの涙を
流されてきたと思います。
私には想像できない日々なのです。
私では乗り越えれないことなのです。
いま体や心が辛い人に
彼女の生き方から
なにか伝えられたらと思い
彼女の許可を得て書いています。
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昨年1月
左上腕部骨折、右膝骨折した私は
彼女の姿を思いながら
手術やコロナ禍の孤独な
入院生活に耐えれました。
そんなのかすり傷ですよ。
最強の彼女とこれからも
楽しいこと
面白いことを
シェアしながら
チャレンジして
楽しんで生きていきます。
今週の朝日新聞に載ったら
つぶやきますので
ぜひ読んでくださいね。
❀菜の花の花言葉❀
小さな幸せ
明るさ
活発
元気いっぱい
今日も長い記事を読んでくださった皆様
本当にありがとうございます。
愛と感謝を贈ります。
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