その声は聞こえないけどこの声は届かないけどそれがなに同じ元素でできているわたしたち 20 saku381 2021年10月26日 21:52 不自由なそぶりが全くなくて いつも笑っていつも楽しそうでだから安心しちゃってた 何気ないほんの一言を聞くまでは 絶好調に見せているその誰にも見えない内側に 密かに静かに涙は流れ落ちている 傷む血は静かに流れ落ち続けている 家族であってもできる事は少ない まして他人にできることなんて 迷惑な余計なお世話に過ぎない こんにちは今日もいい天気だね せいぜいそんな声をかけるくらいしか そう思ってみて初めて気がつく こんにちはいい天気だね わざわざ近づいてきてそれだけ言って通り過ぎて行った人 あの人たちって 心配していてくれたのだろうか なんだろう一体とずっと不思議だったけれど 思いも行動も ありありと見えている事はなくても 発現すれば時空に作用せずにはいない ナニモノともつかなくとも 取るに足りない思いは取るに足りないのがいいのだ 山中の木は電飾で彩らないのがいい 排水溝に伸びる水引草 ひたすらに日を取り込む草々 葛の種 取るに足りないものしかない 地球のほとんどすべては取るに足りなさで出来ているのかも 道の真ん中に生えてタイヤに踏まれなかった草 伸び仕切る笹 ツリガネニンジンの種 小さな日差し 南国の日常 意味を求めれば意味を求めるための 意味がないと思えば意味がないと思うための 10月末の桜 刈田のアヤメ 聞こえない声を聞こう 届かない声で呼びかけよう 二度とない今を費やすにふさわしい #写真 #詩 #山野 20 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート