【音楽】天使のダミ声
前回
日曜日の朝食
今日は朝からサッポロ一番塩ラーメンに卵を混ぜ込んで朝食としたわけで(←高血圧治療中)、「やっぱ塩だよなー、塩、塩」と塩ラーメンの旨さに感動していた一方、人間の脳みそというのは不思議なもの、なんか突如「いやんなったー、もうだめさー」という木村氏のダミ声が鳴り響き始めてしまったのだ。
ここで「鳴り響き始めてしまった」というのが重要で、これは「鳴り響き始めた」という感覚とは違う。特にこういう音を聴きたいとか、こんな気分だからとかいうこととは無関係に、図らずも「鳴り響き始めてしまった」のである。
うん、しかしそんな個人的な事情とか書き方とか表現の仕方なんてのはこの際どうでもいいし、なにしろ飲酒明けにインスタントラーメンを拵えて食っていただけの堕落した朝の出来事に大げさな意味なんかあるはずもない。
木村
私個人としては木村秀勝という呼び名の方がしっくり来るのだけど、今は木村充揮という名前で活動しているこの木村氏、音楽好きの間では「天使のダミ声」と呼ばれている。
憂歌団
木村秀勝、内田勘太郎、島田和夫、花岡献治の4人で憂歌団。
1970年代から活動していて、1998年に冬眠という形で活動停止。
現在は島田、花岡が他界してしまったので、このメンツでの演奏はもう不可能になってしまったのが残念。
ラーメン食いながら
YouTubeで憂歌団を検索していたら面白い動画を発見。ラストコンサートをテレビで放映した(知らなかった)ものを録画してあったのか、それをアップしてある。
コンサート全編を網羅してあるわけではないけど、非常に良い番組。
憂歌団ラストコンサート
「ゲゲゲの鬼太郎」も「シカゴ・バウンド」も「嫌んなった」も「Tears in Heaven」も「君といつまでも」も、全部同じテンションで、汗だくになって歌い上げる木村とギターの内田をはじめとする3人の名手が丁寧に築き上げるブルースにはグイグイ引き込まれてしまう。
動画の終盤、アンコール手前の映像で木村のギターがチラッと大写しになるのだけど、弦が3本しか残っていない(笑)
確かにこの人、凄まじい勢いでギターを掻き鳴らすので弦も切れるだろそりゃ、でも途中で張り替えたりギターをとっかえたりしてたらライブって魔が空いてしらけるじゃん。
だからこの人、最後までこれでやり続けるんだろう。
でも、この前にちょこっと「聖者が街にやってくる」を演奏していて、その時にメロディをギターでなぞっているのだけど、その時も弦3本で演奏していることを考えると、これはなかなかに凄いことだと思う。
「Tears in Heaven」は本家のクラプトンの演奏は当然言う事のない名演奏なのだけど、憂歌団のこの演奏ってクラプトンより暑苦しく泥臭く必死で、歌詞だとかこの歌の作られた経緯だとかそんなこと一つも知らずに聴いたって涙が出てくる。
いかに言葉を尽くしても、この声の説得力が一番。
「天使のダミ声」
誰が言い出したのかは知らないが、最高のキャッチコピーだと思う
嫌んなった
君といつまでも
Tears in Heaven