【エッセイ】連鎖【映画】白い暴動
悪政の蔓延る日本
最近いろいろと政治・経済に対する投稿が多くなっているというのは、そういう報道を多く見聴きするようになっているからで、それはある意味、Xにしろその他のSNSにしろニュースサイトにしろ、AIが利用者の興味に関連して情報を送りつけているからだということは十分に承知している。
しかし、私のような庶民だけじゃなく経済学者や評論家の多くもコメントを出す確率が高くなっていることを考えれば、単に偏った機械的な情報提供というだけではなくて、やはり日本という国の国民の興味の多くがそこに集まっていることは間違いない、いわば政治経済は、国レベルのトレンドと言えるんじゃないかと考えている。
増税したり保険料上げたりで国民負担率はどんどん高くなりそうなると当然可処分所得が減るわけで、その状況の中、政府と日銀が結託して意図的に物価を上昇させることにより当然の結果として実質賃金は低下し、国民の生活は困窮していく。
このおかしな政策の根本に働いているのはプライマリーバランス(PB:基礎的財政収支)の黒字化というやつで、ものすごく簡単にいうと国の政策(安全国防社会保障等の全てにおいて)は必ず税金や保険料等、国民から徴収する収入で賄わなければならならず、賄ったうえで黒字(残高がプラス)にならなければならないという、まったくわけのわからない理屈である。
そして、これが赤字になってそれを国債発行で補填することを「借金」と呼び、PBの赤字が続くと国の将来、わたしたちの子孫にその借金を残すことになるという、これまたへんてこりんな理屈を捏ね回す。
そもそも税収が黒字になる必要は全く無いし、国債の発行は借金ではない。
国債は間接的に国民が購入しているのだから、国にお金を貸しているのは国民であり、政府の言っていることというのは、「国は国民からお金を借りている。その返済は債権者である国民自身がしてください」ということで、債権者も債務者も国民みたいな矛盾したことを平気で言っているわけだ。
こんなバカなことを言い、そのために景気後退の中でどんどん税収を上げているような国は日本の他に一国もない。
また、国債はどんなに大量に発行しても国が破綻するなんてことはあり得ない、それはもう万人が知るところであるのだが、政府はそれを無視して圧政を続けている。
時代は変わる
以前こんな記事を書いた。自公が少数与党に堕ちたときである。
白い暴動
そして最近、アマプラで「白い暴動」というドキュメント映画を観た。
私にとってザ・クラッシュは特別な存在であり、彼らのファーストアルバムで「白い暴動」を聴いたときの衝撃は忘れられない。
さて、この映画はこの名曲の元となったR.A.R(Rage Against Racism)という人種差別への抗議運動の話なのだが、このような運動が起きた根本にはかつてのイギリスのひどい経済不況がある。長く続く不況で失業者が溢れ人々、特に若者の鬱憤が溜まり続けて遂にその捌け口は移民の排除や人種差別に向かいそれを先導する者と抗う者が衝突するのだが、警察は差別を助長し、反対勢力を暴力で鎮圧する。こうした圧政に立ち向かうための勢力がR.A.Rであり、彼らは音楽フェスを開催して人種差別を非難した。そのフェスでザ・クラッシュの演奏する「白い暴動」の元に民衆は結束して行く。
なんか今の日本の状況ってちょっと似てない?
長引く不況、下がり続ける実質賃金、国民を裏切り続ける国家権力。
その国家権力の政策の間違いなのか、あるいは国民の目をあえてそちらに向けようと画策しているのかは定かではないが、一部で日本に暮らす外国人に対する憎悪とも取れる発言が見え隠れし始めている。
ただ、考え違いをしてはいけないことがあって、文化やイデオロギーの違う国からやってきた人が、自国以外で暮らす場合、その国の法律や文化、イデオロギーを受け入れなければならない、それは当然だし、大前提だと思う。
ただこれは、個人の認識の問題である。
昨今、SNSで見受けられる外国人批判の根底には、日本政府の政策がある場合というのがかなり大きい。
昨年の震災から立ち直れていない能登を置き去りにして外国を支援する。
日本人の国民負担を増加させながら、外国人の生活を保護する。
アメリカを後回しにして中国との関係を密接にしていく。
こういう、国民感情を逆撫でする政策を次々に実施し、それを自慢するように発表するこの政府の姿勢に国民は苛立ってきているのだ。
重税に耐えられない国民は各地で財務省解体のデモを始めている。
以前も書いたが、これが暴動に発展しないとは言えない。
メディアは暴動が起きるのを待っているかのように、国民の平和的な抗議を報道しない。
この国はどうなっているんだ?と多くの国民が感じ始めている。
Joe Strummer
ザ・クラッシュのボーカリストである故・ジョー・ストラマー。
私は彼の
「パンクはスタイルじゃない。姿勢だ」"Punk is attitude,Not style."
という言葉に痺れて、以来なんだかんだ紆余曲折ありながら気持ちのどこかにいつでも必ずパンクがある。
写真家のハービー山口さんとジョー・ストラマーの有名なエピソード。
若者と老人
前述の通り、日本政府は次々と悪辣な政策を仕掛けている。
そのひとつに年金の問題がある。
↓まずこれ
↓そしてこれ
厚労省は賞与を除いた年収が798万円の人を、何を根拠にしたのか不明だが「高所得者」と決めつけ、年金保険料を月に1~3万円増額するというのだ。月にこれだけだから、年に直せば実に12~36万円である。
そしてこの増えた分を高齢者の年金の増額に充てるというのだが、これは若者からすれば「高齢者優遇」であり、当然反発する。
↓更に
在職老齢年金制度で、年金のカットが始まる基準額を50万円から62万円に引き上げるというのだ。
ただ、ここで一点、高齢者に対して不利な政策もある。
60歳を過ぎて再雇用等で労働する場合に、賃金が60歳時比で75%未満に低下した場合、65歳までは各月に支払われた賃金の15%を限度として支払われている「高年齢雇用継続給付金」を令和7年4月1日以降に定年する人からは10%に引き下げられるというのだ。
これって、働く高齢者が辞めちゃわない?労働力不足に拍車がかからない?政府が何をしたいのか全く理解できない。
ここまで見てきて、嫌になるほどややこしい(笑)
あっちから取り上げ、こっちを減らし、そっちを上げる。実にバカバカしい。おままごとである。
完全に引退した老人に対してはどんどん給付を増やし、定年退職後に低賃金で労働する者は冷遇する。
とにかく、現役世代であろうとシニアであろうと、労働している人間の生活をどんどん低下させ、労働していないない者を優遇する政策である。
これでは労働している者は怒るに決まっている。
自分たちの生活がどんどん苦しくなって、まったく生産性のない老人が優遇されるのだ。
私見だが、これは財務省が国民の反発を自分たちから老人に逸らせようという極めて悪辣な謀略で、世代間の憎悪、断裂を助長するために実行している作戦なのではないか?と思っている。若者と老人はコミュニケーションを断ち切るほうが、政府には都合が良いのだ。自分の孫が自公を嫌えば、老人は孫に従うだろう。そうなると高齢者からの支持でかろうじて生きている自公政権は基盤を失う。
だから若者と老人を切り離す。
しかし、これってヘタをすれば、老人を憎悪する若者が突発的な暴力に走るという可能性があるのではないか?
ホームレスがどの街にも多くいた頃、若者は彼らを襲撃し、実際に殺害事件も起きている。彼らは特に憎悪の対象であるとは限らない人を、面白半分に殺したのだ。鬱憤晴らしに殺したのだ。
ここに憎悪感情がプラスされれば、どんなことになるかわからない。
こういう犯罪は、増加しないのだろうか?
また、別の側面から見ると、この高齢者優遇に関して言えば間違いなく参院選に向けた選挙対策でもある。自公の支持層の大半は高齢者であることから、手を回しているのだ。今や、自公の支持率低下は50代にまで進んでいるため、かなりの焦りが見えている。
真の敵を見誤るな
しかし、少し気になるのは、これらのことで国民の怒りの矛先が最近では厚労省に向きつつあるということで、これは国民民主などが要求している減税が仮に実施された場合でも他からの増収を確保するために、厚労省を利用した財務省の差し金であり、あくまでも裏で糸を引く最大の悪は財務省であるということを忘れてはいけない。
国民の生活は困窮している。
自分たちの負担が増えてそれが外国人や不労老人に渡るという不満は当然ある。
しかし、この国の制度をそのようにしているのは日本政府、経済団体、日銀そして我が国最大の巨悪「財務省」である。
見誤るべきではない。
憎悪は弱者に向けるのではなく、根源に向けるべきだ。
こんな誰にでもわかるようなペテンは政策ではない。
現政府を完膚なきまでに駆逐する。
その方法は簡単、国民最強の武器、投票である。
選挙というのは、好きなやつを選ぶことであると同時に嫌いなやつを地獄に落とす戦争である。
今まで一度も選挙に行っていない人の半分が選挙に行って現政府以外の政党/候補者に投票すれば、この国は簡単に変えることができる。
厚生労働省の打ち出す保険料の改定は「税ではない」という理由で国会での決議不要で変更されてしまう。
ただ、これは逆手に取ることができる。
日本政府が根底からひっくり返り、現政府が鎮圧され、厚労省の決定が覆れば、保険料を下げることもまた簡単にできるのだ。
戦うことで、自分たちの思い通りの日本に変えてしまえばいいのだ。
「人間は何でも望むとおりに変えることができる、世界中のどんなことでも」
“People can change anything they want to, and that means everything in the world.”
…ジョー・ストラマー(Joe Strummer)