青いシネマ/日食なつこ
自分の一生を1本の映画になぞらえる「青いシネマ」。
ここぞという時の救世主 悪役 ただの通行人
次々役は変わるけどいつも僕が主人公です
夢見がちな脚本は日々修正入れる始末です
今日という日は筋書きの 中か上か下かどこなのか
今、自分に与えられた時間のどこに位置するのだろうか。そしてその「終わり」がどこにあるのか、誰にもわからない。
最善を尽くすように
努めることをここに誓います
最短経路になるような道は
選ばないこと誓います
生きること/死ぬこと 日食なつこの歌はそこを問うてくる。「最短経路になるような道は選ばない」という言葉に、この曲の力強さを感じる。
流れるように過ぎていた毎日はいつしかつっかかって
誰の思いも肩代わりするひまなんてなくなって
捨てたくなるよな脚本だって続きを書くこと
許されるんだったら幸せだ 振り払ってよ青いシネマ
「青い時間の只中」にいたかった「僕」が、次第に人生の意味を見失っていく場面。私など社会人を長らくやっているせいか、うんうんとうなずくばかり。
さっさと思い出と名付けて遠くから眺める日々で楽をしたい
誘惑のかけひきに今日の僕はまだ勝てるか
日々、このせめぎ合いだ。本当に。
「青いシネマ」の歌詞の中で一番好きなところ。
今日の私はまだ勝てるか自分に問いながら、通勤中の車の中でこの曲を聴く。
だからいつか思い出と名付けて遠くから眺めることになる
その青い時間の只中に今日の僕はまだいたいの
「青い時間」は青春の「青」を想起させる。仕事をリタイアするまでの「青い時間」なのだろうか。いや、「青い時間」は人それぞれか。
今を生きる自分でありたいと思わせてくれる。大好きな曲です。