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#184 数が少なくても深く共感してくれている聴き手がいる

※当記事はこちらのポッドキャストの内容を編集/再構成したものです

日常的に発信をしていると、その発信に対する反応の「数」に注目したくなります。

具体的には、例えばYouTubeの動画の再生回数とか、SNSの「いいね」の数とかインプレッション数とか、なんらかのコンテンツに対するアクセス数などです。

そういった数は、ある意味で聴き手の反応を測る目安にはなりますが、ただその数だけではわからない聴き手の興味の深さがあります。

以前に「SNSのフォロワー数を追い求めなくていい、フォロワーの『多さ』よりも『濃さ』を意識すべき」というような話をしましたが、それに通じるものがあります。

そのコンテンツの反応=再生回数とかアクセス数とか「いいね」の数とか、そういったものは、一見すごく少なくてもその少ない中で深く共感してくれる人がいるものです。

数だけを見ると、例えば動画の再生回数が50回にも満たない、毎回アップしても10回とか20回とかしか再生されないという状態だと、その動画をアップすることが誰にも求められていないような気がしてきて気分が萎えます。そして、動画のアップをやめようかなという気になってきます。

でも実際のところ、その例でいえば10回や20回程度にしかなっていない動画の再生の中でも、それにすごく共感してくれている人がいて、それがあなたに対する強力なファンを生み出すことになります。

それらの表面的な回数だけを見るとその取り組みに意味がないように思えてきますが、そんなことはないです。

その少ない再生回数でも着実にあなたへの信頼が深まっているので、それを信じて続けてほしいです。

実際のところ、数だけを狙いに行くのはそこまで難しくないです。いわゆる「コンテンツをバズらせる」とかそういうことがそれに当たります。

それぞれの媒体によってバズりやすいコンテンツがあり、その媒体を見ているユーザーの層があるので、彼らに響きやすそうな内容を提供することでバズを生みやすくなります。

またみなさんは娯楽でそのメディアを見ていることが多いので、娯楽に通じるような内容を扱うとバズにつながりやすいです。

よりテクニカルにいえば、投稿した内容の中で少し評判が良いものがあったらそれをバズりやすいものにアレンジして改めてアップしたり、他の投稿者の内容の中でバズっているものを参考にしながら、それを自分も真似てみたりすることでより多くの再生回数やインプレッション、アクセスが取れる、いわゆるバズるコンテンツを比較的簡単に生み出すことができます。

それはもう完全に「濃さ」ではなく、「数」のほうに照準を合わせるようなコンテンツの作り方だといえます。

音楽でいえば、自分が作りたい音楽性や自分らしい音楽の表現の仕方はさておき「とにかくどういうものがバズりやすいか」ということだけを必死に考えて、バズっているものを真似しながらとにかく数を稼ぐことだけを考えてそれを作れば、バズを生み出すことはそこまで難しくないです。

そんなふうにして、数だけを優先して作られたコンテンツにはほとんどの場合、自分がそこまで求めていない聴き手が集まるものです。

自分がやりたい音楽性や表現したいサウンドなどを無視して、とにかく数だけを追い求めてバズるためにはどうするかということを考えながらコンテンツを作るなら、それはある意味で当然です。

はっきり言って、そんなふうにして例えば動画の再生回数が1万回とか2万回とか10万回とかになっても、それがミュージシャンとしてのあなたに対する共感を深めるためにどれほど効果的に働くかといえば、ほとんど効果的には働きません。

そんな見かけだけの表面的な再生回数には、ほとんど価値はないです。

それよりも、表面的な数は少ないけどそこに対してきちんとした深い共感があるほうが価値があるし、自分らしい表現で自分がやりたい音楽/やるべき音楽をきちんと表現して、そこに対してきちんと共感を示してくれる人がいるほうが断然価値があります。

再生回数や「いいね」=高評価の数、インプレッション数といった表面的な数が多いほうが一見コンテンツとして優れているように思える、それだけ多くの人に伝わって、自分がより多くの人に評価されているような気分になるのでその瞬間は気分がいいですが、そちらの方向ばかりを追い求めると長い目で見て自分に何も残らず、ものすごく虚しい気分になります。

だからこそ表面的な数は追い求める必要がなく、自分がやるべきことをきちんとやる、というところに意識を向けるべきです。

それによって、たとえ表面的な数は少なくても、その中にきちんと自分の音楽活動に興味を示してくれている人がいます。そして長い目で見ると、その人たちが自分の音楽活動を支えてくれる濃いファンになっていきます。

発信をする目的は、「コンテンツをバズらせて広く多くの人から反応をもらって、それで表面的に自分が広く多くの人に認められているような気分になる」ではなく、自分の音楽活動に対してしっかりと深く共感してもらうこと、それを通して聴き手のみなさんとの確固たる信頼関係を築く、という点にあります。

だから、数が少なくてもそこに一喜一憂しなくていいです。数が少なくても興味を示してくれている人は必ずいます。変に数を追い求めようとして、本来なら踏み込むべきではないところに無理に踏み込もうとしなくていいです。

自分が本当にやりたいことは何なのかということをしっかり考えて、自分にできることは何なのかを考え、音楽活動のコンセプトとそのコンセプトに対するターゲットのみなさんをはっきりさせて、目先の数に踊らされることなく着実にしかるべき聴き手のみなさんから共感を得ることに意識を向けてみてほしいです。

この数の問題は、ネットでの情報発信をやっていると必ずついてまわる問題だといえます。

そして多くの人はより数が多いほうが良いと考え、その数の多さを追い求めたくなります。数が少ないと誰にも見られていないような気がしてきて、自分の発信に価値がないと思えてきます。

でも、実際のところ数は少なくてもきちんと興味を示してくれている人がいます。だからこそ、表面的な数に惑わされることなくきちんと考えながら、自分なりの発信の仕方で構わないのでやめずに発信を続けるべきです。

そして変に数を追い求めようとしなくていいし、無理に必要のないところに埋め込まなくてもいいです。表面的な数の多さはほとんど価値がないです。

それよりも、しかるべき聴き手のみなさんとの確固たる信頼関係に意味がある、というところを心に留めながら、数が少なくても、その信頼関係をいま自分は作っているんだというところを考えながら逃げずに発信を続けてみてください。


▼ 週1~2通のメールマガジンでポッドキャスト書き起こし記事を深掘りしています。

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