薄明の真夜中 薄明の真昼 56 saku381 2021年3月8日 20:50 夏 1月 南極半島 薄明の真夜中 湿った空気は動かない どこかで氷のきしむ音 短く高く届くのは 鳥なのか海獣なのか 夢を見ているような声だ 一般人がのこのこと こんな最果てまで来て良いのかと 来たかったんだけど来れて嬉しさ最大級だけど 薄明の真夜中の静けさの中に氷が崩れる音色が響くとき 生き物ではない世界に踏み込んでしまったかの恐れ 肺に触れる空気は澄んで柔らかく優しく 氷の大地とは思えないほどに柔らかく まだ人類がいなかった頃の地球かもしれない 私たちは無自覚に地球にもひどいことをしてきてしまったかもしれないけれど そんな私たちだからこそ やりなおせるはず 一緒に未来へ行きたい そうでなければ自らに恥ずかしくて溶けて蒸発してしまう いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #写真 #詩 #南極半島 56