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#181 自分の曲を音源化するおすすめのやり方

※当記事はこちらのポッドキャストの内容を編集/再構成したものです

今回は、音源制作に関する話を少ししてみたいです。

音楽活動の中で自分で曲を作り、その曲を周囲の人に聴いてもらうためには当然のことながらそれを音源にする必要があります。

その上で、音源制作になじみがない人からするとそれをどんな手順でどう進めるのがいいか、音源制作をどう効率的にやるべきか、というところがいまいち見えていないものです。

そもそも、音源制作の手順に正解はなく、人それぞれいろいろなやり方によって音源を作っています。

例えば、DTMの環境でDAWの画面に向かっていきなり音を打ち込んで音源を作っていく人もいます。

他には、サンプルのループ素材のようなものをまず探すところから、音源を作り始める人もいます。

どんな音楽性でどんなサウンドを目指すかという点によっても、どこから始めてどういう手順で音源を完成まで持っていくかは変わってくるし、どこまで手をかけるべきかも人それぞれで変わってきます。

ここでは、いわゆる一般的なシンガーソングライターが、自分がボーカルとして歌う曲を自分の作詞作曲で音源にすること、そして作る音楽はいわゆるみんながすんなり聴けてすんなり歌えるような親しみやすい一般的に想像できるようなポップスやロックを前提とします。

その場合、(これも私の個人的なおすすめになってくるし、人によってはそうではないやり方をすすめることもあるはずですが)まず歌メロとコード進行によって曲のアウトラインをそれなりに作り込むこと、そしてそれを元に音源を作っていくことをおすすめしたいです。

例えばギターやピアノなどの弾き語りによって曲を作っているのであれば、ギターやピアノの弾き語りの状態で1曲を丸ごと弾き語れるところまでまず曲を作り込むということを指します。

この、「ギターやピアノの弾き語りの状態で1曲を丸ごと弾き語れるところまで」というのは、わかりやすい例でいえば、弾き語りのライブに出演して、ステージに上がって弾き語り状態で1曲を弾き語れるようなレベルまで作り込む、ということです。

ボーカル曲を作る上では、例えばDTMで音源を作る際にいきなりDAWの画面に向かってデータを打ち込んでいくようなことをすると、作るべき内容が定まっていなくて作業が停滞することがよくあります。

それよりもまず下書きをするような感覚で、あるいは小説を書いたり物語を作ったりするときにプロットを作ったりあらすじを書いたりするような感覚で、まず曲の全体的な骨格を定めるようにするのがおすすめです。

※弾き語りで曲の骨格を作り込む上では、実際のメロディラインをきちんと作り込んだりコードネームを定めてコード進行(ハーモニー)を作り込むことになるので、今いった「プロット」とか「あらすじ」よりもう少しきちんと曲の全体を作り込むことになりそうです。

ある意味で、まずその状態できちんと曲を作り込むことができるかどうかが、その後の音源化の作業をより楽にスムーズにやれるかどうかにかかっているともいえます。

「イントロはこんな感じにして、曲の導入部分はこんな感じのメロディで始まって…」とか、「そこから曲が展開して、ワンコーラス→ツーコーラスというふうに曲が展開して、最後こんな感じで盛り上がってアウトロがついてこういう風に終わっていく…」というような曲の展開と、そこで歌われるメロディと、そのメロディの背景になるコード進行がギターまたはピアノ1本と歌の状態でちゃんと定まっていれば、後はそこに肉付けをしていくように音源を作り込んでいくことができます。

そこまで作り込んだら、やっとそこでDAWの画面に向き合えます。

弾き語りで曲を作っているときは大体そこまできちんとしたテンポを定めず、なんとなくの自分なりのリズムで曲を演奏しているはずなので、音源を作る上では、まずメトロノームの機能などを使いながらちょうど良いテンポを探りつつ、テンポをBPMによる数値として明らかにすることをやってみてほしいです。

そしてテンポが定まったら、そのメトロノームの音を聴きながらDAWに接続されたマイクに向かって直接弾き語りをして行きます。

それがまさに、DAWの中で音源に必要となる素材を組み立てていくための下書きをするような行為だといえます。

そして、しかるべきテンポに合わせたコードの伴奏、そしてそれを伴奏にした歌がオーディオとしてレコーディングできたら、そこに肉付けをするように実際の楽器のサウンドなどを打ち込んでいったり、オーディオとしてレコーディングしていったりできます。

おすすめの音源作りの手順はこんな感じです。

当然、最初にレコーディングしている弾き語りの音源は、後々はミュートされることになりますが、本当に何もないところで、ただドラムだけを打ち込んだりベースを打ち込んだりすることに比べると、この弾き語り状態の下書き音源を一つのトラックに入れておくことで、それを音源制作の道しるべにしていくことができます。

それを目安としながら、どんなドラムのパターンが歌のリズムを生かすかとか、どんなベースラインがボーカルが歌うメロディラインを引き立てるのに効果があるかとか、ギターとかピアノの伴奏があるので、それにきちんと調和するベースがどういったものかというところを、実際の音として判別しながら作り込んでいくことができます。

作る順番は基本的にはリズムから作るべきだとされていて、まずドラムを作り、そしてそのドラムを考慮したベースを作り、そしてそれ以降のギターとかピアノのバッキングとか、メロディを引き立てるリードギターとか別の楽器などを打ち込んでいくのが一般的です。

それも、ただそうやるとまとまりやすいというだけでそこに正解はないので、例えば先にメロディを活かすギターのラインが思いついたらそれを先にレコ―ディングしてもいいし、ドラムよりも先にベースを入れてもいいです。自分なりのやり方で順番を選んでほしいです。

全体的なアレンジができたらあとはミキシングをしてマスタリングをして音源完成、という流れになります。

そのアレンジがまた時間がかかり、ミキシングも大変でマスタリングもそれなりに大変です。どれをどこまでやるかは、冒頭でもいったように人それぞれで、そしてこの作り込みがある意味で音源化のメインともいえます。

ただ、根本的な音源の作り方としてやっぱり歌とコードの状態できちんと曲の骨格を作り込めているだけでいろいろな負担が減り、作業が脇道にそれたり、停滞したり、当初想定してたものからすごく離れていくようなことが少なくなります。

だから、もし現在音源を作ろうとしていて、いまいち作業が先に進んでいかないとか、何をやればいいかわからなくなってしまうとか、そういった悩みを抱えている場合はまず一度音源を作る環境、つまりはDTMの環境から離れて、まずメロディとハーモニーだけで曲展開を作り込むところからやってみてほしいです。

それがボーカル曲なら、「弾き語り」の状態になります。

コードの部分は、演奏力に自信がなければ実際にギターやピアノで演奏しなくてもそれをなんらかの音源でも代用できます。

そして、曲の根本的な骨格のところを定めた上で、そこに肉付けをするような感覚で、音源化を進めてみてください。


▼ 週1~2通のメールマガジンでポッドキャスト書き起こし記事を深掘りしています。

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