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#175 発信が自分の技術やセンスの証明になる
※当記事はこちらのポッドキャストの内容を編集/再構成したものです
今回は、「発信が自分の技術やセンスを示す証明になる」というテーマでお話をしてみたいです。
音楽活動をしていく上では、自分の活動をきちんと周囲に向けて発信していくことが欠かせない、というようなことをよくお話ししています。
インターネットを使って日々SNSを更新したり、YouTubeに動画をアップしたり、ライブ配信をやったりリアルのライブ活動をしたり、それらによって周囲の人が自分の音楽活動を認知してくれて、それが共感につながりファン化につながり、集客や収益化につながっていきます。
そういった発信には、聴き手のみなさんとの信頼関係を築く効果がありますが、その前の段階として、発信には「自分の技術やセンスを証明する」という効果があるといえます。
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音楽活動なので、当然その発信が音楽を表現する技術やセンスを証明するものになります。
歌を歌うなら歌の技術とか自分の声とか、あとは楽器を演奏するなら楽器の演奏の技術、曲を作るなら曲作りの技術、さらには歌を歌うセンスとか楽器を演奏するセンスとか曲作りのセンスとか、そういった感覚的な部分、「自分が音楽を表現するとこんな感じになりますよ」というところを、発信を通してみなさんに伝えることができます。
そして発信を繰り返すことで、それを1回ずつの単発の表現というより、ミュージシャンとしての自分が持っている土台としての技術やセンス=つまりは点としての表現というより、線とか面のようなものとして周囲の人に対してそれをきちんと証明することができます。
また、その「発信することが自分の技術やセンスを証明することになる」という点は音楽の表現以外についてもいえることです。
これは、「ミュージシャンとしての自分がどれくらいの仕事ができるか」というような点に近いです。
自分の思っていることをきちんと聴き手に対して伝えるとか、どんな文章力を持っているかとか、どんなしゃべりのスキルを持っているかとか、パフォーマンスのスキルがどれくらいあるかとか、それらがどれほど見ごたえがあったり読みごたえがあったり伝わりやすさを含んでいるかとか。
あとは、発信によって聴き手のみなさんとのコミュニケーションが発生した時に、そのコミュニケーションをどれだけ円滑にやれるか、つまりはそれがコミュニケーション能力を証明することになったりします。
そんなふうに、音楽活動の発信は結果として聴き手のみなさんの共感を生みファン化につながり、それが集客や収益化を実現するきっかけになりますが、本質的にはミュージシャンとしての自分の存在を認知してもらった後に、発信を通して自分の技術やセンスを証明する働きを持っているといえます。
いわば、定期的な発信、継続的な発信、毎日コツコツと発信を続けることは、「自分はこんな技術を持っています/自分はこんなセンスを持っています」という点を周囲の人に対して証明し続けることだといえます。
例えば、こで発信がなければ、周囲の人はそのミュージシャンが持っている技術とかセンスがいまいち理解できず、そのあたりについてあやふやなままになってしまうので、聴き手からのミュージシャンに対する思い入れがそれより先に発展していきません。
例えばシンガーソングライターのようなスタイルで音楽活動をしている人がいて、その人が自分が作る曲を週に1回とか2週間に1回とか、それくらいの割と高い頻度で次々とネットにアップしていけば、周囲の人は次々とその人が作る新しい曲を聴くことになって、その人の作る曲のスタイルとか根本的な曲作りの技術とか、その人が歌う歌声とか作る歌詞の世界とか、そういったものをその都度確認することになります。
ミュージシャンの目線からいえば、「私が作る音楽はこんな感じ/私の音楽の表現力はこんな感じ」というふうに、それを常に証明していくことができます。
一方で、例えば「シンガーソングライターとして活動しています」と周囲に対して公表していながらも、自分が作る曲を半年で1曲とか1年で1曲とか、その程度でしか公開しなければ、周囲の人は「このミュージシャンはシンガーソングライターとして活動しているらしいけど、どれほどの曲作りの技術を持っているかいまいちわからない。曲作りのセンスがどんな感じなのかいまいちわからない。どんな歌声なのかがよくわからない。歌の技術もわからない。作る歌詞の世界もわからない」というような感想を持つことになります。
前者の、頻繁に自分の曲を公開している人が例えば月に2曲を公開するなら1年間で12ヶ月=24曲を公開することになります。つまりは、1年間で24回自分の音楽表現の技術とセンスを周囲に受けて証明することになります。
一方で後者は、半年に1曲だけ公開するなら1年間で2曲しか公開しないことになります。つまりは、1年間で2回しか自分の音楽表現の技術とセンスを証明できません。
この両者の技術とセンスにそこまで差がないという前提で、周囲の人が単純にどちらを信用するかといわれれば、それは当然前者になるはずです。
その音楽、あるいは音楽活動の技術やセンスを証明するパターンとか回数が多いほど、周囲の人はそのミュージシャンのことをきちんと信用してくれます。
その信用が共感になり、ファン化になり、信頼関係になり、集客や収益化につながっていきます。
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この「発信が自分の技術やセンスを示す証明になる」という点は、就職活動でいうところの履歴書とか職務経歴書とか、もっといえばインターンのようなものにも近い気がしています。
職務経歴書できちんと自分の職歴とか技術を証明するほどに、雇用主はその応募者の素性を把握できて信用して採用しようという気になるし、インターンシップで実際に何ヶ月か働いてもらえれば、その人のパフォーマンスをきちんと確認できて、その働きそのものがその応募者の技術や経験を証明する素材になります。
例えば、同じような技術を持っていて同じような経験をしてきている応募者でも、職務経歴書の内容が薄かったりインターンシップに参加できる間口が開かれているにもかかわらずそこに積極的に参加をしないと、その技術とか経験を雇用主側に証明できません。それゆえに、いまいちその技術とか経験が雇用主側に伝わりません。
雇う側がどちらの応募者を採用するかといわれれば、その技術や経験をきちんと証明できている方になるはずです。
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話を戻しますが、だからこそ、音楽活動に取り組む人は日常的な発信を通して自分が持っている音楽表現の技術とかセンスを周囲に向けて証明するようなつもりで、きちんと発信に取り組んでみてほしいです。
その証明の回数が増えて、より深くしっかりとそれを証明できるほどに周囲の人はあなたのことをよりしっかりと信頼していきます。
それが信用になり、共感になり、応援になっていきます。発信をすればするほど証明の機会が増えます。だからこそ、コツコツと発信を続けていくことが大事です。
その発信の積み上げによって、何度も自分の技術やセンスを証明して、信用を積み上げていってほしいです。
▼ 週1~2通のメールマガジンでポッドキャスト書き起こし記事を深掘りしています。