ビジネス書と読み解く社会(2016)
ビジネス書のテーマはその時代の経済と話題性に強く結びついている。
なぜならビジネス書は新規性と実用性が重要だからだ。
テクノロジーが著しく発展している現代に「狩猟生活1年目の教科書」なんていう原点に立ち返る本は売れないだろう。
そこで今回は過去のビジネス書を利用して当時の経済などを読み解いていく。
参考にするのはビジネス書グランプリというflierという本の要約アプリが2016年から開催しているグランプリだ。
今回は初回の2016年に受賞したビジネス書を利用する。
ちなみに2014年12月~2015年11月に刊行された書籍の中でflierにおいて閲覧数が多いもの、グロービス教員アンケートで高評価のものを対象としている。
ビジネス書グランプリ第10位 マクドナルド 失敗の本質―賞味期限切れのビジネスモデル
2015年2月に出版されたこの書籍は、マクドナルドの経営問題について述べている。
2011年に過去最高益を達成したが、2014年の通気連結決算で218憶円という最終赤字に転落したことへの関心を反映している。
ビジネス書グランプリ第9位 新・観国立国論
2014年は訪日外国人数が過去最大の1,300万人をこえ、2013年は2020年東京オリンピック誘致成功で沸いている世間は観光に注目していたことがうかがえる。
本書は日本に25年住んできたイギリス人アナリストのデービッド・アトキンソンが日本の観光戦略について論じている。
ビジネス書グランプリ第8位 未来に先回りする思考法
本書は株式会社メタップスの代表取締役(現在は会長)である著者の佐藤航陽がポイントである。
メタップスはデータでお金と経済を変えることを企業理念と置いている企業で、このころには注目の高い企業であった。
このころには現在のお金の在り方に疑問を持つ人が多かったことがわかる。
ビジネス書グランプリ第7位 ALLIANCE
シリコンバレーで実践されている「アライアンス」という雇用形態について記されている書籍。
アライアンスとは企業と個人が互いにミッションを設定、達成して信頼を構築するもので、企業と個人の対等な関係を目指すもの。
変化が激しい現代社会において終身雇用という企業と個人の関係の変革を望む人が多かったことがわかる。
ビジネス書グランプリ第6位 シンプルに考える
ビジネス書グランプリ第5位 世界はシステムで動く ― いま起きていることの本質をつかむ考え方
これらは本質を見つける力を身に着ける王道書籍とシステムの本質を伝える書籍。
時代との関連は見つからなかったがどちらも名著である。
ビジネス書グランプリ第4位 ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える
こちらもアライアンス同様働き方の改革を訴える人が多かったことを感じさせる。
その意思が反映されたのか、このごろは従来の型にはまらない働き方も見られるようになった。
ビジネス書グランプリ第3位 HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか
こちらはスタートアップ企業経営者の苦悩を描いた著書。
スタートアップ経営の現実を突きつける著者は、スタートアップブームの過剰な加速に危機感を感じたように思える。
現在でも読み継がれている名著であり、スタートアップに燃える人々の存在を知る。
ビジネス書グランプリ第2位 21世紀の資本
映画にもなったこの著書では資本主義が生む格差について、そしてそのレールの先について述べられている。
かつて絶対的な信頼を寄せられていた資本主義が現代の社会で歪みを生んでいることを訴えている。
かなりタフな厚さにも関わらずこのランキングをとることから、世間の関心の強さを感じ取ることができる。
ただ、繰り返すがこのランキングは本の要約アプリflierの利用度などで決まっている。
厚さ故の結果という可能性もある。
ビジネス書グランプリ第1位 イーロン・マスク 未来を創る男
2015年9月に出版された本著が取り上げたこの男イーロン・マスクはそれまでにX.com(のちのPayPal)やSpaceX、ソーラーシティ、そしてテスラモーターズを立ち上げていた。
この時の世間の注目度は凄まじいものだったに違いない。
ちなみにテスラモーターズだが、厳密には創業したのはイーロンではない。彼は創業して1年後に投資をして、その4年後の2018年にCEOに就任している。
現在でも注目度が高いイーロン・マスクの動向を今後も追っていきたい。
最後に
いかがだっただろうか。
2014~2015年における個人から資本主義までの世間の関心をビジネス書とともに振り返った。
それら関心はもちろん1年で完結するものではない。
これから2017年、2018年、、とグランプリを振り返るが、その時代ごとのランキングで相対的に見直すことも重要である。
同じように感じていただけた方は次の投稿を楽しみにしていただきたい。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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