saku
タンシノタグイをまとめています。 自由律俳句とも一行詩とも言えるけど何とも言えない文字列もあるし、短歌、自由律俳句も含みます。
2024first half Jan.2024 旬ではない野菜がくれる彩り 歯を磨く終わった恋のマグカップ サステナブルとはこういうことか 打ち解けるまでに時間がかかる様に 皮の剥きづらい蜜柑は美味しい Feb.2024 紅梅が咲いても羽織る黒のダウン 春は名のみの三寒四温 空中の春が震えて凍りつき 路面に落ちて弾ける渋谷 Mar
Jun2023〜Dec2023 1歩ずつ歩く速度で 風感じ 湿気にめり込む 日本の夏だ 何度も思い出したから少し焦げて苦い 百日紅が砕けたように散るアスファルト 靴の中で泳ぐ指 濡れたデニム 日傘じゃ凌げない雨が降る 良くも悪くもなかったあの日はもう泥濘の微睡みの 来年の手帳が並びだす9月 人それぞれの時間軸がある 衝動が空を切って何もしない 旧校舎 西日の反射で琥珀色 吹奏楽部はチューニング中 何者にもなれないで ただ「私」を司る 風のない夜の ロングコ
Apr.2023〜May.2023 心地良い眠りを夢見て眠れない脳 昼前にエナジードリンク飲み干して生えた翼はもうボロボロだ 躑躅の立体視は南国を感じる遊び 濡れた落花を踏みつけて走るほどの用事でもないのに いつだって世界に属し属されて良くも悪くもつながっている 曖昧な確定してない閃きのレプリカ言葉の箱に納める 夏の皮膚感覚で春の花の香りがしている 日常と非日常をつなぐ新幹線 旅の終わりは何処からだろう 驚いたのは雨の馨しいこと5月の終わり 最後までご覧い
Feb.2023〜Mar.2023 カタチのないものあれこれする楽し 目覚める夢のメタ構造が蝕んだ朝 触れた唇は 扇の要 広がり舞うは 春の雪 なんの予定もない日に前髪の調子がいい 憂鬱を寒風が切り刻んだら頭の中で法螺貝が鳴る 新月の夜にスキップする少年 信号でとまる あの頃がちゃんと色褪せているのを知らせるミュージックビデオ 銀色の歪なオブジェに映るわたしたち透明になれない 白木蓮に今夜は南風 夜桜がネコ科の前足で誘うから動けない 揺れる桜と街灯わさび
光の粒子 春を探し始める マスクの内の水滴は溜め息から生まれた ぎこちない毎日を覆う時間はなめらか 小さな春のかたちは陽だまりで昼寝 「俺の黒歴史」語り合うランドセルの少年たち 目を瞑って伸びて幾何学模様が眩しい 落としたくても光っているラメ粒みたいな記憶 何もない夜にSyrup16g 向かい風で私のカタチを自覚する 目で追いもせずスクロール何探してる 倒れた自転車が横たわる獣に見えた寒い夜 死ぬまで恥はかくものだと割り切るまでの長かった事 欠けた月が
Nov.2022〜Dec.2022 枯れ枝から破れた蜘蛛の巣が揺れる光と スマホで溶ける時間に今日が冷めてゆく 猫のように部屋の鬼門でしゃがみ込んでいた 夜空見せてくれ月サムネイル 冷たくなったと手をつないだ立冬 イルミネーションの下、あの子はきっと恋をしている 昨夜の月蝕みたいなイヤーカフ 木枯らし冷たく廃屋の風鈴鳴り続ける クリスマス前にやって来たのは保育園から聞こえるピアノ 衝動をこねくり回して下手な嘘吐いてるよ ヒヨドリの声に耳奪われて銀杏を踏む
季節の螺旋は小さくなって中心で待っているのは何? 一週間の乱雑を拾い上げてく土曜日の朝 お気に入りの妄想が白昼夢の主成分 握り締めたら粉々になる乾いた心を秋風飛ばす ゆるい哲学を振り回し自分に酔っている帰宅途中も肩がぶつかれば謝る 薄日射す午後の窓の結露消えている 隣のビルが夕陽に染まるほんのいっとき「後ろ見てみて!」業務外チャット ポケットに手を突っ込んで枯葉を踏む季節それはそれで何だかんだ思いだす 少女の頃の思い出はなぜキラキラしたあの子が嫌いなのかと痛ん
行く先は今日も同じ陽炎でかすむ消失点の向こう 頬に畳の跡ついた 蝉が鳴いてる 田舎の本家の床の間で走馬灯廻る 夏の終わりがはじまるような静かな朝 逃げる夢の非常階段トリックアートで空を飛ぶ 答えあわせすべきか迷ううちにする術が無いことを知る 諦めが飽和した9月の朝は月曜日の匂い 剥がれかけた夏を除光液とコットンで拭う 心に墓地がある時々線香たてる 月を眺め残像を部屋に持ち帰る 体調次第で愛せる世界 心翔ける放電する胸が騒ぐ夜 誰もが地球と同期して 廻る
夏の匂いの数分後降り出した雨 三日月の眼をつくり過剰適応していたような 無機質なスマホから音の波空気震わせ心震わす 浅い眠りを取り疲れて肩凝る 隣りが越してくる前に花火がしたい線香花火だけでいいんだ スマホを持った悪いウサギの夢を見て土砂降り 連休初日雨降りピザ屋吉祥寺 サブスクかけて変な踊り夏の夕方愛好家 その爪はピアノのようにスマホを弾きどんな想いを伝えたのだろう 猫飼えないのにねこじゃらし生えた 空っぽになって充電して少しずつ負荷をかけてまわりだした
気まぐれな魂がゆらゆらと脈打つ 淋しさも心地よい夕方のチャイム 肌寒さ残してドアを閉める 一粒万倍日寝過ごす おくれ毛に絡めとられた少年の恋は夏服 ブレーカー落ちて静寂MAX耳鳴りがする つぶせない暇に永遠をみている 麦茶の氷がカラリと鳴った扇風機は右回転 ありがとう、ごめんなさい。から夜ごはん 噴水からくる風に小型犬も目を瞑り口を開ける 喧騒に耳澄ますカフェは音楽 カーテンと陽射し揺らす扇風機と冷房 「夏だからさ」と笑った夏から何年経った 帰ったら
まだ馴染まないペディキュアの初夏 午睡でマスクしてない頃の夢 帰宅する君思い浮かべ濃い目に麦茶煮出して冷やす 手帳が果たされない未来を過去にする今が在る 後悔するのがわかってる断捨離だった 有耶無耶の代償は見えない事実の冷たい感触 青空と曇天の境で光る雲 思い出は時々味わう残響と残像であれ 秒針と鼓動と頭痛がシンクロする 雨上がって虹を探す 銀色のオブジェを通り過ぎ歪んで消える
青い紅葉を見上げて立夏 流星群の夜も天井を見つめている 梅雨を呼ぶ五月雨 寒い ただ結果を待つ日 皿洗って拭いて仕舞う そのタルトをひと口食べたらジュディマリが脳内再生された 夜の南風が窓を叩く 眠れない夜が朝になり音楽を聴いてる その名の由来はどうあれハヤシライス作る バス停は躑躅とガソリンの匂い 目覚めて足裏に熱生まれる「今日は暑くなる」 夕方がふえてゆく夏至までの楽しみ
朝からアヴィーチー切なさと熱狂 黄緑揺らす風を嗅ぐ 花の蜜の吸い方教えた子が今青春 旬のレシピは年1、2回で身に付かず 信号待ちの助手席にトイプードル 連休雨ふりだし 柑橘香るオイル滴る倒れたボトル 雨が降るから言葉遊びの夜 夕焼け拝んでカーテン閉める 涼風にシガロス薔薇の季節
清明 茹で玉子の殻剥いて 四つ葉のかたばみ探す草とり 南風で乾いたタオルの匂い 数分でデニムに熱たまる真昼 ウィルキンソン弾けた春の宵 寒暖差 気怠く冷える朝 あと一つでゾロ目のナンバープレート 軽い憂鬱のような雨が降る 歌を覚えた下校中の子ども達
季節が錯綜するタンス周り乱れたまま出発 日焼け止めを信じ日向を選んで歩く 弾ける春に菜の花と桜 今年も桜色の魔法にかかる なんとなく白い朝 花冷え 心の声を聞き間違い 曇りガラスをつたう春の雨
深呼吸で通過する沈丁花 植物色彩柔らかに視界入り 春一番が壊したハンガー買って帰る 傘折りたたむ灰色の空 車両に4人くらい春色の人3月10日朝8時 まぶたの裏に陽光暖かく セーター洗って冬の事振り返る もぐりこむ布団の温度明らかに変わった 冬物を着て花とふるえる 髪に春を足す人で少し賑わうサロン