旬八青果店の6年間と7年目の決意
みなさま、こんばんは。
今日ももう終わりますが、
ちょっと暑苦しい想いを書かせて頂きました。
2013年、10月10日。
6年前の今日、旬八青果店は生まれました。
このブランドを始める当初、
私は"八百屋"をやりたいと考えたわけではありませんでした。
しかしながら
「社会に果たしたい価値」
を深堀していった結果、
八百屋という青果の専門店が、
豊かな暮らしをつくる上で
とても大切な場所になると考えるようになり、
「八百屋」に興味を持ちました。
しかし東京という都市からは
八百屋が減ってしまっています。
スーパーでもコンビニでも、
いまではドラッグストアでも、
野菜や果物が買える世の中です。
しかしながら、
それらのお店が私が考えた
「社会に果たしたい価値」
を果たせているかでいうと今でもそうは思いません。
本来持っていたはずの、
「八百屋の価値」
をもう一度追い求めて、
2013年10月10日。6年前の今日、
旬八青果店は生まれました。
スタートは、中目黒駅すぐの空き地。
「一坪の八百屋」として
写真のような屋台の姿をしていました。
小さなお店ですが常連のお客様が多くいたり
八百屋の価値を再確認するには十分でした。
そこから目黒に2店舗目を出し
五反田、赤坂、大崎などの路面店だけでなく、
百貨店や商業ビルなどにも、
今までで二十数店舗ほど出店してきました。
「八百屋」というものは、
基本的には「個人商店」です。
しかし「八百屋」を数店舗もつことで、
スケールメリットが生まれます。
仕入れや広告物やブランドづくりなど、
「八百屋にマーケティング」の視点を入れた
新しい取り組みが、旬八青果店だとも言えます。
旬八青果店は、
「都市の不本意な食生活を豊かにする」ことと、
「地方経済(農業)を活性化する」ことを同時に行う
ハブのような場所であるメディアになりたいと考えています。
それは創業時から変わらない想いです。
「旬八青果店」が都市に増える事で、
地方と都市の課題を少しでも解決できるのではないか。
そう思いながら、駆け抜けてきたあっと言う間の6年間でした。
同時に、この仕事の厳しさを実感しました。
仕入れをするだけでも、
お金、情報、ネットワーク、それらを動かす
営業力や行動力が必要で、獲得は簡単ではありません。
また、経験の時間が解決するものでもありません。
青果というデリケートな商品ですので、
管理を徹底することも難しいものです。
何百という商品の在庫管理、
それらは毎日変わっていきます。
そしてそれも賞味期限は短いものばかりを、
きちんと管理して利益をだすことは
本当に煩雑で大変な作業で、
今もその管理方法をどう効率化するのか、
毎日のように議論し、試し、失敗や成功をし、
を繰り返しています。
店舗数が増えれば出来る事が増えそうな反面、
少ない店舗数で出来た事すら店舗数が増えた事で
出来なくなって行ったりもしました。
ずっとブレていないミッションやビジョンで
多くの人を巻き込んできて一緒に働いてもらったのですが、
ミッションやビジョンがどれだけ共感できるものでも
オペレーションスキルやマネジメントが追い付いておらず、
巻き込んだ方々の期待に不本意ながら応えられない場面もありました。
そして、農業やその流通に関しては
まだまだ進化する余地のある業界だと痛感しました。
この6年間の学びは、旬八青果店において大きな財産です。
<旬八青果店 第二創業期>
旬八青果店は、その学びを生かし、
この7年目を迎えるタイミングで
一度生まれ変わろうと思います。
言うなれば「旬八青果店」の第二創業期としてとらえ、
理想の旬八青果店になるためにどう取り組めばいいのかを
悩みに悩み、考え抜いた結果のアクションです。
具体的な取り組みとしては、
店舗を一度減らすことにさせて頂きます。
一時は20店舗目前まで増やした旬八青果店でしたが、
営業店舗数を11月1日時点には、8店舗(FC店含むと9店舗)までサイズダウンをします。
(休店2店舗を含むと11店舗ある状態です)
いずれの店舗も、ご愛好いただいた方が多くいらっしゃり、
その方々には本当に本当に申し訳ない限りです。
しかしながら、1つ1つのお店のあり方、地域特性を見直し、
サービスの質をまずは我々にとっての最高まで高めることに
専念させていただきたいです。
お恥ずかしい話、店舗が増えていったことで
旬八青果店らしさが薄まってしまったことは事実です。
それらの反省をふまえて、よりよい旬八青果店を創ることに
もう一度立ち返る時間をいただきたいと思います。
「多店舗展開」でありながら、
店舗ごとの特色やお客様の要望を
きちんと取り込んでいくお店づくりをしていきます。
また同時に、旬八青果店で働くみんなが、
より気持ちよく、
より自由に、
より個として豊かに成長出来るように、
持続的な発展が出来る結果を出せるように、
働けるような設計にすべく、
社内の制度も見直していきます。
目指す「旬八青果店」が完成した際には、
もう一度出店を広げ、皆様のもとへと
おいしい青果を届けていきます。
まずはお客様と深く接する事が出来る様になるために店舗数を減らし、
その後その深さを保ちながらより多くの方々に影響を
与えらえるように店舗数を拡大していきたいと思っています。
都市の不本意な食生活を豊かにし、
地方経済(農業)の活性化をするには、
旬八青果店というメディアを増やしていく事は
誤っていないミッションだと確信しています。
都市になくてはならないブランドへと、
旬八青果店を必ず育てていきます。
今は、そのための屈伸をしているような
そういう時期だと捉えています。
未来に"おいしい"をつなぐインフラの創造。
それが旬八青果店を営むアグリゲートのビジョンです。
過去から未来へ。
そして地方から都市へ。
おいしいをつなぐ場所として、
旬八青果店はこれからも全力で取り組んでいきます。
どうかこれからもよろしくお願いいたします。
株式会社アグリゲート 代表取締役
旬八青果店 代表
左今 克憲