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現役市議と元選挙ボランティア。20代のふたりがチームで挑む、これからの政治。

今、武蔵野市で新しい挑戦がはじまりました!

今年のクリスマスイブ、武蔵野では現市長の辞任に伴う市長選挙と市議の補欠選挙が行われます。

その補欠選挙に立候補したのは、鈴木なりさ(26歳)。彼女は、今年4月に行われた統一地方選挙で現役市議さこうもみ(29歳)の選挙ボランティアとしてともに闘った仲間でもあります。

大きな後ろ盾や組織を持たない2人の道のりは手探りの連続。従来の選挙のイメージを覆す挑戦の軌跡と、これからの政治への想いについて語り合いました。

思っていたより早かった、チームとして戦う決意

ーー今回、立候補の決意をするまでにどんな経緯があったのですか?

さこうもみ(以下もみ):今回、市長の辞職に伴う武蔵野市長選挙が行われることになったの。市長に立候補するために市議が辞職すると、市議会に欠員が出て補欠選挙がある。どんな人に市議会に入ってきてほしいかな?って考えたとき、なりちゃんの顔が浮かんだんだ。それで、声をかけたのが10月。

鈴木なりさ(以下なりさ):そうだったね!井の頭公園で歩きながらお喋りしたよね。あのときはまさか、立候補の話だとは思わなかったな!

もみ:一緒に対話の場「むさしのダイアログ」や選挙をつくってきたなりちゃんに、市議会に入ってもらいたい!と思って話したけれど、突然だったからどんな返事がくるか不安だったんだ。だから立候補を決めてくれたときは嬉しかったな。

最初に話した10月から投票日は12月24日までたった2か月。準備期間が本当に短い選挙戦だった

ーー「自分が市政に挑戦する」には大きな勇気が必要だったのでは?

なりさ:実はそうでもなかったかな。4月のもみちゃんの選挙のボランティアの経験から、すでに「選挙は、街に暮らす人が生活のなかで営むことなんだ」という経験をしていたから、自分も挑戦しようと思えたのはすごく自然なことだった。

もみ大きな後ろ盾や組織、体力がなくても、若い女性でも選挙に出られる。自分の選挙のときから、つぎのひとが真似できるような実例を作りたかったから、なりちゃんの決断はうれしかったな。

なりさ:さすがにこんなに早くタイミングが来るとは正直予想していなかったけどね。でもね、いつかは自分が挑戦する日が来るかも...!とは、どこかで感じてたんだ。

「政治って、ここから始められるんだ」と気づいた

選挙ボランティアを「とにかく楽しかった!」と振り返る鈴木なりささん

ーー2023年4月の統一地方選挙、さこうもみさんの選挙が初めての選挙ボランティアだったんですよね?

もみ:実は私が最初にボランティアの声をかけたのが、なりちゃんだったの。そのときが初対面だったから「いきなり選挙とか政治って言ったらどんな反応されるんだろう...?」ってドキドキしてたんだよね。

なりさ:そうだったんだ!

もみ:なのに、いざ喫茶おおねこでなりちゃんに選挙のことを話してみたら「なにそれ!楽しそう~!」って。そんな明るいポジティブな反応をされると思ってなかったから、かなりびっくりしたな(笑)。

ーー初めてのボランティア、いきなり「やってみよう!」と思えた理由は?

なりさ「手作りの選挙なら、私にも手伝えるかも」って思ったからかな。もみちゃんに出会う前は、政治や選挙って「大きな組織が莫大なお金を使ってするもの」というイメージがなんとなくあったんだよね。もともと私はそういう大きい組織とか「年功序列で下からのぼり詰める」みたいな価値観に合わないと感じてきたから、自分にはムリだろうって思ってしまってたというか...。

なのに、あの日もみちゃんに「誰とやるの?」って聞いたら、「まだ誰もいないの!」って!(笑)。

選挙ボランティアを通じて知り合ったふたりだが、昔からの友人のようにも見える

もみ:あはは、そうだった(笑)。

   「え、誰もいないのに選挙出るの!?」
   「うん。本を読んだら私にもできそうだったから!」

なりさ:ああ、この人本当にひとりでやろうとしてる。

「政治って、ここから、ひとりから、若者から、女性から始められるものなんだ!」

なりさ:考えてみればあたりまえのことなんだけど、あのときこれまで持っていた政治へのイメージが一気に覆ったんだよね。だからこそ、これまでこの街で築いてきた地域の人たちとの関係や、経験してきたことをこの人と共有して、挑戦するべきだなって。

もみなりちゃんは、学生のころから吉祥寺という街に住む人の声を聞き続けて、繋がりあえる場所を作ってきた人。一方の私はスタートアップ企業の社長をしたり、とにかく仕事に忙しい生活だったから、ここ数年はずっと「家は、帰って寝るだけ」になってしまってたんだよね。

「私には、それぞれの経験に基づくそれぞれの強みがある」と話すさこうもみさん

もみ:小さいころから武蔵野市に住んできて、大好きなこの街から声を上げたいと思ってきからこそ、地域に根ざして暮らしているなりちゃんと一緒に挑戦したら、いい道が開ける気がする!って感じたんだ。

手作りの選挙は、思った以上に楽しかった

なりさ:実際に始まった選挙は、文字通り手作りの選挙だったよね。

当選後も「歩いて選挙していた方よね?」と市民の方に声をかけられるという

もみ:うん。スピーカーを自分でガラガラにくくりつけて、電車と歩きで街を練り歩くスタイルね!看板とか、意見を貼ってもらうボードとか、いろんなものを実際に作ったりもしたよね。

なりさ:「車を運転できなくても、普通に街に暮らす人でも選挙ができるんだ!」って思った。私もそのスタイルを継承して活動しているけど、やっぱりまだまだみんなに驚かれるよ。もともと喫茶おおねこも「手作り精神」でやってきたものだから、私に合っていたんだと思う。

なりさ:そんな「手作りの選挙」が本当に楽しかったという経験が、「いつかは自分にも立候補する日が来るかも...!」という思いに繋がったんだと思う。でも、当初は「そのときがきたらもみちゃんとは別の地域で挑戦した方がいいのかな?」って思ってたんだ。

「若い女性枠はひとりで十分」...?

ーー「もみさんとは別の地域で挑戦」と考えていたのはなぜ?

なりさ:同じ地域から挑戦したら、今後「若い女性」ということでもみちゃんと票を奪い合う感じになっちゃうかもしれないからって。

もみ:実はそれ、私もなりちゃんを応援しだしてから周りの人に心配されることある。

なりさ:でもさ、それって「若い女性に対する解像度が低すぎる」からだと思うんだ。ふたりとも同じ20代の女性で、目指している社会も共通しているけど、ふたを開けてみれば私ともみちゃんって全然違うじゃない?

もみ:もしこれが60代の男性ふたりだったら、それぞれどういうキャリアを歩んできたか、どんな考えの違いがあるかに注目が集まるはず。「Aさんは会社員として働いてきたから、市政に経営の視点を取り入れられるかも」とか、「Bさんは長年消防団をやってきたから、街のことに詳しい人なんだな」とかね。実際、武蔵野市議会には、26人中、60代の男性が4人、50代の男性も5人いるんだよ。(2023年12月時点)

武蔵野市議会、20-30代女性は2名で全体の8%、50-60代男性は9名で全体の37%

もみ:私は、「スタートアップ企業でバリバリ働いてきた人」だけど、一方のなりちゃんは「地域で喫茶店を営み、ご飯会を開いて街の人と向き合ってきた人」。見てきたことも感じてきたことも、強みも弱みも全然違う。

ーーおふたりの大きな視点の違いはなんだと思う?

なりさ:もみちゃんはなにか困りごとを抱えてる人に出会ったとき「困りごとが起こらないシステムを作りたい」という方向に目が行くタイプだけど、私は人との繋がりのなかでひとりの困りごとにしっかり向き合いたいタイプだよね。

もみもう一つの記事で話してくれたように、なりちゃんは人とのつながり、居場所を大切にしたいというところが中心にあるよね。制度を整えることはもちろん重要だけど、なりちゃんのような人がいないと見えてこない「小さな、だけど深刻な困りごと」っていうのは確実にあるじゃない?若い女性だけが「1つの議会にひとりいれば十分」みたいに捉えられちゃうのって、おかしいと思う。

なりさ:そもそも武蔵野市に住んでいる20代の女性をたったひとりで代弁できるはずがないのに...。もちろん若い女性が政治に参加する事例は1つでも多い方がいいと思うから、そんな事例を作るために私も挑戦を決意したけど、「ひとりで十分」なんてことはない!

もみ:それこそ私は市議になって半年間、「違う視点を持つ誰かとチームを作ることの大切さ」を感じてきたな。

チームをつくる意義。ここから始める、わたしたちの地方自治

ーー市議になって半年、感じてきた課題とは?

もみ:チームの重要性を感じてきました。同じように人権や平和を大切にする、同じ方向を向いている、でも違う専門分野や違う切り口を持っている、そんなチームで取り組んでいくことの必要性を議会に入ってから感じるようになったの。たとえば、私となりちゃんはふたりとも「武蔵野市でユースクリニックを開設したい」と考えているけど、議会でそう考えているのが私だけだと、考える視点も取れるアプローチも限定されちゃうんだよね。

チームの必要性を感じていたとき、補欠選挙というチャンスがやってきたと話すさこうもみさん

もみ:でも、もしもチームで取り組めたら2つの視点でアプローチできる。

なりさ:そこで私たちの経験してきたことや視点の違いが活かされるはずだよね。

ん。あとは、ひとりの議員は1つの常任委員会にしか参加できないんだけど、同じチームの人が共通の想いを持ってそれぞれの委員会に参加できたら、チームとしては複数の委員会で意見を言う機会を得られるでしょ?

なりさ:なるほど、「同じチームの人が2人いれば、2つの委員会に議席を持てる」ってことか!そう考えると、自分たちが持ち込みたい視点があるなら、仲間を増やしていかないと。

もみ:まさに。わたしがいま取り組んでいるジェンダー視点の主流化は、チームで取り組む必要性を感じてる。あらゆる領域の、すべての行動や意思決定において、ジェンダーの影響を検討していきたいの。教育や子どもの支援はもちろん、公共施設などの建設、気候変動対策、防災、あらゆる領域にジェンダーという視点を持ち込もうとすると、1人で1委員会だけだと、手が届かない領域がどうしても出てきてしまう。「ああ、建設委員会で扱ってるあの話題、ジェンダーという視点からこういう意見言いたいな…」とか、参加していないことで言えなかった悔しい思いがいくつかあるの。

チームづくりは、まだまだはじまったばかり

ーー議会のなかですでに大きな影響力を持っている会派に入ることは考えなかった?

もみ:それは、やりたいことと違ったんだよね。やっぱり私は、大きな組織や後ろ盾、政党がなかったとしても、自分たちの声を議会に届けられるモデルケースを作っていきたいから。ベンチャーのほうが向いていた!というこれまでのキャリアでの学びもあるしね。

なりさ:「自分たちで手作りの政治を」という想いは選挙のころから共通しているよね。地盤もない。大きな後ろ盾もない。そんな私たちだからこそ、始められる政治がある。今回の私の挑戦も含めて、もっともっと仲間を増やしていきたい!

もみ:これから、もっと仲間を増やしていきたいと思ってるから、まずはなりちゃんに、今回の市議会議員の補欠選挙で絶対に当選してもらいたい!今回の選挙は、チームで漕ぎ出していくための最初の一歩。

武蔵野市民の皆さん、みなさんの一票をどうか「鈴木なりさ」さんに託してください。市民じゃない方も、SNSやLINEなど、口コミでの応援お願いします。

なりさ:みなさん、投票どうぞよろしくおねがいします!

投票日は12月24日、日曜日 🗳️

武蔵野市議会議員の補欠選挙は「鈴木なりさ」に投票お願いします!

詳しい政策などは鈴木なりさ公式ホームページからご覧ください。
https://oonekonarisa.tokyo/

武蔵野市補欠選挙に向けて挑戦を決意した鈴木なりさ。地域密着型の喫茶おおねこオーナーとして、彼女が見てきた武蔵野市と、そこに住む人々。人が繋がりあえる居場所への強い想いは、どのようにして生まれたのでしょうか。鈴木なりさが目指す政治についての対談は、こちらの記事をご覧ください。

(写真:comuramai 文章:伊藤まり


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