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間違えた予約が、移動の価値観を変えた話

2016年の夏に沖縄へ行った帰りのはなし。私は沖縄から羽田に向かい、その足で大阪へと足を運んだ。

旅行の翌日に関西で用事があり、前日入りする必要があったからだ。だったら、なぜ沖縄→大阪にしないのか。それはもうツアーを申し込んでいたからだ。沖縄→羽田→伊丹という、マイル修行僧しかしなさそうな移動ルート。

間違えた予約とは、この羽田→伊丹のことだ。

ANAの座席指定が前方しかできない

その年、家族で沖縄に行きたいと話をして、沖縄行きの手配をしたのが5月ごろ。そして関西行きが決まったのは、7月ごろ。

つまり、羽田→伊丹の飛行機を別で予約しなければいけなかったのだ。お盆の最繁忙期をANAアプリで予約する。値段、25000円くらいだった記憶。

「まあ、お盆だしこんなもんか。」

普段の羽田ー伊丹線は、早めの予約で東海道新幹線と同じくらいの15000円前後で購入可能。お盆時期で高いのは仕方ないと思い、乗り継ぎ時間を考慮した時間で飛行機を予約。すぐにクレジットカードで決済。

問題は、その後だ。そのまま座席指定をする際に気づいてしまった。
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大手航空会社の前方座席は基本的に上級グレードの座席。いつもは機体後方座席を指定するのに、なぜか選択できる席は前方。


ANA 777-200のシートマップ。写真左側の1・2・3番席がプレミアムクラス。https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/prepare/seatmap/domestic/772/より引用。

「うわ、プレミアムクラスを予約してしまった。なにやってんだ、俺。」

キャンセルは手数料が取られる運賃。キャンセルしてまた取り直したら、金額はそんなに変わらない。ここは腹を決めて、プレミアムクラスに乗る決意をしたのだ。たぶん、関西に行けるということで浮かれていたんだろう。いい授業料だ。

初めてのプレミアムクラス

実際どうだったか。

まず空港での過ごし方から。

ANAラウンジが無料で使えたので行ってみた。ビールやおつまみ、ソフトドリンクなどが用意されていて、席数も多いため時間までゆっくり過ごせる。窓からの景色も楽しめた。

そんなこんなでラウンジを堪能した後は、いざ機内へ。

最上級会員の次に搭乗を案内されて、座席に座る。

「ご搭乗いただきありがとうございます。本日プレミアムクラス担当させていただきます〇〇と申します。よろしくお願いいたします。」

え、プレミアムクラスに乗るとCAさんが個別に挨拶してくれるの?と思い、たどたどしく返事をしてしまった。緊張がおそらくバレた。恥ずかしい。だが、これぞ日本のホスピタリティ。少し暖かい気持ちになる。

羽田ー伊丹間の飛行時間は1時間弱。その間、CAさんは手際よく食事の準備や飲み物を用意してくれる。そして、あっという間に降機の時間。最後のお見送りも丁寧だ。

間違って予約してしまったけど、いいサービスを受けてとてもポジティブな気持ちで降機できた。

プレミアムクラスの詳細はこちらから。

間違った予約から得たもの

それまであまり興味がなかったが、この経験から移動にお金を使うことや、いいものに自分から触れてみることを意識するようになった。

これ以降、新幹線のグリーン車も経験してみた。普通席との違いを身を持って体感した。過去に執筆した記事に、プレミアムクラスと新幹線グリーン車の特徴をまとめているので、是非チェックしてほしい。

そんなところにお金を使うなんてと思う人もいるが、自分の旅のマイルールでもある「ちょっとした贅沢をすること」は、間違えて予約した経験から来ている。絶対にマイナスにはならないと思うので、是非体験してみてほしい。

私の現在の旅行のペースは3・4カ月に1回くらい。あえて言っておくが、常に上級クラスの座席に乗るわけでもない。ただ、どこかプチ贅沢が出来ないかを考えて、旅の計画を立てるのが楽しみになっている。

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