2024.3.8:高野京介と1997年
2024/3/8。「高野京介と1997年」のライブを観てきた。10年前から高野さんのファン。そうかもう10年経ったのか。初めて観たのは札幌にツアーで来たゲスバンド。上京して普通にお話できるようになるなんて思ってなかったな。東京って夢の街だ。久しぶりに思い出したな。
世の中は正しく、かっこよく、スマートな方向へ向かっている。とても良いことだと思う。斜に構えたり、捻くれている方が格好いいと勘違いしていた俺たちの世代よりずっと良いと思う。
でも人生、黒歴史が沢山ある。人に言えないことなんて沢山あるし、思い出したくないことだって沢山あるよ。みんなそうだと思う。でも俺はそういう自分のことを許せなくなっていくような感覚があるんだ。だって今そういうのダサいもん。
高野さんの曲はオシャレじゃないし、イマドキじゃない。まずバンド名が"1997年"だし。いつまでもノスタルジーにしがみつくのなんてダサいよね。
でも俺は、そういうものがないとやっぱり生きていけないよ。ダサい自分だって、あの頃の未熟で幼い自分だって、やっぱり自分なんだ。
高野さんの曲を聴くと、俺は自分に対して少しだけ優しくなれるような気がする。ダサくて内省的で嫉妬深くて言い訳がましくてキモくて弱くてどうしようもない自分のことを、少しだけ肯定できるような気がするんだ。
3/8のライブ。高野さんは40歳になったらしい。
あ、あとご結婚おめでとうございます。
40歳の高野さんのライブには沢山の人が来ていた。沢山って言っても、数千人・数万人とかではないですよ。せいぜい100数人だと思う。でも普通に生きてて、100人の気持ちを動かすことなんて、どれくらい出来るだろう。
高野さんはあの感じのまま40歳になって、あの感じのままギターを弾いて、あの感じのまま歌を歌って、でもあの感じのまま新しい試みに挑戦しようとしたりしていて。俺にはそれがなんか美しく見えたんだ。
おっさんがお世辞にも綺麗とは言えないライブハウスで、イマドキじゃないバンドをやっている。でも俺は勇気をもらえた。全部を前向きには抱きしめ切れない自分の生きてきた軌跡は、これでもいいのかもしれないと思えたんだ。
俺は泣いてしまった。改めて高野京介さん、アルバムのレコ発おめでとうございます。
でもなんで"高円寺"はアルバムに入れてくれなかったんだよ。また懲りずにCD作ってライブしてください。ちょっとだけやってたラップの新曲も楽しみにしてます。