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9月29日

吉本ばななさんの『愛しの陽子さん』を読んで、日々の記録を書いてみようと思い立ちました。
ゆるゆると。なんでもないとくべつな日々を書けたらいいな。


9月29日
4月に島根に引っ越して、5月から住んでいる会社の寮には、4人のシェアメイトがいます。
昔は蕎麦屋だった建物を改修したこの寮はとても広く、共同生活、5人暮らしといっても、個室はあるしお風呂場に加えてシャワー室もあるし、キッチンはコンロが4口もあれば、洗濯機は2台ある…といった具合に、のびのびと暮らせる。
一部屋に5人分の布団を敷いて、プライベートの欠片もない生活をしていた頃を思えば、尚快適な共同生活です。

5ヶ月もいっしょに暮らしていると、お互いの特徴もわかってきます。良し悪しではなく、この人はこういう人なんだなぁという、受容。
最近は、トースターにパンが残っていたら、トイレの電気が消されてなかったら、脱衣所に衣服が置き忘れられていたら、シェアメイトたちの頭には「さくちゃんだな」と確信めいたものが浮かぶようです。(シェアメイトたちにはさくちゃんと呼ばれています。さん呼びが嫌で直談判しました。)

わたしは自分の感覚が大多数の人の感覚、所謂常識というものとズレている点があることを、この共同生活で自覚し始めました。
それはシェアメイトたちが、そのズレを責めるわけでもなく、受容した上で伝えてくれているからで、ズレに気づくほどに受け入れてくれて有難いなぁ〜と、今の暮らしがいとおしくなります。


わたしは2年ほどで環境をガラリと変えてしまう質だから、今の暮らしは今だけだと知っています。
楽しくて仕方がない共同生活だからこそ、一日一日を慈しみたいし、こうして文字にして残したいなぁと思います。


✳︎
タイトルの写真は、町に配られたお金の代わりとなる券。かわいい〜。古いものと新しいものが織り混ざる、ユーモアのある町です。

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