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『The Last of Us Part II』感想:鉄の手触りと、生と死の端的かつ強烈な存在感
『The Last of Us Part II』(通称:ラスアス2)を2週間ほど前にクリアした。クリアしてから手を付けていないが毎日のように思い出す。ふわふわと感触や感情を思い出して、涙がこぼれたりしている。凄まじいゲームだった。
わたしとしてはゲーム好きというより映画好きの友人に勧めたい。でも映画好きだからと言ってゲームが好きかはわからないし、まあまあの難易度だし長いから気軽には勧められない。いっそ10時間くらいの映画にしてくれたらと考えたけれど、そんな長い映画誰も見ないだろうからやっぱりゲームがいいなと思った。(もちろん「自分の手で操作する」というところがこのゲームのスタンスとして大きな意味を持っていることは理解しているつもり。)
ゲーム性や操作感など、ゲームとしての完成度も抜群だけれど、やっぱりシナリオや演出が凄まじく、これをゲーム好きしか知られないのは非常に勿体ないという気持ちが湧いてきてしまう。そこまで考えて、『ゲーム実況』という文化って、自分はゲーム好きで自分でプレイするからそこまで気にかけていなかったけれど、けっこう革新的だったのかなと思った。
プレイしている最中、心臓がドキドキしたり、何度も泣いたりはしたのだけれど、感覚としては強い悲劇が爆発的に心揺さぶるというよりは、常に薄らとつらくて、常に薄らと悲しくて、全体として冷たさを感じた。これが凄い。今までゲームに対して感じたことのない。手触りとしては『鉄』のような感じ。鉄のようなゲームだった。
生きるということと殺すということ、それが哲学とかでなくただただ端的に、リアルな手触りをもってそこに存在しており、
それだけでゲームの強度を充分過ぎるほど保っていたし、ただそれだけでテーマとして充分すぎるほど成り立っていたのが本当に見事としか言えなかった。
冒頭で「映画にしてほしい」みたいな話をしたが、映画にしてしまうと「いま自分は自らの手で人を殺した」という手触りが失われてしまい、これはこれでかなり重要だと思うので、あくまでゲーム好きしか触れられないのが勿体無いので人に勧めたいという論旨での話で、本当はプレイしてもらえるのが一番いいと思う。
兎にも角にも本当に素晴らしいゲームだった。いや、凄まじいゲームだった。制作側の『絶対にトラウマを残してやるぞ』というような凄惨な迫力が感じられて、わたしの心には刺さった。賛否両論との話を聞くが、これは賛否両論でなければ嘘だと思う。
それと出来れば、part1からプレイしてほしい。これは2から始めるか1から始めるかでだいぶ感想が変わってくると思う。いま1は2000円弱程度で買えるので、余裕があれば1をプレイしてから2をプレイすることをオススメします。
それと。わたしはギターを弾けるので、最後のDコードの響きがどうしようもなく堪らなく、呆然としてしまいました。あんなのずるすぎる。