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【エッセイ】チャレンジングな年末とは(笑)


チャレンジング・ショック

 昨日のことである。

まぁこのあたりとか。

あっという間にチャレンジング・ショックなんて言葉もできてたり(笑)

ざっくり言うと

・金融正常化の前提となる物価2%目標について
「十分な確度を持って見通せる状況にはなお至っていない」
「賃金と物価の好循環が強まっていくか注視していくことが重要」

・目標達成の見通しが立てば
「マイナス金利の解除、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の見直しが視野に入ってくる」

・その上で
「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」

と発言しているということ。
 日銀の総裁が。

 この情報から市場では、12月18日19日に予定されている日銀の金融政策決定会合でマイナス金利の解除が発表されると推測されて米長期金利の低下との相乗効果でドル円が下落、さらにおそらくはオプションをひっかけて暴落ということになったのだと思われるのだが、なんかこの反応ってあまりにもせっかちでは無いかと思うのだ。
 どう考えても「賃金と物価の好循環」なんか見えていないしそもそも、大企業の賃金闘争の結果がでるのは来年の春である。しかしその段階で順調に賃金が上がったとしてもそれが継続できるかどうかを確認するには本来、数年の観察が必要になる。

 普通に考えてこのタイミングでマイナス金利解除(実質的に利上げ)をすれば、金利上昇に因る企業の利益の圧迫、日米金利差縮小による円高進行で日本の経済の中核である輸出企業の業績悪化につながる可能性もあり、そうなれば賃上げにも影響するし、政策金利が上がればすぐに変動型住宅ローンの金利上昇が始まり、消費者のマインドも覚めてしまって、庶民の消費意欲は後退し、経済の循環なんかとうてい無理な話になってしまうのである。

 そんな私のようなど素人でも解るような愚策を一国の中央銀行がやらかすだろうかということである。

そもそもこの前段として

 植田総裁は
「基調的な物価上昇率は25年度にかけ2%目標へ徐々に高まる」
と言っているわけで、この発言を見れば物価目標到達は最短でも2025年度というふうにこの人は考えているということで、繰り返しになるがこの見通しが立った段階で
「マイナス金利の解除、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の見直しが視野に入ってくる」
ということになるのだ。

 もし仮に今月の会合でマイナス金利撤廃の判断がされるとすれば、今までのアナウンスはデタラメで、いままで何十年も続けてきた緩和政策をすべて否定することになるのであって、まさかこのタイミングでそんなバカなことはしないだろうと思いたいのだ、個人的に。

タイミング

 まぁなんかこの発言が出たのもクソメガネとの会談後ということから、なんとなくよくある口先介入の一種なんじゃないかと、私は思っている。

 ここに来て円安の影響で海外旅行を渋る人々が増えたとか、帰省シーズン、旅行シーズンにガソリン代が高くて自粛するとか、国内的にはそういう不満があるというのは当然で、そのあたりの対応をしないとただでさえだだ下がりの支持率が更に落ちる、しかしこの為替水準では介入という選択肢はない、なのであとちょっと下げるためには日銀総裁の微妙な言い回し「チャレンジング」が功を奏したのではないだろうか。

不自然

 不思議なことにこのドル円の下落があっても、アメリカの株式市場はほぼ無風なのだ。

 発言の内容、タイミング、米株との相関、なにしろ不自然なことだらけなのだ。

FOMC・日銀金融政策決定会合

 いずれにしても来週のFOMC、再来週の日銀金融政策決定会合には注目しておかないといけない。

 そうでなくてもクソメガネは減税だの賃上げだのという話題の影で、国民負担率を上げるような施策を次々に打ち出しているので、あとで泣きをみたくなければ、自国の金融・政治・経済は表面だけでも理解しておいたほうが良いと思う。そうでないと、小さく喜んだあとに号泣/絶望を味わう羽目になる。

余談

 だけれども、日本の物価高の最も大きな原因とされる原油価格、これ、直近ではピーク時の半値くらいまで下落しているので、電気代とかガソリン代とか、補助金云々以前にガンガン下がってこなかったらおかしいのである。
 もちろん食品関係だって同じ。 

 騙されちゃいけないし、自分たちがいかに国や企業に搾取されているかをいつでも考えながら生活しないと、おとなしい国民性が仇となって文字通りの死活問題になる。

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